「 石清水八幡宮 ( いわしみずはちまんぐう ) 」
京都 出町柳と大阪 淀屋橋を56分で結ぶ京阪電車。
その京阪電車が, 京都から大阪へ向かう途中, “淀城跡” の寄り駅「 淀駅 」を過ぎて, ちょうど桂川 ・ 宇治川 ・ 木津川の合流する辺りにあるのが「 男山 」。
背割堤そばにある「 さくらであい館展望塔 」から『 男山 』を望む。
この標高143 mの男山の山上にあるのが石清水八幡宮。
山全体が石清水八幡宮と共に広く尊崇の対象となってきました。
石清水八幡宮 について
地元では, 「 はちまんさん 」の愛称で親しまれています。 ご利益は, 必勝 ・ 厄除開運 ・ 国家鎮護 ・ 交通安全 ・ 安産 ・ 病気平癒。
男山の中腹から湧き出ていた “石清水” が名前の由来。 ※諸説あり
石清水八幡宮 祭神
中御前 : 応神天皇 ( おうじんてんのう ) またの呼び名を, 誉田別尊 ( ほんだわけのみこと )
西御前 : 比咩大神 ( ひめおおかみ ) は宗像三女神で, 多紀理毘賣命 ( たぎりびめのみこと ) ・ 市寸島姫命 ( いちきしまひめのみこと ) ・ 多岐津比賣命 ( たぎつひめのみこと )
東御前 : 神功皇后 ( じんぐうこうごう ) またの呼び名を, 息長帯比賣命 ( おきながたらしひめのみこと )
『 宇佐神宮 ( 宇佐八幡宮 ) 』は, 「 石清水八幡宮 」をはじめ, 鎌倉の鶴岡八幡宮を含む, 日本全国に約44,000社ある八幡宮の総本社。 石清水八幡宮も宇佐八幡宮から “八幡三神” を分霊してもらいました。 宇佐神宮 ( 宇佐八幡宮 ) へ行くのが, 一番いいんだろうけど, 京都なら, 石清水八幡宮。
※ 応神天皇 ( おうじんてんのう ) ・ 比咩大神 ( ひめおおかみ ) ・神功皇后 ( じんぐうこうごう ) の三神を総称して「 八幡三神 」といいます。
石清水八幡宮 本殿
前後2棟からなる独特の造りは「 八幡造り 」と呼ばれています。
昇殿参拝 ( 要予約 ) も可能。
期間 : 2月4日 ~ 12月31日 ( 原則 )
時間 : 11時~, 14時~ の2回 ( 約30分 )
神鳩
鳩は, 石清水八幡宮のお使いとされています。 一の鳥居など, いたるところに神鳩が。 麓を走る京阪電車の先頭エンブレムの鳩マークも石清水八幡宮の神鳩が由来。
石清水八幡宮 御神矢
授与所で授与しています。 初穂料 3000円
御神矢は竹製ではなく, 木製で実際の弓矢と同じくらいの長さ。
武士の守神
武家からの信仰が篤く, 鎌倉 ・ 室町 ・ 江戸と武家の政権が続く間に, 八幡信仰が日本中へ広がっていきいました。 “負け=死” を意味する武家が崇敬している「 八幡さま 」は, 特に 「 必勝 」 ・ 「 勝負運 」にご利益があります。
鎌倉幕府初代将軍の源頼朝 ( みなもとのよりとも ) の曾祖父 源義家は石清水八幡宮で元服し, 自らを「 八幡太郎 ( はちまんたろう ) 義家 」と名乗りました。
ちなみに, 源頼朝は, 石清水八幡宮から分霊して, 鎌倉の鶴岡八幡宮を創建。
楠木正成 ( くすのきまさしげ ) の楠
本殿から見て, 右手にあるのが楠木正成の楠。
建武元年 ( 1334 ) に楠木正成が “必勝” 祈願参拝の際に, 奉納したと伝わる樹齢約700年のご神木。 ( 京都府指定天然記念物 )
織田信長奉納の築地塀 ( 信長塀 )
本殿を囲むように設置されています。
天正八年に織田信長が寄進したと伝えられています。 瓦と土を幾重にも重ねることによって, 銃撃や耐火性, 耐久力に優れている塀。 また, 金色に輝く「 黄金の雨樋 ( あまどい ) 」も寄進されました。 ※通常非公開
石清水八幡宮 ( 男山 )とエジソン
ケーブル八幡宮山上駅から本殿へ向かう参道近くに「 エジソン記念碑 」があります。
トーマス・エジソン
傑出した発明家として知られ, 生涯におよそ1,300もの発明と技術革新を行った人物。 たとえば蓄音器, 白熱電球, 活動写真など。 ( Wikipedia )
1879年, 発明されて間もない白熱電球を, さらに長時間輝かせたいと研究していたエジソンは, フィラメントの素材として “竹” に注目。 試行錯誤の末, 電球の寿命を飛躍的に伸ばすことに成功しました。
最初は, フィラメントの素材が, “竹” というのは驚きですね ! !
