「 平安京 観光 」
京都に都が移ってから1200年以上経っているけど、当時はどんな感じだったんでしょうか ?
平安京へ遷都された当時の都の中心は「千本丸太町辺り」。今の京都御所より西に位置していました。
今回は千本丸太町辺り、平安京の玄関口辺りにある平安京の史跡を観光してみます。
住宅街にひっそりと佇む内裏と大内裏跡
内裏と大内裏 MAP
千本丸太町の交差点周辺に内裏 ( だいり )と大内裏 ( だいだいり )の史跡が集中しています。
平安京の中心部だった証ですね。
内裏と大内裏について
大内裏 ( だいだいり ) とはオレンジの線に囲まれたエリアで、内裏 ( だいり 天皇の住まい ) や大極殿・朝堂院などの政庁を含む、朱雀門から両側に延びる築地の大垣に囲まれているところ ( 平安宮 ) 。
朱雀門のような門が何か所も設置されていました。
内裏とは紫の線に囲まれたエリアで、天皇が住み儀式や執務などを行う宮殿のこと。
天皇のお住まいですね。
内裏 ( だいり ) 関連の史跡
内裏関連の史跡 MAP
内裏関連の史跡千本丸太町の交差点から少し北東へ行った辺りに点在しています。
内裏は大内裏の内側にある天皇の住まい。
建礼門 ( けんれいもん ) 跡
現在の二条城北小学校西側。
内裏の南限にあり、内裏のすぐ外側に設けられた正門が建礼門です。
承明門 ( しょうめいもん ) 跡
建礼門より内側にあり、この辺りから北一帯が内裏。
写真右側辺り ( 下立売通から北側辺り ) から内裏だったよう。
内郭回廊 ( ないかくかいろう ) 跡
内裏は, 内外二重の”かこい”で囲まれていて、その内側のかこいを”内郭回廊”といいます。
発掘後は何も建設されないまま空き地のように。
周りが全て住宅で、ここだけ「ぽっかり」と空いているから、なんかすごい違和感があり。
宣陽殿 ( せんようでん ) 跡
累代の大事なものを納める納殿( おさめどの )。
綾綺殿 ( りょうきでん ) 跡
宮中の舞などが行われ、行事に使用するものが納められていました。
綾綺殿跡地はカフェになっていて、その名も「綾綺殿」。
承香殿 ( じょうきょうでん ) 跡
嵯峨天皇のころに創建され、天皇の書物を保管する場所があり醍醐天皇の命により「古今和歌集」 が編纂されました。
弘徽殿 ( こきでん ) 跡
後宮 ( 江戸城大奥のようなところ ) の中でも重要な場所。
皇后・中宮・女御などの住居です。
承香殿 ( じょうきょう ) 跡のすぐ隣にあります。
大内裏 ( だいだいり 政庁 ) 関連の史跡
平安京 大内裏跡 MAP
大内裏関連の史跡が千本丸太町の交差点周辺に点在しています。
大内裏とは朱雀門から両側に延びる築地の大垣 ( オレンジ線 ) に囲まれているところ ( 平安宮 ) 。
内裏 ( 天皇の住まい ) や大極殿・朝堂院などの政庁があり、朱雀門のような門が何か所も設置されていました。
大極殿
ここではもっとも重要な建物 大極殿について詳しく。
大極殿とは朝堂院の北にあって、天皇が賀正・即位などの国家儀式を行なったところ。
ちょうど、千本丸太町の交差点辺りにありました。
今は跡形もない大極殿だけど、ある場所へ行けばどんな建物だったのかわかります。
その場所は平安神宮。
上のイラストを忠実に再現しています。
上のイラストと屋根の色が違うけど (笑)
真ん中に大極殿。東に蒼龍楼、西に白虎楼。
平安神宮へ行ったことがある人はわかると思うけど、平安神宮の大極殿は当時の「大極殿」の 5/8スケールで、明治28年 ( 1895 ) 4月1日に、平安遷都1100年を記念して建設されました。
だから、平安京当時の姿を見たければ、平安神宮へ。
5/8スケールだけど,めちゃめちゃ圧倒されます。
大極殿跡碑
公園の中にあります。後ろの木は桜なので満開だとめちゃくちゃ綺麗。
