青紅葉
「 青紅葉 ( あおもみじ ) 」
京都の東山を眺めていると, 初夏には濃い緑の中に若葉の黄緑が混ざり, 新緑の季節を実感させてくれます。 この時期に楽しめるのが「青紅葉」。
ただ自分自身が, なんで緑色なのに,「 ” 青 ” 紅葉 」って言うんやろ ? って思ったので, 調べてみることに。 そこには遠い昔の日本人の色彩感覚が関係していました。
青と緑は一緒 ? !

青と緑は一緒だから ! っていうのが理由。 なんぼなんでも乱暴すぎる ! !
でも, 遠い昔の日本では, 色の表現で「 緑色 」は ” 青色 ” に含まれていたらしいんです。 紺碧 (こんぺき) の海も青空も新緑も全て ” 青色 ” 。 藍色と青色はわかるけど, 青と緑が一緒というのは理解に苦しみますね (^^)
昔の人が, 青も緑も同じように見えていたというなら理解できるけど, どうも納得がいかない。 昔も今も, 青い空は青色, 新緑は緑色には変わりがないんだし ・ ・ ・ ・ 。
ハッキリと緑が青と区別されて表現されるようになってきたのは, 平安時代末期 ~ 鎌倉時代始めの頃から。 現代でも昔からの名残で, 「 青々とした新緑 」とか緑色でも「 青葉 」っていう表現をしますね。 めちゃくちゃ緑色なのに, 「 青汁 」とも (笑)
だから, 新緑のカエデも「青紅葉(あおもみじ)」 。
ここからは, 想像。

青と緑を区別しないのは, 現代に生きる私は納得できないけど, 色々「 なんでなんやろ ? 」って考えてたら, 昔の人は, 色の表現も曖昧で, 生きていくだけだったら, 青色と緑色の区別はそれほど重要ではなかったんでしょうね。
それが生きていくだけじゃなくて, 文化や芸術も楽しむようになってきてから, 徐々に変わってきた。 和歌などで自然の描写や移ろいを詠むようになってきて。
「 ん ? 青と緑は, 別けて表現したほうがエエんちゃうん ! 」って疑問に感じる人が出てきたのでは (笑)
青と緑色を区別するようになってきたと同時に, 古い言いまわしも, やっぱり「 オシャレやん ! 」として残っていったのかも (^^)
なんで, 青信号 ?

最近は, 青色に寄っていっている気もするけど ・ ・ ・ ・ 。
ちなみに, 誰でも一度は疑問に思うであろう「 青信号 」。 緑色なのに ・ ・ ・ ・ 。
昭和5年 ( 1930 ) に初めて設置されたときは, 当然, ” 緑信号 ” と言っていたそう。 世界中を探しても, ” グリーン ” をブルーって表現する国は珍しい。
実は信号機が設置されたことを記事にした新聞が, 緑色の信号機のことを, 「 青信号 」 と掲載して, その事が定着化してしまったのが真相のよう。
それもこれも, 日本人が昔から, 生きていく上で, 緑と青を一緒と表現することが, それほど重要じゃなかったからなんやろうなー。 と自分を納得させています (^^)
青紅葉 おすすめスポット
真如堂

真如堂の良いところは, 青紅葉だけではなく, 紫陽花も同時に楽しめるところ。 京都市内で紫陽花を楽しめるのはそれほど多くないので貴重なお寺。
メインはやっぱり三重塔。 絵になる風景が広がります。 そして, 青紅葉の時期は, 本堂裏も主役に躍進。 青紅葉と紫陽花が人々を静かに迎えてくれます。
紅葉の時期と違って, 青紅葉の時は, 観光客が少ないのも魅力の一つ。 ゆったり落ち着いて新緑の緑を楽しむことが可能。 オススメです ! !
圓光寺

緑好きの私としては, 是非 新緑時に訪れたいと思っていた「 圓光寺 」。 期待通り緑眩しく, 美しい光景を見せてくれました。
そして, 紅葉の時期と明らかに違うのは, 木々のみずみずしさだけではなく, 人の少なさ。 平日の午前中だったけど, ホトトギスや小鳥のさえずり, 十牛の庭にある栖龍池のカエルの鳴き声を聞きながら, 本当に ゆったり安らかな気持ちで青紅葉を楽しむことが出来ました。
常寂光寺

秋は, めちゃくちゃ綺麗な紅葉を見せてくれる常寂光寺。 新緑の時期に訪れたのは初めてだったけど, マイナスイオンを身体中に浴びてめちゃめちゃ気持ちいい ! !
青紅葉の美しさは想像通りで,綺麗な青紅葉を見ることが出来ました。 紅葉の時もそうだけど, 特に仁王門辺りの景色がオススメ !
そして, 新緑の時期に訪れて再認識したことは, 苔の緑も楽しめるということ。 新緑の緑との共演が見所に加わります。 常寂光寺は, 紅葉だけではく, 青紅葉もオススメ! 観光客も少ないし (^^)
嵐山 ・ 嵯峨野

青紅葉 ( あおもみじ ) ではないけど, 竹も新緑の時期が一番美しく見える。
平安時代に, 皇族 ・ 貴族が好んで別荘を持った場所が「 嵐山 ・ 嵯峨野 」。 京都の代表的な景勝地として知られています。 風光明媚なその風景は, 1200年の時を経ても色あせることなく, 多くの人々を魅了しています。
嵐山といえば, やっぱり桜と紅葉ですよね。 私も毎年訪れています。 ただ, 新緑の時期も嵐山に若葉の黄緑が散りばめられて, 爽やかで清々 ( すがすが ) しい景色が楽しめます。
青紅葉 まとめ

なんで, 緑色なのに, 青紅葉? なのかは, 「 昔の名残 」。 青汁と一緒 (笑)
あまり深く考えないほうがいいというのが結論 (笑)
ただ, 今回色々調べていて思ったのは, 改めて日本人は ” 曖昧さ ” が, そんなに気にならないんだなー。 ということ。
グローバル化が進む昨今。
外国人からは, 「 なんで緑なのに ” 青 ” ? 」 って総ツッコミが入るでしょうね (^^)
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