男山には, 竹がいっぱい。
そして, 究極の竹を求めて探した結果, 最も電球が長持ちする最高の竹を発見します。 それが石清水八幡宮のある京都 男山周辺の “真竹” だったんです !
発見した時には, 感謝の意を込めて石清水八幡宮へ参拝したでしょうね (^^)
松下幸之助
現Panasonicの創業者 ( 松下電器 ) で, 石清水八幡宮を深く信仰していました。
松下電器 ( Panasonic ) の初期の社章は「 M 」の文字を横から矢→が貫くものを採用。 この矢は, 石清水八幡宮の「 八幡御神矢 」を表したものだといわれています。
石清水八幡宮 展望台
男山から京都市内が一望できます。 当日のように晴れていれば遠く比叡山や京都タワーも見えます。 めちゃめちゃ眺めが良いですね。
京都市内を一望。
ちょうど正面の雲が山頂にかかっている山が比叡山。 その下の白い爪楊枝みたいなのが京都タワー。
ケーブル八幡宮山上駅を出て, 左側の傾斜の急な階段を登ると展望台。 ただ階段前の案内板には, 「 ぐるっと 」迂回するように表示されています。 階段が急なので, 転落事故があったんでしょう。 階段を見て不安を感じたら, 迂回することをオススメします。
石清水八幡宮 都の裏鬼門守護
平安時代の陰陽道によれば, 北東の方角は鬼などの悪霊が侵入してくる方角。 そこに神社仏閣を置いて鬼などの侵入を防御しようと試みました。
平安京の大内裏 から北東へ延びる線には,上京区にある「 幸神社 」, 「 赤山禅院 」, 「比叡山 延暦寺」, 「日吉大社(滋賀県大津市)」。
そして, 陰陽道では北東 ( 鬼門 ) と反対の南西 ( 裏鬼門 ) も同じように嫌われるので, 裏鬼門の守護には, 「 石清水八幡宮 」。
ちょこっと, 関連情報。
桓武天皇が平安京へ遷都した際, 都の表鬼門と裏鬼門に石清水八幡宮などの神社仏閣を置くだけではなく, 都の四方に「 大将軍神社 」 を祀る計画になりました。
平安京の守護 4つの “大将軍神社”
葛野 ( かどの ) の地 ( 現在の京都市 ) を都にしたのと同時に, 平安京守護のため大内裏 ( だいだいり ) の東西南北に “大将軍神社” が置かれました。
南は藤森神社境内の大将軍社, 北は 大将軍神社 ( 今宮神社境内の大将軍社とも ) , 東は三条通花見小路東入ルにある大将軍神社 ( 東三条大将軍社 ), 西は大将軍八神社。
ちなみに,「 大将軍八神社 」の面している商店街 ( 一条通 ) は,「 大将軍商店街 ( 妖怪ストリート ) 」と呼ばれ, 近くの西大路仁和寺街道の交差点名は,「 大将軍 」。 周りの町名は, 大将軍□○町です。
めちゃめちゃかっこいい地名 ! !
