京都三大奇祭【鞍馬の火祭2025】日程、起源、見どころ(チョッペンの儀)、混雑、駐車場、屋台、アクセスなどを案内
京都の秋を熱く彩る「鞍馬の火祭(くらまのひまつり)」は、古都の中でもひときわ迫力ある伝統行事。
京都三大奇祭の一つに数えられる由岐神社の祭です。
夜空を焦がす無数の炎、勇壮な掛け声、そして静寂の山里に響く祭の音。
毎年鞍馬の火祭の夜、京都市左京区の鞍馬の里一帯が、松明の炎と人々の勇壮な掛け声「サイレイヤ、サイリョウ!」に包まれます。
この記事では、夜中まで続くこの歴史ある鞍馬の火祭2025の日程、起源、見どころ(チョッペンの儀)、そして混雑やアクセス、駐車場はあるのか?屋台は出るのか?まで案内します。

鞍馬の火祭とは?

起源は1000年以上前!由岐明神の御遷宮の儀式
「鞍馬の火祭」は、今から1000年以上も昔、平安時代中期に始まったと伝えられています。
当時の都で起こった戦乱と大地震を鎮めるため、朱雀天皇の詔により、御所に祀られていた由岐大明神が御所の北(現在の鞍馬)に遷宮されました。
そのときの松明行列を見た鞍馬の住民が、由岐明神の霊験と儀式を後世に残そうと始まったのが鞍馬の火祭といわれています。
開催日程・時間・場所
日時 | 2025年10月22日 |
時間 | 18:00~24:00過ぎ |
場所 | 由岐神社および鞍馬一帯 |
電話 | 075-741-1670 由岐神社 |
【由岐神社 授与所】 授与所は午前11時頃に開所。 また鞍馬の火祭開始前に鞍馬寺の仁王門(山門)前を神域として規制を実施。 それに伴い山門より上に立ち入り出来なくなるため、16時半頃に授与所を閉所予定。 |

鞍馬の火祭 見どころ
集落を練り歩く大小の松明
祭りは夕刻、「神事にまいらっしゃれ」の合図で始まります。
各家々でかがり火が焚かれ、少年たちが担ぐ小松明から、青年たちが担ぐ最大で重さ100kgにもなる大松明が登場。
炎を上げながら、「サイレイヤ、サイリョウ」の勇ましい掛け声と共に鞍馬街道を練り歩きます。
この炎の行列こそが、祭りのハイライトの一つ。
祭りの主役は、大人数で担ぎ上げる重さ70〜100kg、長さ約4mにもなる「大松明」。
大小合わせて約500本の松明が夜の山里を練り歩き、辺り一面を炎の海に変える様は圧巻です。
神輿降臨と若者の成人儀礼「チョッペンの儀」

鞍馬の火祭のクライマックスは、夜遅く、松明が鞍馬寺の仁王門(山門)前の石段に集結した後。
- 注連縄切りの儀: 燃え盛る松明の中、鞍馬の男性によって注連縄が切られえる
- 神輿渡御: 2基の神輿が、炎に照らされた急な石段を駆け下りていく
- チョッペンの儀: 神輿が石段を下りる際、ふんどし姿の若者が担ぎ棒にぶら下がる、一生に一度の成人の儀式。この勇壮な姿は「鞍馬の火祭」の代名詞とも言える見どころ
華麗な「剣鉾」の巡行
炎の熱狂だけでなく、場を清める役割を持つ剣鉾(けんぼこ)の巡行にも注目。
鞍馬の火祭での「剣鉾の巡行」は松明の往来に合わせて行われ、大体19:00前後〜20:00頃」の時間帯に見られます。
剣鉾差しが地面に棹を差すと、先端の飾りが「チリーン」という澄んだ音色が響く。

