法住寺殿跡 後白河上皇 院政の地
「 法住寺殿跡 」
三十三間堂 でたくさんの仏像を見て心が癒されたあと。 三十三間堂の東側の道路を南へ向かっていると、南大門の手前に法住寺殿( ほうじゅうじどの )跡の石碑を見つけました。 「 法住寺 」 というお寺の門前。
初めて聞く名前だったから色々調べてみました。
激動の時代にあった法住寺殿
平安から鎌倉, 平氏から源氏へと移りゆく中で, 激動の時代を生き抜いた主人公の一人, それが, 後白河法皇 ( ごしらかわほうおう ) 。
保元三年 ( 1158 ) , 子供の二条天皇に天皇の位を譲り, 後白河上皇となりました。
上皇となると二条天皇のいる御所とは別のところに御所を造るのが通例。 そこで, 後白河上皇は, 現在の東山七条 ( 七条川端 ~ 東大路通 京阪七条駅の東辺り ) の辺りに, 自分の御所を造ることに。
それが, 「法住寺殿」です。
後白河上皇は, ここで二十年以上を過ごしました。 その後, 寿永二年 ( 1183 ) , 木曽義仲の夜襲にあい焼失し, 以後は, 再建されませんでした。
ただ, その法住寺殿がとてつもなくデカい ! !
法住寺殿の規模
後白河上皇が造営した 「 法住寺殿 ( ほうじゅうじどの ) 」 って聞きなれなかった。 っていうか初めて聞いた (笑)
法住寺殿は, おおよそ黄色で囲まれたところ。 北は現在の六条通を延長した辺り, 南は大谷高校辺り, 東は東大路辺り, 西は鴨川辺りの広大な地域に造営されました。
実際に歩いてみるとわかるけど, めっちゃ広いです。 どんだけ凄い権力やねん ! !
三十三間堂も中にありました。
蓮華王院の本堂 ( 三十三間堂 ) も法住寺殿の一部でした。
そもそも三十三間堂は, 法住寺殿の南西の一角に建設された蓮華王院の本堂。
今は, 三十三間堂のほうがはるかに多くの人に知られているけど, 法住寺殿の一部だったんですね。
上の略図を見ると, 南殿には池も造られ, 中島には建物も。 さも優雅な御所だったんでしょうね。 資料がないからわからないけど, 平安神宮の神苑 みたいな感じやったんかなー。 と思ったりしました。
平安京との位置関係
平安京の中心と言えば千本丸太町。 ( 現在の二条城の北西約200m ) ここから法住寺殿は遠く離れています。
なぜ、この場所 ?
交通の要衝
東方への道があり交通の便が良かったこと。
法住寺殿から西へ続く七条大路には, 西市と東市もあり, 商工業の中心でもありました。
平清盛
後に対立するけど, 法住寺殿の建設当時は, 互いに協力しあっていました。
そのため, 平家の本拠がある六波羅 ( 現在の 六波羅蜜寺 の辺り ) の近くに法住寺殿を建設したのかもしれません。 ちなみに三十三間堂は, 清盛の資材協力によって建設されました。
法住寺
「 法住寺 」 の門前に法住寺殿跡の石碑が建っています。
平安時代に藤原為光によって創設された天台宗の寺院。 法住寺を中心として, 後白河上皇の院政を行う御所 「 法住寺殿 」 が造営されました。
後白河天皇御陵
法住寺の北側の細い道を進んでいくとあります。
後白河天皇法住寺陵
第77代天皇の後白河天皇は, 近衛天皇の急死により天皇になりました。
子の二条天皇に天皇の位を譲った後は 「 後白河上皇 」 として, 幼い二条天皇の代わりに政治を行いました ( 院政 ) 。平安から鎌倉へと時代が変わってゆく激動の中を, 何度も政治生命を絶たれそうになりながらも, その都度復帰。
後白河上皇は, 仏教を深く信仰していたため, 仏門に入り ( 出家 ) , 「 後白河法皇 」 となりました。
法住寺殿跡 アクセス
京都市バス 「 博物館三十三間堂前 」 バス停下車徒歩約2分。
京阪電車 「 七条駅 」 2番出口から徒歩約7分。 七条通の南側の歩道を東 ( 鴨川と反対側 ) へ。 そのまま真直ぐ歩いてゆくと, 大和大路七条に三十三間堂の入口。
三十三間堂を過ぎて三十三間堂の東側の道を南へ下がったところに, 法住寺殿跡の石碑があります。 ( 法住寺の門前 )
法住寺殿跡 まとめ
今は, 三十三間堂と法住寺しか当時を偲ばせるものはないけど, 北は京都国立博物館や豊国神社を含み, 南は東海道新幹線よりまだ向こう。
恐ろしく広大な土地に御所が建っていたことを想像すると, 法住寺殿を建造した時の後白河上皇の権力が絶大だったことがわかります。
院政を行うために, こんなにデカくて優雅だったであろう御所を建造してしまうなんて驚きの一言。
法住寺 ( 門前に法住寺殿跡の石碑があります )
所在地 : 京都府 京都市 東山区 三十三間堂廻り 655
電話 : 0 7 5 - 5 6 1 - 4 1 3 7
受付時間 : 1 6 : 0 0 まで
※ 拝観時間 ・ 拝観料等は変更されることがありますので, 寺院にご確認ください。 万が一, 間違っていたとしても, 責任は負いかねます。 予めご了承ください。
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