四神相応( しじんそうおう )
一説には, 京都の地が都に選ばれたのは, 中国から伝わった ※ 風水の「 四神相応 」という考え方。
※ 物の位置で気の流れを制御する思想
東西南北に神が存在すると, 繁栄するといわれています。
北は玄武 ( げんぶ ) , 東は青竜 ( せいりゅう ) , 南は朱雀 ( すざく ) , 西は白虎 ( びゃっこ ) 。
京都は, この考え方で行くと地理的にぴったりの場所で, 北に船岡山, 南に巨椋池 ( 現在はありません ) , 東に鴨川, 西に山陰道。
結果, 1000年以上, 京都に都が置かれました。
石清水八幡宮 アクセス
京阪「 石清水八幡宮駅 」下車の後, ケーブルと徒歩の2つの参拝方法があります。
ケーブル
京阪「 石清水八幡宮駅 」下車, 徒歩約30秒の石清水八幡宮参道ケーブルへ。
ケーブル八幡宮口駅~ケーブル八幡宮山上駅 ( 3分 片道200円 )
下車後, 徒歩約3分で本殿。
徒歩
表参道と裏参道があります。 本殿が南面しているので, 電車が通っていないときには, 南にある大阪側から参拝するのには「 表参道 」。 北から来る京都側から参拝するのには「 裏参道 」が便利でした。
裏参道
一の鳥居
京阪 石清水八幡宮駅から徒歩で参拝するのには「 裏参道 」が便利。
現在位置のマークのところが、「 一の鳥居 」
約30分で山上の本殿に到着。 一の鳥居から約28分。
急な階段が続きます。
ただし, 結構急な石段が続くので, 足に自信のない人や子供連れは, ケーブルを利用することをオススメ。
表参道
今回は歩きませんでした。 「 裏参道 」よりさらに南側にあります。 余裕があれば, こちらから。
駐車場
本殿まで徒歩約3分のところに駐車場もあります。
駐車料金
・ 普通車 終日 ( 8 : 30 ~ 16 : 00 ) 500円
・ 大型バス 終日( 8 : 30 ~ 16:00 ) 1000円
近くの観光スポット
背割堤
背割堤は, 京阪「 石清水八幡宮駅 」から徒歩約10分, 宇治川と木津川に挟まれた中州の堤防。 約 1.4kmわたり桜並木が続きます。 壮観です ! ! ! !
石清水八幡宮 まとめ
昔は男山全体に, 石清水八幡宮に関係する建物があり, 男山も含めて信仰の対象だったであろうことが, 参拝してよくわかりました。
武家からの信仰が特に篤く, 楠木正成の楠や, 織田信長が寄進した信長塀などが今も見ることが出来ます。
京阪電車で「 石清水八幡宮駅 」まで行って, ケーブルに乗ってお詣りに行くと, ちょっとした小旅行気分が味わえます (^^)
そして, ご利益が,「 必勝 」,「 困難を乗り越えるための厄除け 」なので, どうしても成し遂げたいことのある人は, 一度お詣りされて, “八幡御神矢” をいただいて帰ってはどうでしょう。 ちなみに, 私もいただいて帰りました (^^)
京都 神社仏閣 関連リンク
京都 ご利益 めぐり
所在地 | 京都府 京都府 八幡市 八幡高坊 30 |
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電話 | 0 7 5 - 9 8 1-3 0 0 1 石清水八幡宮ホームページ |
※ 参拝時間 ・ 受付時間等は変更されることがありますので, 神社にご確認ください。 万が一, 間違っていたとしても, 責任は負いかねます。 予めご了承ください。
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