市五郎大明神神社 秀吉が築いた御土居の上に佇む神社

「 市五郎大明神神社 」

豊臣秀吉が天下統一した後に応仁の乱から続いた戦乱で荒れ果てた京都の整備の一環として、外敵の防御＆水害対策のために建設された土塁が「御土居 ( おどい )」｡

その御土居の上にあるのが『市五郎大明神神社』 。

地下鉄東西線 「 西大路御池駅 」 の東北、徒歩約2分のところにあります｡

市五郎大明神神社について

市五郎大明神神社は、住宅街の真ん中に隠れるように佇んでいます。

京町家のように間口が狭く奥へ誘うように連続した鳥居。

階段を登ることでお目見えするこじんまりとした本殿が御土居の上にあることを実感させてくれます｡

市五郎大明神神社についての説明版等がないから、ハッキリとした由来はわからないけど、狐さんがいることからお稲荷さん｡

創建等も不明だけど、御土居が築かれたのが伏見桃山時代だから、それ以降にこの場所に鎮座していることになりますね。

本殿の横から少し上がったところに御土居の頂上があり、南北に横たわっているのがわかります｡

階段のてっぺんが御土居の頂上。

本殿と反対側の御土居の斜面には小さな社が複数あります。

御土居 ( おどい ) について

市五郎大明神神社は上図の左「史８番」 です。

豊臣秀吉は天下を統一した後で応仁の乱からの長い戦乱で荒れ果てた京の都の改造、敵からの防御＆洪水対策として、天正十九年 ( 1591 ) に都の周囲をぐるっと囲む御土居 ( 土塁 ) を建設しました｡

土木建設が得意な秀吉らしい発想で、備中高松城の水攻めの時の堤防建設などで培ったノウハウを活かして、御土居を建設したのでしょう｡

高いところでは30m以上もあり、総延長22,5キロメートルの広範囲に渡る土塁。

東は鴨川、西は紙屋川 ( 天神川 ) 、南は九条辺り、北は鷹ケ峯に沿って築かれました。

上の画像は京都市北区にある玄琢下交差点そばにある御土居 ( 史２番 ) 。

洛中洛外

上の地図の赤いラインの御土居の内側を洛中、外側を洛外と呼び、要所には京の七口といわれる出入口を設置。鞍馬口、丹波口という地名はその名残。

オレンジが市街地、水色が寺、緑が武家屋敷。応仁の乱以降、京都の町がどれほど荒廃していたかが良くわかります｡

また、鴨川のすぐ西にある寺町通に南北に細長く水色の帯 ( お寺の帯 ) ができています。

これは秀吉が東から来るであろう敵に備えて、御土居の内側にも防御の役目としても寺院を並べたといわれています｡

一説には、税金を集めるのにも寺院を固めておけば集めやすいといった一石二鳥の意味もあったといわれています｡

江戸時代になると天下泰平の世が続き、外敵に備える意味が薄れたためと、京都の人口増加に伴い洛外へも都市が拡がっていったために御土居はその役目を徐々に終えていきました｡

そして、市街地では徐々に御土居は取り壊されて、住居に変わっていきました。

そのため御土居の史跡は京都市の北の方に多く集まっています｡

市五郎大明神神社 アクセス

地下鉄東西線 「西大路御池駅」 2番出入口徒歩約2分にあります｡

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市五郎大明神神社 まとめ

何でわざわざ御土居の上に建てたのかはわからないけど、もし市五郎大明神神社が御土居の上になかったら、周りの住宅街と同じように御土居が取り潰されて家になっていたでしょうね｡

御土居は京都の北の方にはたくさん残っているけど、南の方はあまり残っていないからとても貴重｡

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所在地	京都市中京区西ノ京原町４７ 上ル下ル西入東入について

※ 参拝時間・受付時間等は変更されることがありますので、神社にご確認ください。万が一、間違っていたとしても責任は負いかねます。予めご了承ください。