高山祭の違いとは?春秋に行われる高山祭の雨の確率・日程・場所・屋台など
飛騨高山の四季を彩る伝統の美、「高山祭」。ユネスコ無形文化遺産にも登録されるこの伝統行事は、毎年「春」と「秋」の2回開催されています。
「どちらに行けばいい?」、「見どころや雰囲気の違いは?」と悩む人も多いはず。
同じ高山祭だけど、春と秋では神社や開催場所、曳き回される屋台などが違います。
今回は、高山祭へ行く前に知っておきたい春の高山祭(山王祭)と秋の高山祭(八幡祭)の違いを案内します。
※屋台とは露店や出店のことではなく、祇園祭の山鉾のようなもの
高山祭の「春」と「秋」の違いとは?
高山市の安川通(R158)を境に南の日枝神社例祭「春の山王祭(4月14・15日)」と北の櫻山八幡宮例祭「秋の八幡祭(10月9・10日)」を合わせた総称が高山祭です。※基本的には安川通りが境だけど、細かい路地や歴史的な経緯により、複雑に分かれている箇所もあり
どちらも飛騨の匠の技が集結した豪華絢爛な「屋台」が登場するけど、その背景や祭りの舞台には明確な違いがあります。
| 春の高山祭(山王祭) | 秋の高山祭(八幡祭) | |
| 開催日程 | 毎年 4月14日・15日 | 毎年 10月9日・10日 |
| 氏神(神社) | 日枝神社(旧高山城下町の南側) | 櫻山八幡宮(旧高山城下町の北側) |
| 登場する屋台数 | 12台(うち3台でからくり奉納) | 11台(うち1台でからくり奉納) |
| 街の景観 | 桜と春めく町並み | 紅葉と秋空に映える歴史的町並み |
春の高山祭(山王祭) 飛騨・高山観光コンベンション協会
秋の高山祭(八幡祭) 飛騨・高山観光コンベンション協会
高山祭パンフレット(PDF飛騨・高山観光コンベンション協会)
高山祭の「春」と「秋」の雰囲気の違い
春の高山祭(山王祭)は日枝神社のお祭りだけど、日枝神社の近くで行われるわけではなく、少し離れた日枝神社の御旅所の近くで行われます。だから神社のお祭りという感じが薄れ、高山の町中で行われる祭という雰囲気。
京都の祇園祭も八坂神社のお祭りだけど、八坂神社から少し離れた場所で祇園祭の宵山や山鉾巡行が行われるから、八坂神社のイメージが薄れるのと似ている。

京都の四条烏丸周辺の鉾町で行われる祇園祭のような雰囲気ですね。
一方、秋の高山祭(八幡祭)は櫻山八幡宮の表参道で屋台の曳き揃えがあったり、からくり奉納も櫻山八幡宮の境内で行われるから、「櫻山八幡宮の秋祭り」っていう感じがする。



露店や出店も表参道周辺に出るし。
春の高山祭(山王祭):日枝神社と桜が紡ぐ華やかさ


毎年4月14日・15日に行われる「春の高山祭(山王祭)」は、城下町の南半分の氏神様である「日枝神社(ひえじんじゃ)」の例祭。
冬の厳しい寒さが和らぎ、飛騨高山に春の訪れを告げる風物詩として親しまれています。
最大の見どころは、赤い中橋周辺に咲き誇る桜と、豪華絢爛な12台の屋台との共演。春の陽光を浴びて輝く金の装飾や精密な彫刻は、思わず息をのむ美しさ。
また、からくり奉納を行う屋台が3台(三番叟・龍神台・恵比寿台)あり、匠の手による精密な動きを堪能できます。
【春の高山祭2026】スケジュールや高山グルメ、露店出店、食べ物など






秋の高山祭(八幡祭):櫻山八幡宮と紅葉が奏でる凛とした風情


毎年10月9日・10日に行われる「秋の高山祭(八幡祭)」は、城下町の北半分の氏神様である「櫻山八幡宮」の例祭。実りの秋への感謝を捧げるこの祭りは、どこか凛とした静謐な雰囲気が漂います。
秋の高山祭の見どころは、色づき始めた紅葉や秋晴れの澄んだ空に映える11台の屋台。春の屋台とはすべて異なるラインナップ。
秋の高山祭のからくり奉納は「布袋台」の1台のみだけど、その分スケールが大きく、感動を誘います。
【秋の高山祭2026】スケジュールや高山グルメ、露店出店、食べ物など