立派な碑が建てられていますが、最近の発掘調査で大極殿の中心部は前述の千本丸太町交差点のすぐ北方附近であることが判明しています。
小安殿 ( こやすみどの ) 跡碑
後から取ってつけたような碑。
あまりにも辺りに溶け込んでいるから、油断してたら見落とす (笑)
朝堂院跡 ( ちょうどういんあと )
朱雀門を入ると朝堂院があり、その規模は南北約 450m、東西約 180mで、全体が回廊に囲まれていました。
平安神宮 應天門 ( おうてんもん )
平安神宮の應天門は朝堂院の南門正門を模して復元。
延暦十四年 (795) に創建された当時は鴟尾 ( しび ) を置く2層碧瓦葺 ( みどりかわらぶき ) の建物でした。
平安神宮の広大な境内に入る前にあるのが、應天門。
奥に見えるのが大極殿。
大蔵省跡 ( おおくらしょうあと )
多くの倉庫があった大蔵を合わせて、平安京の北八町を占めていました。
また, 大宿直 ( おおとのい ) は、内裏警護人の詰所。
造酒司跡 ( みきのつかさあと )
平安京創生館 の入っている京都市生涯学習総合センター ( 京都アスニー ) の1階入口近くにあります。
広さは, 120m四方で、京都市生涯学習総合センター ( 京都アスニー ) 辺りにあったと推定されています。
京都市生涯学習総合センター ( 京都アスニー ) 建設時に、発掘された出土品も平安京創生館で展示されています。
朱雀門跡
千本通御池上ル東側にある朱雀門跡の碑。横の通りが「千本通」。
今の千本通は平安時代の「朱雀大路」。
この朱雀門の石碑辺りから北 ( 写真の上方 ) が平安京の大内裏でした。
平安宮西限 藻壁門跡 ( そうへきもんあと )
大内裏 ( 平安宮 ) の西の端にあったのが藻壁門 ( そうへきもん ) 。
朱雀大路 ( すざくおおじ )
平安京のメインストリート。
平安京の玄関口 羅城門から今の千本通御池上ル辺り ( JR二条駅の北側付近 ) にあった朱雀門まで続いていました。
朱雀大路の道幅はなんと84メートル!!道の両側には柳が植えられていました。
テニスコートのサイズが縦23.77mだから、3面造ってもまだ余る (笑)
平安京観光 その他の史跡
羅城門
京都駅の烏丸口 ( 京都タワー側 ) に、羅城門の1/10スケールの模型が設置されています。
2020年10月 「 明日の京都 文化遺産プラットフォーム 」 という団体が羅城門の再建を目指す「よみがえる羅城門」 プロジェクトの基本構想を公表しました。
まだまだ計画の段階だけど、もしできればスゴいですね。
羅城門跡
東寺の南大門から九条通を西へ約400M行った処にあります。
小さな公園の中に「羅城門遺址」 の石柱が今はひっそりと佇んでいます。
東寺と西寺
羅城門を中心にして、東に東寺、西に西寺 ( 廃寺 ) 。
どちらも、五重塔を従え、威容を誇っていました。
実は、桓武天皇は平安京を造るときに新しく寺を建立することを禁じました。
なぜかというと、奈良の平城京から長岡京への遷都の理由のひとつとなった「仏教勢力が力を持ちすぎないようにするため」でした。
ただ例外が「東寺」と「西寺 ( 廃寺 )」。
この2つのお寺は国営の寺院として平安京の入口にある羅城門の東西に、それぞれ右京と左京を護るために建立されたといわれています。
西寺が無くなってしまったのは一般的に西寺のあった周辺の水はけが悪く、住むのに適していなかったことで住民がいなくなったためや、国からの援助なくなってしまったこと, などが考えられています。
ただ, それだけではないかも。
平安京の中心部 現在の様子は、
千本丸太町交差点が平安京の政治の中心部。
この周辺にいっぱい平安京の史跡が散りばめられています。住宅街に突然石碑が建っていたりします。
