「 八坂庚申堂 (やさかこうしんどう) 」
京都東山のシンボルといえば八坂の塔。
東寺の五重塔と共に、京都へ訪れる人たちを魅了しています。
その八坂の塔へと続くなだらかな坂道の途中にあるのが, 「八坂庚申堂」。
境内は小さいカラフルな「くくり猿」で彩られています。
八坂庚申堂について

正式な名称は「大黑山金剛寺庚申堂」。
地元では「八坂の庚申さん」で親しまれています。
本尊は青面金剛 (しょうめんこんごう) 。
お猿さんが八坂庚申堂のお使いで、カラフルな「くくり猿」が本堂や融通尊に奉納されています。

本当にお寺がこれでいいの?っていうくらいに色彩豊かでカラフル(笑)
境内はカップルや女性グループで賑わっています。
八坂庚申堂を訪れるのなら、できれば2~3月がオススメ。


境内に梅の木が植えられているから、カラフルな「くくり猿」と共に華やかで良い香りが楽しめます。
八坂庚申堂 お猿さん


庚申の”申”は猿だから、八坂庚申堂のお使いもお猿さん。


だから、カラフルな「くくり猿」だけじゃなくて、境内のところどころに三猿 (さんざる 見ざる・言わざる・聞かざる) も鎮座しています。
日光東照宮が有名だけど、三猿はここ八坂庚申堂が日本で最初といわれています。
八坂庚申堂 アクセス
・市バス「清水道」バス停下車徒歩約3分。市バス「東山安井」バス停下車徒歩約4分
・京阪「祇園四条駅」1番出入口から徒歩約12分
・阪急「京都河原町駅」1B出入口から徒歩約15分
八坂庚申堂 近くの観光スポット
近くの観光スポット
八坂の塔 ( 法観寺 )
京都東山のシンボル。 京都へ来たのなら一度は訪れておきたいですね。 八坂庚申堂からすぐ。
八坂神社
八坂庚申堂から徒歩約4分にあるのが, 「 八坂神社 」。
八坂神社という呼び名になったのは明治になってから。 江戸時代まで, 八坂神社は比叡山延暦寺の末寺でもあったので, 「 祇園感神院 ( かんしんいん ) 」 という寺の名前でも呼ばれていました。つまり, 神社でもありお寺でもありました。
八坂神社のお祭なのに, “八坂祭” じゃなくて, 『 祇園祭 』 といわれるのは, 明治以前の呼び名が関係しています。
安井金比羅宮
八坂庚申堂から徒歩約4分にあるのが, 「 安井金比羅宮 」。
縁切り ・ 縁結びにご利益があるけど, 「 縁切り 」のイメージが遥かに強い ! !
まず本殿に参拝し, 「 形代 」に切りたい縁 ・ 結びたい縁を書いて, 「 形代 」を持って願い事を念じながら, 表から裏へ穴をくぐります。 これでまず悪縁を切るよう。 その後逆に, 裏から表へくぐって, 良縁を結びます。 最後に「 形代 」を碑に貼って終わり。
京都霊山護国神社
八坂庚申堂から徒歩約5分にあるのが, 「 京都霊山護国神社 」。
幕末維新に殉じた志士と大東亜戦争にいたる京都府出身の約7万3千柱をお祀りしています。
初めは, 坂本龍馬と中岡慎太郎のお墓参りが目的だったけど, 幕末 ・ 維新や戦争で亡くなられた人達の数えきれないお墓や慰霊碑を見るにつけ, 先人への感謝と今の平和な世の中に生きていることへの感謝の気持ちが沸いてきた。 凄く意味のあるお詣りだった。
八坂庚申堂 まとめ
こじんまりとしたお寺だけど、小さいカラフルな「くくり猿」で知名度は抜群。
八坂庚申堂⇒八坂の塔⇒清水寺が観光客のゴールデンルートになっていると思います。



京都へ来たら一度は見ておきたいお寺ですね。
所在地:京都市東山区下河原町八坂鳥居前下4丁金園390-1
電話:075-541-2565
八坂庚申堂の “庚申” とは


