お茶漬け物語 「ぶぶ漬けでもどうですか?」

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お茶漬け物語

 

「 お茶漬け物語 」

京都のお宅を訪問する機会はそんなにないと思いますが、一通り話をして、「 ぶぶ漬け( お茶漬け )でもどうですか ? 」と言われたら ・ ・ ・ ・ 。

あなたなら、 どうしますか ?

普通なら、「 ありがとうございます。 じゃあ、 せっかくなので頂きます。 」っていうことになりますよね。

でも、それは、知っての通り、「 そろそろ、 帰ってくれへんかな。 」の意味です。

京都人が、 ”  いけず  ”  といわれる所以 (笑)

京都の ” 洗礼 ” を受ける

京都では、 例えば相手に帰ってもらいたいときに、 別の方法も出てきます。 お茶漬けの物語は、 わかりやすいので基本編のようなもの。 応用編もあります。

これは、 実際、 私が経験したことですが、 京都で仕事をし始めてまだ間がないころ、 老舗の料理旅館に飛び込み営業で入ったときのこと。

まず、 訪問した理由を話して、 旅館の歴史や京都らしい雰囲気などを褒めて、 話を5分くらいしていました。

応対してくれていた人が、 話の切の良いところで、 突然、「 あっ、 そうや、 まだうちのパンフレットを渡してなかったですよね。 」

と言って、 奥からパンフレットを持ってきてくれました。

仕事に燃えていた私は、 「 よし、 このパンフをネタに、 話を広げていこう ! ! 」 と頭の中で考えたのでした (笑)

そして、 再び話し始めて5 ・ 6分くらいがたち ・ ・ ・ ・ 、

「 本日は、 急に訪問したのにもかかわらず、 快く対応していただいてありがとうございました。 」などとお礼を述べて一礼してから、 引き戸を開けて、 旅館の外からその引き戸をゆっくり閉め終わり、 歩き始めようとしたそのときに、

旅館の中の方で、「 ピシっ ! ! ! ! 」 と引き戸が閉まる大きい音がしました。

私は、「 どうしたんやろ ー ? 」くらいの気持ちで、 そこを後にしました。

 “ きっかけ ” で察してほしい。

後日、 その時のことを、 京都生まれの京都育ちの取引先の担当者の方に話したら、「 そら、 あきませんわ。 」

「 パンフレットを渡された時に帰らんと。 」 って言われました。

「 なんでですか ? 」 と聞くと、

相手は、 早く私に帰ってほしいから、 私の気持ちを害することなく、 それとなく察してほしいために、 私に帰る “ きっかけ ” であるパンフレットを与えた。 というのです。

それを聞いたときに、「 なんて、 ややこしいんや ! ! 」 とあきれたことを、 今でもはっきり覚えています。

そして、 その時、 もう一つ教えてもらったことは、 京都ではじめての営業先へ行ったとき、 お茶やお茶菓子を出されますが、 初めての訪問の時は、 よっぽど相手に勧められない限り、 絶対手をつけてはいけない。 ということでした。

飛び込み営業の件があったので、 今でも、 それを守っています (笑)

自己防衛の表現方法 ! ?

お茶漬けは、 単なる “ きっかけ ” 、 あるいは合図でしょうか。

今は、 京都のそういう風習にも慣れましたが、 最初は「 なんや、 難しいなあ。 」 と思っていました。

「 おこしやす 」と「 おいでやす 」でも書きましたが、 京都人は、 ” いけず ” と思われる人も多いと思いますが、 相手の気持ちを害することなく、 それとなく相手に気付いてほしい。 という一種の自己防衛、 相手に悪く思われたくないという表現方法だと思います。

最初は、「 なんか、 ややこしいなあ。 」 と思いましたが、 慣れると、 そんなに気になりません。

「 俺は、 仕事で忙しいねん。 パンフ持って、 はよ帰ってくれ ! ! ! ! 」 って正直に言ったら、 敵を多く作ってしまいますよね。

歴史が培った ” いけず ”

京都は長く日本の首都で、 政治の中心でした。

今日の権力者が明日は変わっているということは、 長い歴史の中で数多くあったはず。 今日の権力者に良い顔ばかりしていたら、 次の日、 その権力者の敵が政権をとれば、 たちまち冷遇されることになってしまいます。

そのため、 表面上は、 どちらにも悪く思われないように、 長い歴史の中で 「 自己防衛の術 」として ” いけず ” を培ってきたのでしょう。

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