菊、桐、蝶など意匠を凝らした美しい鉾にも注目です。
鞍馬の火祭 時系列・混雑の目安
混雑の中心は19:00〜22:00
最も混雑するのは、松明行列が始まる19時以降。鞍馬駅や由岐神社周辺は人であふれ、移動が困難になることも。ゆっくり見たい場合は少し離れた場所(鞍馬温泉方面など)から観覧するのも良い方法。
時間帯 | 内容 | 混雑状況 |
18:00頃 | 「神事触れ」の合図。「神事にまいらっしゃ~れ」で篝火点火、小松明練り歩き開始 | 比較的空いている。祭りの雰囲気を味わうのに最適 |
18:00〜20:00頃 | 小松明→中松明→大松明へと段階的に火を灯し、沿道を練り歩く | 観客が集まり始め混雑も上昇 |
20:00頃 | 大松明を担いだ若者たちが、由岐神社御旅所に集結 | 混雑が本格化し始める |
21:00頃 | 大松明が鞍馬寺の仁王門前石段に集結し、祭りが最高潮に | 最も危険で混雑する時間帯。身動きが取れなくなる可能性あり |
21:30頃 | 神輿が山門前の石段を下り、「チョッペンの儀」が行われる。その後、神輿は鞍馬街道を巡行 | クライマックス |
23:15頃 | 神輿が御旅所に到着・安置 | 帰宅客が増え、鞍馬駅周辺が大混雑 |
0:00過ぎ | 火の祭典が終了 | 祭りが静かに終息へ |
※時間は大体の目安
鞍馬の火祭 交通規制と駐車場
鞍馬の火祭当日午後3時から貴船口~くらま温泉間で通行規制を実施するため一般車両は通行不可。
午後3時以前に車で来ても、当日全ての駐車場を閉鎖しているから駐車場所はなし。
鞍馬の火祭は公共交通機関の利用が必須。



必ず叡山電鉄を利用しましょう。
混雑回避と観覧スポット
混雑回避術 | 観覧スポット | メリット・注意点 |
早めの到着 | 鞍馬街道の比較的早い時間帯(15時〜16時) | 混雑する前に到着し、周辺観光後、祭りの始まりの雰囲気を味わう |
遅めの帰宅 | 御旅所周辺(23時過ぎまで滞在) | 祭りの最高潮(22時頃)の混雑ピークを避けることができ、比較的スムーズに乗車できる可能性が高まる※終電時刻の確認は必須 |
徒歩移動 | 貴船口駅(鞍馬駅から徒歩約20分) | 鞍馬駅の大行列を避けられる。暗い道だから懐中電灯が必要 |
穴場観覧 | 鞍馬寺参道入口付近(仁王門手前) | 仁王門前ほどの極端な人混みにはなりにくい。神輿渡御などの中心儀式は見えないが松明の練り歩きを落ち着いて見学可能 |
叡山電鉄も混雑し、入場制限がかかることもあるから、混雑回避をしたいのなら遅くとも16時頃までに現地入りしましょう。
早くに鞍馬入りして、鞍馬の火祭の前に由岐神社や鞍馬寺を楽しむのがおすすめ。






鞍馬の火祭に関する注意点
由岐神社 授与所
授与所は午前11時頃に開所。鞍馬の火祭開始前に鞍馬寺の仁王門(山門)前を神域として規制を実施。
それに伴い仁王門より上に立ち入り出来なくなるため、16時半頃に授与所を閉所予定。
立ち止まり禁止
祭りのメインルートでは、安全確保と行列の進行のため、警察官や警備員により「立ち止まらないで下さい」と厳しく誘導されます。
火の粉対策
燃え盛る松明の火の粉が飛んでくるから、化繊(ポリエステル、ナイロン)の服は絶対に避け、燃えにくい「綿素材などの厚手の服装」を着用。フード付きの上着や帽子などで髪を守ることも重要。
防寒対策
10月下旬の鞍馬の夜は冷え込みます。必ず厚手の防寒着を持参しましょう。
また、冷えるとトイレが近くなる。トイレは少なく混雑するから絶対に温かい服装が必須。
その他
山里で周りは暗いから懐中電灯があれば便利。またトイレは少なく混雑するから、いざというときのために携帯トイレを持参しておくと安心です。
鞍馬の火祭 屋台
鞍馬の火祭に屋台は出ません。
コンビニなどもなく、長時間滞在する場合は食べ物の準備は必須。


由岐神社
鞍馬寺の仁王門から徒歩約5分にあるのが「由岐神社」。
鳥居の先にそびえ立つ3本の杉が神聖な雰囲気を醸し出している。
火難除・子授安産・縁結び・病気平癒・厄除開運にご利益があるといわれています。
天慶三年(940)に天下泰平・万民守護・京都の都の北方の鎮めとして、朱雀天皇によって京都御所に祀られていた由岐大明神が今の由岐神社の場所に祀られました。


