「 祇園祭 曳き手ボランティア 」
祇園祭のハイライトといえば山鉾巡行。 美しい懸装品で飾られ, 動く美術館といわれる山鉾が都大路を巡行します。
その重量は, 一番重たい月鉾で約12トンもあるんです。
この重たい鉾を曳くのになくてはならないのが, 曳き手ボランティア。
実際に南観音山の曳き方ボランティアに参加させてもらったことがあります。
祇園祭 曳き手ボランティア 南観音山
京都が大好きだから, 前から祇園祭に参加してみたいと思っていました。
取引先の人がすでに南観音山の曳き手ボランティアに参加していて, そのつてで加えてもらいました。
南観音山で約9.5トン。 ボランティアだけで約50人。
外国人の参加も多く, 南観音山でも5人以上いました。
山鉾巡航の当日だけではなく, 7 / 14 ~ 7 / 16の宵々々山, 宵々山, 宵宮の期間中の1日は手伝いで参加しなければいけません。 ※鉾を見学する登鉾券の販売や観光客の誘導など。
祇園祭 曳き手ボランティア 巡航当日
私が参加した時は, 前祭と後祭に分かれていなかったから, 南観音山は「 ※ くじ取らず 」で巡航は一番最後。
※ 巡航順はくじ引きで決められるが, くじを引かず巡航順番が決まっている山鉾。
集合は 8 : 0 0位だったと思うけど, 出発は最後だから 1 0 : 3 0位でした。
結構待った。
着替え ・ 準備
昔ながらの装束で参加だから, メガネはOKだけど, 時計 ・ スマホはNG。
南観音山は, 上半身は水色のはっぴで下半身は白装束。 上半身は肌に直接はっぴを着るけど, 下半身はそうはいきません。
だから, 必ず「 白いパンツ 」を履くように, とのこと。 色 ・ 柄付だと透けるから。
私は持っていなかったから, 白い下着を買いました (笑)
足元
「 わらじ 」を履きます。
私は草鞋を履くのが人生初体験。
ビーチサンダルでも親指と人差し指の間が擦れて豆ができることがあるけど, 草鞋でも同じなので, かかとの辺りと合わせて, テープを巻いておくようアドバイスされました。
出発
出発前に, ※音頭方の掛け声で山を曳くタイミングの説明や, ボランティアの写真撮影があり。
写真は帰還後記念にもらえました。
※ 山鉾の前で扇子を持って動き出しの合図をする人
辻回し
交差点で90度の方向転換をするのが「 辻回し 」。 巡航一番の見せ場。
鉾の車輪の下に割った長い竹を敷き, その上に水を掛けて鉾を滑らせることで方向転換をします。
1回では90度回れないから, 3回で方向転換できれば上出来。 沿道の見物人が拍手してくれます。
現場で体験できてめっちゃ感動したのを覚えています。
目の前で見られた ! !
帰還
南観音山はしんがりだから, 13時過ぎ。
※私が参加した時は前祭と後祭に分かれていなかったから, 南観音山の巡航は一番最後。
南観音山は見返り ( 後ろ部分 ) に柳の枝を指して巡航しているけど, 帰還後その柳が見物客に分け与えられます。
めっちゃ取り合いになる (笑)
その柳を持って帰って厄除けのちまきと飾っておくと, 1年間の厄除けになるといわれています。
また, 終わった後に弁当とビールが配布されました。
これもめっちゃ嬉しかった ! !
祇園祭 曳き手ボランティア 実際に曳いてみて
南観音山で9.5トンあるから, 動きだしは力が要ります。
動き出してしまえば重たいから平地なら惰性で進んでくれる。
しばらく曳いていて思ったのは, 本体近くで曳いている人ほど力が必要で, ボランティアでも長年参加しているベテランが担当しています。曳き縄の先端ほど力が要らない。
慣れていない人は先頭辺りで曳くことになります。
辛かったこと
新町錦小路上ルから出発して, 四条河原町の辻回しまでは, ほぼ平な道を曳いて行くけど, 四条河原町からは緩やかな坂道。
普段歩いている時は感じないけど, 南観音山を引っ張っていると「鴨川が流れているから高低差はあるんや。」 ってことを実感できます。
四条河原町から河原町御池まではしんどかった。じわじわとボディブローのように。
だから, この区間には給水所が設けられていて, 浴衣を着たお姉さんが麦茶を配っています。
前祭と後祭に分かれる前だったのと, ( 山鉾の数が多かった。 ) 南観音山はしんがりだったということで待ち時間が長かった。
というのは, 計4回ある辻回し ( 四条新町, 四条河原町, 河原町御池, 御池新町 ) で山鉾が渋滞するんです。 すんなり進むのは, 先頭の長刀鉾だけ。
ただ現在, 後祭の南観音山は,烏丸御池スタートの逆回り。
後祭の山鉾も10基だから, 待ち時間も大幅に解消されています。
※前祭の巡航は私が曳いた時と同じルート
参加を止めた理由
どうしても, 祇園祭の山鉾巡行に参加したいと思って, 南観音山の曳き手ボランティアにさせてもらったんだけど, 4年でやめさせてもらいました。
合計4回参加させてもらったけど, 晴, 曇, 雨, 全て経験しました。 台風が京都を直撃して宵山が中止になったこともありました。
カンカン照りは最悪 ! ! ! !
ピラミッドを作るために, 石を引っ張る労働者のよう感じ (笑)
一番最後に参加した年がカンカン照りで, かなり疲れたので次の年から参加をやめました。
私が参加したのは, 前祭と後祭に分かれる前だったから, 7月17日。
現在, 後祭巡行の7月24日は, 梅雨明けしている可能性が高いから, 毎年めっちゃ暑くて大変やと思います。
祇園祭 曳き手ボランティア まとめ
曳くのがしんどいと感じたこともあったけど, 普通では見られない場所で山鉾巡航を見ることができたから, ボランティアに参加して本当に良かったです。
めっちゃ良い体験をさせてもらいました (^^)
私は紹介で参加したけど, 山鉾巡航 曳き方ボランティア募集のサイトもあるので, 興味のある人は参加してみてはどうでしょう。
普通ではできない体験ができますよ。
南観音山について
京都市営地下鉄「 四条駅 」, 阪急「 烏丸駅 」26番出入口から徒歩約4分。 新町通錦小路上ルに建てられるのが, 「 南観音山 」。
後祭が復活した2014年から後祭の6番目に巡行しています。
見送の「 龍王渡海図 」が印象的な曳山。 一見, 鉾のようだけど,「 曳山 ( ひきやま ) 」に分類されます。
巡航終了後, 巡行時に飾られていた柳の小枝を持って帰り, 南観音山の粽と共に玄関に飾っておくと, 厄除けになるといわれています。
後祭 山鉾巡行の前日7月23日の深夜に, 布で巻いた御神体の楊柳観音を神輿にくくりつけ, 町内を廻る「 あばれ観音 」は, 南観音山だけに存在する行事です。
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