高山祭 屋台曳き揃え
春の高山祭


春の高山祭(山王祭)を彩る12台の屋台は、いずれも江戸時代からの伝統を継承する豪華絢爛な「動く工芸品」。
各屋台の場所等は、高山祭パンフレット (PDF飛騨・高山観光コンベンション協会)参照
春の高山祭 屋台をみる
恵比須台
大型屋台のひとつで、江戸時代に完成された「モデル屋台」と称されます。名工・谷口与鹿による「手長足長」の彫刻や、西陣織の異国情緒溢れる見送り幕、純金を多用した豪華な金具が特徴。
神楽台
祭行列の先頭を進む、大きな太鼓を備えた屋台。獅子舞とともに、道中の穢れや悪霊からお祓いをする。
麒麟台
名工・谷口与鹿による白木彫刻「唐子群遊」が見どころで、精巧な透かし彫りが見事。切妻破風の屋根に外御所車を供えた豪華な造りで、麒麟を図案化した台紋が特徴。
琴高台
名工・谷口与鹿による中段の「波間の鯉」の彫刻は最高傑作と評され、緋色の大幕や金具に至るまで「鯉づくし」の意匠で統一された装飾が見どころ。
崑崗台(こんこうたい)
名称は中国の金銀の産地「崑崗」に由来し、屋根の宝珠は金塊を表します。正面には唐子人形、見送りには中国産刺繍の寿老と鹿図が施されています。切妻破風屋根が特徴の優美な屋台。
五台山
飛騨の屋台の中で最も贅を尽くした一台。諏訪の銘工による獅子の彫刻や、円山応挙の下絵を西陣で織り上げた精緻な刺繍幕など、豪華絢爛な装飾が特徴。
三番叟(さんばそう)
からくり奉納が行われる屋台。童子が舞い、途中で顔が老人に変わるという驚きの仕掛けがあります。
石橋台(しゃっきょうたい)
からくり奉納が行われる屋台。美女が獅子に変身してボタンの花と戯れる、華やかなからくりが披露されます。
青龍台
高山城の本丸を模したといわれる三層の入母屋式屋根が特徴の屋台。かつて祭事を主宰する「宮本」を務めた伝統を持ち、金森家の家紋「梅鉢紋」の使用を許されています。
大国台
大国天を祭神とする屋台。中柱が屋根を支える独特の構造により、曳行時にゆらゆらと揺れる「しなう美しさ」が特徴。米相場を占う伝承や、精巧な飛龍や獅子の白彫も必見。
鳳凰台
屋根に高くそびえる鉾が特徴の最大の屋台。建物の軒先を避けるため、上段が伸縮する独創的な構造を持ちます。外観は木材の美しさを活かし、精緻な装飾が施されています。
龍神台
からくり奉納が行われる屋台。壺の中から龍神が飛び出し、怒濤の勢いで紙吹雪を撒き散らすダイナミックな「龍神舞」が最大の見どころです。
【春の高山祭2026】スケジュールや高山グルメ,露店出店,食べ物など