中でも一番面白いのが、大極殿跡。
千本丸太町交差点の歩道の上に「 大極殿跡 」の文字プレートが埋め込まれています (笑)
初めて, これを見たときは, 感心しました。
もちろん、別にちゃんと大極殿跡の立派な石碑もあるけど、めっちゃわかりやすくて、良いアイデア。
平安京について
平安京とは延暦13年 ( 794 ) に、桓武天皇が長岡京 ( 現在の京都府長岡京市 ) から遷都した都。現在の京都市。
奈良の平城京から京都の平安京へ遷都したと勘違いしていたけど、平城京⇒長岡京⇒平安京の順番です。
上のGoogle Mapの青色の線内が平安京のあった場所。
北は現在の一条通辺り、南は東寺が面している現在の九条通辺り、東は現在の京都御所の東端辺りを延長したライン、西は嵐電「妙心寺駅」辺りから阪急「西京極駅」の西端付近を結ぶライン。
平安京の中心部は今の京都御所より西の「千本丸太町辺り」にありました。
緑の線内が平安京の大内裏 ( だいだいり ) 。茶色の線内 ( 上の地図を拡大 ) が内裏 ( だいり ) 。ピンクの線が朱雀大路 ( 現在の千本通 ) 。
朱雀大路の南端には羅城門があり、その東西には東寺と西寺 ( 廃寺 ) が威容を誇っていました。
平安京のあった場所に現在の京都市中心部がすっぽり入っています。
※上の地図は平安京創生館で公開されている「平安京跡イメージマップ」を参考に制作。多少の誤差は生じています。
平安京創生館
無料だし、どんなもんかなーって、あまり期待せずに行ったけど想像以上。
平安京のジオラマは一見の価値あり!!!!
平安京創生館 ( 千本丸太町交差点から徒歩約3分 )
平安京創生館ホームページ
所在地 : 京都府 京都市 中京区 丸太町通七本松西入 京都市生涯学習総合センター ( 京都アスニー ) 1階
電話 : 0 7 5 - 8 1 2 - 7 2 2 2
展示時間 : 1 0 : 0 0 ~ 1 7 : 0 0 ( 入場は16:50まで )?※入館無料 ! !
定休日 : 火曜日 ( 祝祭日の場合はその翌日 ) ・ 年末年始
平安京の史跡関連 アクセス
平安京の中心部だった千本丸太町へ
・京都市バス「千本丸太町」バス停からすぐ。
・JR嵯峨野山陰線「二条駅」下車, 徒歩約10分。
・京都市営地下鉄東西線「二条駅」下車, 徒歩約9分。
朱雀門跡
・京都市営地下鉄東西線「二条駅」1番出口から徒歩約2分。
・JR嵯峨野山陰線「二条駅」東口から徒歩約5分。
羅城門跡
・ 近鉄 「東寺駅」 から徒歩約10分。
・ 京都市バス 「羅城門」 バス停下車すぐ。
東寺
・京都駅から東寺東門まで徒歩約15分。
・近鉄東寺駅から東寺南大門 ( 正門 ) までは, 徒歩約6分。
・京都市バス 18系統, 71系統, 207系統「東寺東門前」下車すぐ。
西寺址
・ 京都市バス「九条七本松」バス停から徒歩約4分。 九条七本松の交差点を北へ。 3ブロック目にある唐橋小学校の北にある唐橋西寺公園の小山の上に西寺址の石碑が建っています。
・ 近鉄 「東寺駅」 から徒歩約18分。
・ JR西大路駅から徒歩約6分。
平安神宮
・地下鉄「東山駅」下車, 徒歩約12分。
・京阪 「神宮丸太町駅」から徒歩約18分。
平安京 観光 まとめ
平安京遷都された当時は今の京都御所より西の千本丸太町辺りに平安京の政治の中心がありました。
この辺りを歩くと、そこらじゅうに平安京の史跡が点在。
紹介している跡以外でも、まだ行っていないところがあると思います。
住宅街の中に突然、”碑” があったりします (^^)
当時に思いをはせながら平安京の観光をしてみるのもいいですね。
平安京の史跡めぐりはレンタサイクルが便利。
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