鞍馬の火祭 アクセス
叡山電鉄「鞍馬駅」への詳しいアクセス
大阪方面から
京阪+叡山電鉄
京阪「淀屋橋駅」・「北浜駅」・「天満橋駅」・「京橋駅」で特急[出町柳 行き] に乗車
⇒終点の「出町柳駅」下車後、叡山電鉄に乗換(出町柳駅が始発)
⇒[鞍馬行]に乗車で終点「鞍馬駅」下車
JR+京阪+叡山電鉄
JR「大阪駅」で新快速[京都方面 行き] に乗車
⇒「京都駅」下車後、JR奈良線に乗車(JR京都駅が始発)
⇒ひと駅目の「東福寺駅」下車後、京阪本線に乗換、 [出町柳 行き] に乗車
⇒終点の「出町柳駅」下車後、叡山電鉄に乗換(出町柳駅が始発)
[鞍馬行]に乗車で終点「鞍馬駅」下車
阪急+京阪+叡山電鉄
阪急「大阪梅田駅」で特急[京都河原町 行き] に乗車
⇒終点の「京都河原町駅」下車後、1A・1B出入口から徒歩約2分の京阪へ
⇒京阪「祇園四条駅」で[出町柳 行き] に乗車
⇒終点の「出町柳駅」下車後、叡山電鉄に乗換(出町柳駅が始発)
[鞍馬行]に乗車で終点「鞍馬駅」下車
四条河原町 (京阪「祇園四条駅」) から
京阪+叡山電鉄
京阪「祇園四条駅」で[出町柳 行き] に乗車
⇒終点の「出町柳駅」下車後、叡山電鉄に乗換(出町柳駅が始発)
[鞍馬行]に乗車で終点「鞍馬駅」下車
JR京都駅から貴船神社への一例
JR+京阪+叡山電鉄
「JR京都駅」で、JR奈良線に乗車(JR京都駅が始発)
⇒ひと駅目の「東福寺駅」下車後、京阪本線に乗換、 [出町柳 行き] に乗車
⇒終点の「出町柳駅」下車後、叡山電鉄に乗換(出町柳駅が始発)
[鞍馬行]に乗車で終点「鞍馬駅」下車
その他の行き方は、鞍馬寺Web参照
鞍馬 周辺の観光スポット
鞍馬寺
奈良の唐招提寺を開いた鑑真和上(がんじんわじょう)の高弟 鑑禎(がんちょう)上人が宝亀元年(770)に、鞍を背負った白馬の導きでこの場所に来て、毘沙門天を祀ったのが始まりとされています。
延暦十五年(798)には、藤原伊勢人(いせんと)が平安京鎮護の道場として伽藍を造営して以降、人々の信仰を集めてきました。
現在は、鞍馬弘教の総本山で※尊天を本尊としています。
※ 毘沙門天王・千手観世音菩薩・ 護法魔王尊の三身一体の本尊
金剛床 京都屈指のパワースポット


鞍馬駅から徒歩約30分の鞍馬寺の本殿金堂の前にあるのが「金剛床」。
本殿金堂前にある△マークが「金剛床」。鞍馬山で一番氣が集まる場所といわれています。
この△マークの上に立って鞍馬山の氣をいただいて帰る。





こんな感じで、みんなパワーを貰っています(^^)
奥の院参道
本殿金堂の境内の西にあるのが「奥の院参道」入口。
奥の院は、遮那王こと源義経も修行したとされる場所。
源義経所縁のスポットやいかにも天狗でも出てきそうな「木の根の道」、魔王殿等があります。


貴船神社



奥の院参道入口から約45分で「貴船神社」。
貴船神社のある貴船(きふね)は古来「氣生根」と書かれ、氣が生じる根源の地と考えられていていました。
氣が生じるところのため、 運氣が上がる『運氣龍昇』のご利益が期待できます。
また、平安時代の歌人 和泉式部が夫の心が他の女性に移ったことを思い悩んでいるときに、貴船神社に参拝し復縁を願ったところ叶えられました。
それ以来「縁結びの神様」としても崇められるようになりました。他にも所願成就のご利益があります。


鞍馬の火祭2025 まとめ
どうでしたか。京都三大奇祭のひとつ「鞍馬の火祭」。
炎が灯る瞬間の荘厳さ、町全体が一体となる熱気、そして山里の静けさ。
そのどれもが、訪れる人の心に深く残る体験です。
2025年の秋は、ぜひ京都・鞍馬でこの圧巻の「鞍馬の火祭」を体感してみてください。


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