【寺と院の違い】その意外な理由とは?
「 寺と院の違い 」
「神社と神宮の違い」 ということを調べていたら「じゃあ, 寺と院の違いは ?」という新たな疑問が浮かび上がってきました (笑)
いい加減な話だけど、私自身、漠然と規模の大きいのが寺で、小さいのが院かな?ぐらいにしか思っていませんでした。
寺と院は一体何が違う ?
寺と院の違いは、ありません。一緒です(笑)
多くの場合、その呼び方の違いにルールや決まりごとはなく、寺院が自ら呼ばれたい名称にしているということ。
この寺院自らで決めた○○寺や○○院という呼び方は、正式名称ではなくて、通称あるいは省略名なんです。
ちなみに京都では~寺は、南禅寺、天龍寺 、相国寺、東福寺、建仁寺、万寿寺(まんじゅじ)など。
じゃあ、なぜ寺院は正式名称を使わないんでしょうか?
なぜ通称や省略名にする?
とにかく、正式名称がめっちゃ長い寺院が多いんです。
長くて覚えられないから、通称や省略名にしているというのが理由。
通常お寺の正式名称は「山号(さんごう)」+「院号(いんごう)」+「寺号(じごう)」から構成されています。

山号、院号、寺号だけの寺院もあります。
ちなみに、寺院名に山号をつけるようになったのは、中国が起源。
だから、インド、スリランカ、タイなどの地域では山号はついていません。
一般的にこの当時の寺院は、権力者の庇護を受けやすい街中か、その反対に人里離れた山中のいずれかに建立されていています。
山中に建立された場合は、その山の名称をつけるようになりました。
お寺では


例えば、南禅寺。
臨済宗南禅寺派の大本山。鎌倉時代に選定された格式の高い五つの禅寺(※ 京都五山)のさらに上、「別格」扱いの寺院で、最も高い格式を誇ります。
※天龍寺、相国寺、東福寺、建仁寺、万寿寺(現在は東福寺の塔頭)
その南禅寺の正式名称は、瑞龍山(山号 ずいりゅうさん) 太平興国南禅禅寺(寺号 たいへいこうこくなんぜんぜんじ)。
長くて覚えにくいから、寺号の太平興国南禅禅寺を省略した「南禅寺」を通称としています。



南禅禅寺は言いにくいしなー。
院では


知恩院 三門
知恩院の正式名称は、華頂山(山号 かちょうざん) 知恩教院 (院号 ちおんきょういん) 大谷寺(寺号 おおたにでら)といい、院号の知恩教院を省略した「知恩院」を通称としています。
ちなみに、京都人は「知恩院」のことを、寺号の『大谷さん』と呼ぶこともあります。
院号について
元々、院号は平安時代以降、皇族が門跡(住職)となっている寺院などに対して許されるようになったのが始まり。
ただ。「院」には例外もあって、大きなお寺になると寺域の中にたくさんの「~院」があります。
この場合は宿泊(居住)するための施設としての「院」という意味もあります。



塔頭(たっちゅう)も「~院」という呼び方が多いですね。
そして、お寺の末寺として「~院」と名乗っている場合も。
また、偉い人から名前を贈られて「~院」と呼ばれているところもあります。
寺院の数
全国のお寺の数は、なんと、77,206(文化庁 平成28年)。
コンビニの数 約55,000(平成29年)よりはるかに多いけど、神社の数 81,162(文化庁 平成28年)のほうが多いですね。



京都府の寺院の数は2446で、全国第5位です。



京都は寺院がめっちゃ多いイメージがあるから、ベスト3には入っていると思ったけどなー。
ちなみに、1位は愛知県。2位は大阪府、3位は東京都。
大阪と東京は昔から人口が多いからわかるんだけど、愛知が1位なのは何でかなー?
出典:平成26年経済センサス -基礎調査(総務省)


寺と院の違い まとめ
寺と院の違いは、特にありません。
山号・院号・寺号の長い正式名称だと覚えにくいから、寺院が省略して「通称の名称」にしているのが理由。



京都には「寺と院」以外にも堂、庵などがありますね。
紅葉の名所 真如堂の正式名称は、鈴聲山 真正極楽寺(れいしょうざん しんしょうごくらくじ)といい、最澄の開いた天台宗のお寺。



本堂を表す「真如堂」が通称となりました。
京都の鷹峯(たかがみね)にある源光庵。



悟りの窓と迷いの窓で有名ですね。
正式な名称は、鷹峰山宝樹林源光庵(ようほうざん ほうじゅりん げんこうあん)という曹洞宗の寺院。
「源光庵」を通称としています。
ちなみに、外国では人の名前も通称を使っている場合がありますね。
日本の名字と名前くらいなら覚えられるけど、ものすごく長い名前の人がいるみたい(^^)
サッカーのメッシの正式な名前は、リオネル・アンドレス・メッシ・クッシッティーニ。



覚えられへん(笑)


参考 : Wikipedia





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