ここからは, ややこしいから, 興味があれば読んでください (笑)
“庚申” に入る前にまず2つの前置きを。
十干 ( じっかん )
まずは, 十干 ( じっかん ) 。 保険の契約書なんかでよく見るやつ。 甲は, 乙に対して ・ ・ ・ , とか,
第3条 甲又は乙は, 本契約期間中であっても ・ ・ ・ ・, っていうやつ。
たいがい登場人物が2人だから, 甲 & 乙だけど, もし, 10人いたら甲 ( こう ) ~ 癸 ( き ) まで使うんやろなー。 ややこしそう。 ちなみに, 必ず, 「 甲乙 」を使う必要はなくて, A ・ B ・ CなどのアルファベットでもOKみたい。
ところで, 十干 ( じっかん ) だけど,
甲 ( こう ) ・乙 ( おつ ) ・丙 ( へい ) ・丁 ( てい ) ・戊 ( ぼ ) ・己 ( き ) ・庚 ( こう ) ・辛 ( しん ) ・壬 ( じん ) ・癸 ( き )
甲 ( こう ) ・乙 ( おつ ) ・丙 ( へい ) までは知ってたけど, 10個あるとは知らなかった。
十二支 ( じゅうにし )
次は, 十二支 ( じゅうにし ) 。 自分の生まれた年と関係あるからみんな知っていますね。
子 ( ね 鼠 ) ・丑 ( うし 牛 ) ・寅 ( とら 虎 ) ・卯 ( う 兎 ) ・辰 ( たつ 龍 ) ・巳 ( み 蛇 ) ・午 ( うま 馬 ) ・未 ( ひつじ 羊 ) ・申 ( さる 猿 ) ・酉 ( とり 鳥 ) ・戌 ( いぬ 犬 ) ・亥 ( い 猪 )
前置きが長くなってしまったけど, “庚申” とは,
十干 ( じっかん ) と十二支 ( じゅうにし ) を組み合わせたものを干支 ( かんし : 十干の “干” と十二支の “支” で干支 ) といって, 60個あります。 その中の57番目が, “庚申” 。 十干の7番目 “庚 ( こう )” と十二支の9番目 “申 ( さる 猿 )” を組み合わせたもの。
その年ごとに, 60個ある干支 ( かんし : 十干の “干” と十二支の “支” で干支 ) のひとつづつが当てはめられていて, 中国から伝わった陰陽五行説では, 十干 ( じっかん ) の庚 ( こう ) は陽の金, 十二支の申 ( さる 猿 )は陽の金で, 同じ気が重なるために, 庚申の年や日は金気が天地に充満して, 人の心が冷酷になりやすいとされました。
庚申の年は一番近い過去で, 1980年。 次の庚申の年は60年に一回廻ってくるから, 2040年。
ちなみに, 阪神のホームグラウンドの甲子園は, 甲子の年 ( 1924年 ) にできたから甲子園。 他には, 戊辰の年 ( 1868年 ) にあったから戊辰 ( ぼしん ) 戦争。 壬申の年 ( 672年 ) に起こったから壬申の乱。 などなど。
Wikipediaを参考にしました。
庚申待 ( こうしんまち ) とは
庚申の年が, 60年に1回めぐってくるのと同じように, 1年の中にも, それぞれ60日に1回 “庚申の日” がめぐってきます。 庚申待ちとは, その60日に1回めぐってくる “庚申の日” に行うもの。
庚申待ちとは, 簡単にいうと, 庚申の日に, 人が寝ている間に閻魔大王様に悪い行いをしたことを報告されるのを妨げるために, 酒盛りをしたりして夜通し起きていること。 寝てしまったら, 悪い行いが報告されてしまう (笑)
もし, めちゃくちゃ悪い行いをしていたら, 寿命を縮められたり, 死後に最悪なら地獄へ送り込まれるそう。 めっちゃ怖い ! ! 必死で起きてる ! !
詳しくは, 庚申待 ( Wikipedia )
コメント