秋の高山祭


秋の高山祭(八幡祭)を彩る11台の屋台は、いずれも江戸時代からの伝統を継承する豪華絢爛な「動く工芸品」。櫻山八幡宮の表参道に屋台曳き揃えられます。
春の高山祭になくて秋の高山祭だけにあるのが「屋台曳き廻し」。10月9日の屋台曳き揃え(9:00~17:00)の13:30~15:30に、櫻山八幡宮表参道の北エリアで屋台の曳き廻しが行われます。
・秋の高山祭2026 各行事・屋台の場所
・各屋台については高山祭パンフレット (PDF)
秋の高山祭 屋台をみる
神楽台(かぐらたい)
金森重勝(飛騨高山藩第2代藩主・金森可重の五男で金森左京家初代)寄進の太鼓はかつて他組の妬みで傷つけられたと伝わり、祭礼では侍烏帽子、素襖(すおう)姿の楽人5人が乗り獅子舞が付きます。棟飾りの鳳凰と天照・八幡・春日の3神を表す金幣束が独特。
布袋台(ほていたい)
36条の手綱で操るからくり人形は、曲に合わせて唐子2人が綾(平行な5本の棒)を鉄棒のように渡り、布袋和尚の肩に乗ると和尚の持つ軍配から「和光同塵(わこうどうじん)」の幟(のぼり)が出る精緻な構成。屋台も文化年間以来の古い構造を残しています。
金鳳台(きんぽうたい)
享保年間の曳行伝承がある古い歴史の屋台で、文政元年に再興されました。翼を張る鳳凰の棟飾りや四季草花の欄間が特徴。武内宿禰と応神天皇の人形を祀り、文政再興時の面影と初期屋台の風格を色濃く残します。
大八台(だいはちたい)
文化年間に文政台組と分かれ、文政元年に高山初の3輪屋台として創建されました。最大級の外輪や大金幣束の屋根飾りが特徴。多くの屋台囃子の源流となった名曲「大八」の発祥組であり、以前は吹き抜けの中段で童子が優雅に演奏しました。
鳩峯車(きゅうほうしゃ)
延享4年(1747)以前創建の古い屋台。天保年間に4輪から3輪へ改造され「鳩峯車」と改称しました。幾度の修理を経ており、天保期に購入した豪華な綴錦織(つづれにしきおり)の幕を四方に巡らせている点が大きな特徴。
神馬台(じんまたい)
4隅の柱が中段に突き抜け青龍刀と4神旗を掲げる独特な構造。人形は跳躍する白馬と馬丁で、かつて暴れ馬と呼ばれ喧嘩の絶えない屋台でした。般若面が刺繍された大幕と、雅楽の越天楽(えてんらく)を用いる屋台囃子が特徴。
仙人台(せんにんたい)
享保期の「湯の花」組から分かれ、明和から安永の始め頃に造られた屋台。他が切破風へ移る中、往時の唐破風屋根や極彩色の剣巻龍を保ちます。かつては久米の仙人と美女のからくりがありましたが、現在は仙人像のみを飾ります。
行神台(ぎょうじんたい)
※行神台は現在修理中
享保3年(1718)に八幡祭の屋台行列が始まった際の屋台4台の内の「湯の花」から分かれて創建。その後、大火や長期休台を経て昭和26年に復活。役小角(役の行者)の人形や密教の法具五鈷(ごこ)を配した装飾が特徴で、この地域の開拓の縁からかつては神楽台に次ぐ全屋台の先頭を巡行していました。
宝珠台(ほうじゅたい)
雌雄の大亀と大宝珠の屋根飾り、美しいケヤキ一枚板の台輪が特徴の屋台。「名工の作った亀は水を求めて川に入る」と立て札を立てて、名物の亀を他組が川へ隠したといういたずらが伝わっています。
豊明台(ほうめいたい)
創建は未詳で、元は「芦刈」と称し、天保6年(1835)頃に「豊明台」へ改められました。天皇が即位の礼などの儀式で用いる御座の高御座(たかみくら)を模した構造は大幕の部分に残ります。大鳳凰や牡丹・十二支の彫刻などが華麗に施された装飾豊かな屋台。
鳳凰台(ほうおうたい)
創建は未詳で、谷口与鹿らの作とされる高山最大級の谷越獅子彫刻と、かつて施された大量の金具が特徴。本見送りの鳳凰の綴錦織(つづれにしきおり)と替見送りの龍の墨絵を備え、華麗で均整の取れた姿を誇ります。
【秋の高山祭】スケジュールや高山グルメ、露店出店,食べ物など


高山祭 からくり奉納
高山祭の華であるからくり奉納は、伝統工芸の粋を集めた精巧な人形の舞。
春の山王祭では三番叟(さんばそう)、石橋台(しゃっきょうたい)、龍神台の3つの屋台、秋の八幡祭では布袋台で披露されます。
熟練の「綱方(つなかた)」たちが、屋台の内部から数十本の糸を操り、人形にまるで命が宿ったかのような繊細な動きを与える。
春の高山祭 からくり奉納


三番叟(さんばそう)、石橋台(しゃっきょうたい)、龍神台の3台の屋台に備えられた、からくり人形による見事な演舞を鑑賞できます。
春の高山祭2025 からくり奉納 (YouTube 飛騨・高山観光コンベンション協会)


秋の高山祭 からくり奉納


秋の高山祭ではからくり奉納を行うのは布袋台の1台だけだから、春の高山祭の3台に比べて「物足りないのでは?」と思うかも。
でも、布袋台のからくり奉納は「こんなことが“からくり”で出来るの!?」っていうような驚きの動きを見せます。
秋の高山祭からくり奉納2025 (YouTube 飛騨・高山観光コンベンション協会)
秋の高山祭2025 (YouTube 飛騨高山ケーブルテレビ局「Hit net TV!」)


高山祭 御巡幸・御神幸


春の高山祭 御巡幸(祭行列)
春の高山祭における御巡幸(ごじゅんこう)は、日枝神社の神様が神輿(みこし)に乗り、氏子区域の各町内を巡る伝統的な行列行事。
4月14日・15日の両日、総勢数百名にのぼる大規模な行列が編成されます。
獅子舞や闘鶏楽(とうけいらく)の鐘の音、雅楽の調べ、そして裃(かみしも)姿の参列者が続き、まるで江戸時代の絵巻物が現代に蘇ったかのような荘厳な雰囲気に包まれる。
秋の高山祭 御神幸(祭行列)
秋の高山祭における御神幸(ごしんこう)は、櫻山八幡宮の八幡大神が神輿(みこし)に乗り、氏子の繁栄を願い、区域の各町内を巡る伝統的な行列行事。
10月9日・10日の両日、数百人規模の大行列は、獅子や雅楽、裃姿の警護などが時代絵巻のように巡行し、江戸時代から継承される格式高い装束は市が着付け講習会を行うほど大切に守られています。
高山祭 夜祭・宵祭
高山祭を訪れるなら、日が落ちてからの行事も見逃せない。春は「夜祭(よまつり)」、秋は「宵祭(よいまつり)」と呼ばれ、日中とはがらりと表情を変えた幻想的な世界が広がります。
夜風を感じながら提灯の灯りに照らされた町を歩く時間は、まるで江戸時代にタイムスリップしたかのような旅のハイライトになります。
夜祭(春の高山祭)


