「 大田神社 カキツバタ 」
境内東側の池は「 大田の沢 」といって、野生のカキツバタが群生しています。
平安時代から咲き乱れる名勝
「 大田の沢 」に入るのにカキツバタ拝観として300円必要。
訪れるのがちょっと遅かったかも。
「 神山や 大田の沢のかきつばたふかきたのみは 色にみゆらむ 」と詠われ、平安時代から、 この地にカキツバタが咲き乱れていて、名勝になっていたようです。
5月上旬から中旬にかけて、美しい濃い紫の花を見ることができます。
この大田神社のカキツバタ群落は、昭和十四年に国の天然記念物に 指定されています。
大田神社について
大田神社の創建は、不明。この辺りで 一番古い社と考えられています。昔から農民に長寿福徳の神様 として信仰されていたようです。
祭神の( あめのうずめのみこと ) は、天岩戸の前で神楽を舞った神様なので、芸能上達を願って参拝する人が 多いよう。
現在、本殿は工事中。
北大路魯山人生誕地
大田神社前に、北大路魯山人生誕地の碑があります。北大路魯山人は、この上賀茂の地に 生れました。15才で当時流行していた「 一字書き 」で次々と受賞を重ね、少年時代から非凡な才能を発揮しました。
明治三十七年 ( 21歳 ) 、日本美術展覧会に隷書( れいしょ )「 千字文 」を出品して、 一等賞を受賞しました。その後は古美術や料理にも興味を持つようになったようです。
大正十四年 ( 42才 ) に、東京で「 岡茶寮 」を開設して、仕入れ、 調理等に卓越した技量を発揮し、美食家としても世に名を知らしめました。
昭和二年 ( 44才 ) には、星岡茶寮で使う器のために、北鎌倉に「 星岡窯 」を築き、本格的に作品を造り始め沢山の優れた器を残しました。
昭和三十年 ( 72才 ) に人間国宝に推されましたが、固辞したように、自身の名声には全く興味がなかったようです。昭和三十四年 ( 1959 ) 12月 21日、76才で横浜で亡くなり、京都西賀茂の小谷墓地に葬られています。
カキツバタ、 アヤメ、 ハナショウブの違い
3種類ともアヤメ科アヤメ属なので、似ているのは当然といえば当然。
生息場所
カキツバタは湿地帯、アヤメは乾いたところ、ハナショウブは乾燥地から水辺。ハナショウブが、どちらにも生息するのでややこしい。
花弁の模様
花弁で見分けるのが、一番確実。
カキツバタは花弁の根元に「 白い線 」が入っています。
アヤメは花弁の根元が「 網目状の模様 」になっています。
ハナショウブは花弁の根元に「 黄色の模様 」が入っています。
※ちなみに、 菖蒲湯等に使われるショウブは、 ショウブ科に分類される別種の植物。
御園橋下がった辺りの賀茂川
水辺に咲いているので、カキツバタかハナショウブです。
下まで降りて花弁を見てみると、白い線が入っていないのでハナショウブ。
御園橋から北山橋の間の左岸( 北から見て )に咲いていました。※右岸にも咲いています。
川の落差のある端に土砂が溜り草が生えています。そこに黄色のハナショウブが自生。誰かが種を蒔いたのか、どこからか飛んできたのかはわかりませんが、固まって自生しています。
まだまだ大田神社のカキツバタのような大群落ではありませんが、年々増えて、綺麗な花を見せてもらえると嬉しいですね。
大田神社
所在地 : 京都府 京都市 北区 上賀茂本山 340
電話 : 075 - 781 - 0011
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