「 葵祭 」
京都に都がおかれてから1200年以上。 この歴史ある京都で, 1年間に行われる祭は京都市内で300を超えます。 その中でも特別なのが京都三大祭のひとつ「葵祭」。
平安時代には, 祭といえば, 葵祭のことをいいました。
その葵祭 ( 賀茂祭 ) は, 上賀茂神社 と 下鴨神社 の例祭。
京都御所から下鴨神社を経て, 上賀茂神社へ向かいます。
葵祭の行列
長さが1kmにも及ぶ長い行列は大きく分けて2つ。
勅使 ( 天皇の使い ) 列と斎王代列。
斎王代の行列
葵祭の主役でヒロイン。 身につける衣装は十二単衣で, 正式名称は, 五衣唐衣裳 ( いつつぎぬからぎぬも ) 舌噛みそう(笑)
重量は約20kgもあります。 着て座っているだけでも大変そう。
斎王代
斎王代とは, 斎王の代理。
斎王とは賀茂神社に奉仕した未婚の内親王 ( 親王宣下を受けた天皇の皇女 ) または女王 ( 親王宣下を受けていない天皇の皇女, あるいは親王の王女 ) 。
Wikipediaより
鎌倉時代の承久の乱 ( じょうきゅうのらん ) の影響で,「 斎王 」の制度が途絶えてしまい, それからの葵祭は “勅使列” だけになってしまいました。
しかし, 昭和31年に民間の未婚の女性を ” 斎王の代理 ” である「 斎王代 」とすることで斎王行列を復活。
” 民間の未婚の女性 ” といわれているけど, 誰でもがなれるわけではありません。 やっぱり, 京都のいいとこのお嬢さんでないとダメみたい (^^) 親子二代で斎王代というのも6組もあるそう。
そして, お金もかかります ! 神社への奉納金や衣装代, 関係者への心付け等など, 合計で何千万円もかかります ! ! ! !
祇園祭のお稚児さんも同様に何千万円もかかるので, 庶民には無理 ! ですね (笑)
ちなみに, お金だけあってもダメなよう。 お茶やお花などの嗜みも必要で, そもそも何時間もの ” 正座 ” に耐えられへん人はダメ (笑)
牛車
牛に曳かれて車輪が軋む独特の音を立てながら牛車が行進。 行列の見どころでもあります。
駒女 ( むなのりおんな ) の行列
華やかな衣装を着た騎馬の女性。 斎王付きの清浄な巫女 ( みかんこ )
勅使の行列
勅使
葵祭の行列で一番重要な天皇の使い。
2018年5月15日撮影
馬の装飾もひときわ見事。
乗尻(のりじり)
行列を先導する騎馬
検非違使尉 ( けびいしのじょう )
行列の警備担当。
検非違使志 ( けびいしのさかん )
同じく行列の警備担当。
山城使 ( やましろつかい )
山城国を治めていた山城使。
風流傘
色とりどりの平安衣装
古式ゆかしい平安衣装もいいですが, 目を引くのが, 衣装のカラフルさ。
女性の着物が多彩なのはわかりますが, 男性の衣装もかなりカラフル。 平安の昔にこれだけ多彩な服があるのに驚き。
個人的には「 緑色 」が好きなので, この衣装の色合いは大好き。
この衣装の紺系の色も地味だけど落着いていて好き。
ホンマに平安時代にこんな色使いが ? ?
今から甲子園行くんかい (大笑)
葵祭 ( 賀茂祭 ) 行列巡航 午前10:30出発
京都御所から始まった行列は, 堺町御門から丸太町通を東進。 今年は丸太町通御幸町辺りで見物。
平日だったので, 観光客もそれほど多くなく, ゆったりと見られました。
その後, 河原町通を北へ。
河原町今出川を超えて, 出町橋を渡り, 下鴨神社へ入ります。
行列は一休みして, 午後14:20に下鴨神社を出発し, 下鴨本通を北へ, 北大路通, 鴨街道を通り, 御薗橋を渡って, 上賀茂神社へ入ります。
行列先頭 堺町御門 10:50頃 → 河原町丸太町 11:00頃 → 下鴨神社 糺の森前 11:30頃 ( 休憩 ) 出発 14:20 → 上賀茂神社 15:30頃到着
葵祭 ( 賀茂祭 ) の歴史
実際に, 葵祭 ( 賀茂祭 ) が行われるようになったのは約1400年前。
凶作が続き, 飢饉や疫病が蔓延したために, 時の欽明天皇が命令を下し, 葵祭 ( 賀茂祭 ) を始めました。
源氏物語にも記述がある葵祭 ( 賀茂祭 ) 。 盛大に執り行われていましたが, 室町時代中期から次第に衰退し始め 応仁の乱 による都の荒廃のため, 約200年途絶えてしまいました。
その後, 戦争等で中止期間がありましたが昭和二十八年 ( 1953 ) に葵祭 ( 賀茂祭 ) の行列が復活。
往時の華やかな雰囲気を取り戻しつつ, 現在に至っています。
神話のお話し
数千年前に, 天で雷が起こり赤い矢が放たれた。
その赤い矢が賀茂川に落ちて流れてくるのを, 禊をしていた賀茂一族の姫 賀茂玉依比売命 ( かもたまよりひめのみこと ) が見つけました。
その赤い矢を持ちかえり飾っていると, 赤い矢が持っている力によって, なんと, 寝ている間に子供ができたそう。
その後, 子供はすくすくと育ち, 元服の席で, 「 私の父は天にいる神だ ! 」と宣言し天に昇ってしまいました。
その子供こそが, 上賀茂神社の祭神である賀茂別雷大神 ( かもわけいかづちのおおかみ ) 。 悲しみに暮れる母の枕元に現れ, 息子の賀茂別雷大神はこう告げます。
「 もう一度私に逢いたければ, 葵と桂の葉を飾り, 鈴をかけた馬を走らせ, 立派な祭りをしなさい。 」 その言葉を起源とするのが賀茂祭 (葵祭) です。
2018年5月15日撮影
今でも祭りの参加者は, ” 葵 ” と ” 桂 ” の葉を飾っています。
そして ,葵祭の10日前に行われているのが, 「 賀茂競馬 ( かもくらべうま ) 」
鈴を付けた馬が境内を疾走する勇壮な祭り。
葵祭 ( 賀茂祭 ) は, 神となった我が子に逢いたいという母の願い。
葵祭 2019 まとめ
京都三大祭の葵祭ですが, 行列の長さでいえば, 祇園祭や時代祭に比べて一番コンパクト。 道路で行列の人が元気だったら, 30分もあれば, 最初から最後まで祭りの行列が見られます。
その行列の一番の見所が「 斎王代 」十二単衣に身を包み, 京都御所から下鴨神社, 上賀茂神社へと向かいます。
また行列の人々の平安衣装もとてもカラフル。 ファッションショーさながらの雅で華やかな色の競演が楽しめます。
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