春の高山祭の初日、14日の夜に行われる夜祭りは、昼間の華やかさから一転し、幽玄で幻想的な雰囲気に包まれる行事。
最大の見どころは、各屋台に灯される約100個もの提灯です。
ゆらゆらと揺れる灯火が、屋台の精緻な彫刻や金箔を優しく照らし出し、暗闇の中に黄金の巨体が浮かび上がる姿は息を呑む美しさ。


宵祭(秋の高山祭)


午後6時に神楽台を先頭に11台の屋台が出発し、夜の町並みを巡行します。提灯の灯りに浮かぶ幽玄な姿で昼とは異なる魅力を放つ。※2026年は行神台が修理中のため、屋台は10台のみ
漆黒の闇、提灯の明かり、そして観衆の熱気が一体となる宵祭は、飛騨高山の秋の深まりとやがて来る長い冬の訪れを予感させるひととき。


春・秋の高山祭 雨について
高山祭の屋台(国の重要有形民俗文化財)の保護を最優先するため、わずかな雨(1mm程度の小雨)でも屋台の曳き揃え(展示)や巡行、夜祭・宵祭は即座に中止となり、各屋台は「屋台蔵」へ収められます。中止の場合は延期はなし。
だから、高山祭を楽しむうえで雨が降るか降らないかは、めちゃめちゃ重要。
・屋台曳き揃え:各屋台蔵で鑑賞、中止など
・からくり奉納:回数を減らして実施、各屋台蔵の中で実施、中止など
・御巡幸・御神幸:規模を縮小して実施、中止など
・夜祭・宵祭:規模を縮小して実施、中止など
高山祭 過去20年間の降雨状況まとめ
高山市で日降水量が0.5mm以上(雨が観測された日)をカウントした結果は以下の通り。
| 期間 | 調査対象日数 | 雨が降った日数(0.5mm以上) | 降水確率(日数ベース) |
| 春(4月14日・15日) | 計40日間 | 約13〜15日 | 約35%前後 |
| 秋(10月9日・10日) | 計40日間 | 約11〜13日 | 約30%前後 |
過去20年間のデータでは若干、春の高山祭の方が雨の降る確率が高い。
およそ「3年に1度」ペースで雨に見舞われる
- 春・秋ともに、2日間のうちどちらか1日以上雨が降る割合は約50〜60%
- 全く雨が降らず2日間とも快晴・晴れとなる年は半分以下で、どちらかの日に雨が降ったり降雨により屋台行事の一部が中止・変更になったりするケースが比較的多く発生
春の高山祭(山王祭:4月14日・15日)の天気傾向
- ちょうど移動低気圧や前線が通過しやすい時期にあたり、低気圧の通過に伴ってまとまった雨が降るケースが見られる
- 雨が降り始めると気温が大きく下がり、残雪や寒気が残る高山では「肌寒さ」を感じる日が多くなる
秋の高山祭(八幡祭:10月9日・10日)の天気傾向
- 秋の深まりとともに秋雨前線の停滞や台風の接近・通過が重なることがあり、一時的に強い雨が降ることがある
- ただし高気圧に覆われた場合は秋晴れの穏やかな天候になりやすく、日中と朝晩の寒暖差が大きいのが特徴
春と秋の高山祭の違いとは?まとめ
春の高山祭(山王祭)は、桜と華やかな屋台、賑やかな3台のからくり奉納が魅力の爽やかな祭り。
一方、高山祭(八幡祭)は、秋深まる紅葉と屋台、布袋台の見事なからくりが心に残る風情ある祭り。
どちらの季節に訪れても、飛騨の匠が受け継いできた日本の美意識と熱気を肌で感じられることに違いはなし。
20年間のデータでは若干、秋の高山祭(八幡祭)の方が雨が降らない確率が高い。



春と秋の違いを高山祭へ行くときの参考にしてみてください。
【春の高山祭2026】スケジュールや高山グルメ,露店出店,食べ物など






【秋の高山祭】スケジュールや高山グルメ、露店出店,食べ物など












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