「 北野天満宮 七不思議 」
個人的に京都の神社の中で一番お詣りしているのが「北野天満宮」。
京都を守護し、江戸時代からは学問の神様として崇められるようになった菅原道真をお祀りしている神社として知られています。
一の鳥居から楼門、三光門を通って拝殿でお詣り、そして、本殿裏へ。
その間に北野天満宮の七不思議があるんです。
知らなければ気づかない、知っていたらちょっと嬉しい北野天満宮の七不思議です (^^)
七不思議その壱 影向松
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北野天満宮 七不思議の一番最初にあるのが、一の鳥居をくぐってすぐのところにある「影向松 ( ようごうのまつ )」。
初雪の日に、祭神の菅原道真が降臨して歌を詠むという伝承あり。
毎年、初冬 ( しょとう ) から節分の間に初めて雪が降った日に、影向松の前で初雪祭が行われます。
この影向松は菅原道真を取り立てた宇多天皇との縁で、代々、仁和寺によって植え替えられてきたと伝えられています。
七不思議その弐 ずれた本殿?!
影向松を過ぎて、参道を進むとそびえ立っている立派な楼門の向こう。
普通の神社なら楼門をくぐって、そのまま参道を真直ぐ進むと拝殿・本殿があるけど、北野天満宮は違うんです。
楼門をくぐって左斜めに曲がってすぐに右。
そのまま進むと三光門、そして拝殿・本殿があります。
北野天満宮 七不思議の2つ目は、この不自然な”ずれた参道”。
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上の画像は楼門をくぐってすぐのところ。
画面左の1人の日傘をさした人が歩いているのが北野天満宮の三光門・拝殿へ向かう参道。
じゃあ、通常の神社のように、楼門をくぐって真直ぐ延びる参道 ( 画面右側の3人が歩いている ) はどこへ向かうのか?
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実はこの本来の参道の先にあるのは、北野天満宮ができる前から存在する地主社。
画面ほぼ中央の朱色の社が「地主社」。
「地主社」は北野の地に菅原道真の魂を鎮めるためにお祀りする以前からあった社なんです。
そのため、北野天満宮の本殿は西へずらして造られました。
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その結果、北野天満宮の本殿・拝殿への参道もずれてしまったんです。
七不思議その参 落ちない大国様?!
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私自身もいつもお世話になっているのが、大国様 (笑)
拝殿に入るところにある三光門。
その東南 ( 三光門から見て左前 ) に立っている石燈籠に刻まれている大黒様。
3つ目の北野天満宮の七不思議は、この大黒様。
ほっぺとも口ともいわれる部分が鼻の孔のように内側にくぼんでいます。
ここに乗せることができた石を財布に入れておけば「お金に困らない!!」 といわれています。
江戸時代に質屋の組合が奉納したものだそう。
最近では「落ちない!!」 ということで、受験生にもめっちゃ人気。
石を乗せるときのコツ
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結構急な傾斜になっているから、丸めの石はダメ。
なるべく、平たく、小さな石を探すこと。
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大きすぎると乗らないし、財布に入れても邪魔になる (笑)
七不思議その肆 星欠けの三光門
4つ目の北野天満宮の七不思議は、この重要文化財の立派な門にあり。
北野天満宮の本殿へ向かう参道がずれているということは、前に書きました。
その参道を進むと、拝殿・本殿の前にあるのが「三光門 ( さんこうもん )」。
“三光”というのは、日・月・星にちなんで名づけられた名前。
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三光門の内側に日輪の彫刻
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反対側に月の彫刻
でも『☆』 はどこを探しても無いんです。
北野天満宮ができた当初の平安京の中心部は千本丸太町交差点の辺り。
今の京都御所の西へ約1.5km。
当時、ここから北野天満宮がある北野の方角を見ると「北極星」が輝いていたそう。
北野天満宮の上に星が輝いているのだから、三光門に『☆』を彫刻する必要はないということなんです。
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めっちゃ、しぶい ! !
七不思議その伍 北野天満宮と牛
5つ目の北野天満宮の七不思議は、北野天満宮のお使い「牛」について。
牛は北野天満宮で神の使いとされているけど、これは菅原道真が丑年生まれであったから。
そして、道真が太宰府で亡くなった後、遺体を運ぶ牛が途中で座り込んで動かなくなったことから、境内にあるのは全て座った牛。
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でも、拝殿中央の欄間に彫刻されているのは、唯一立っている牛。
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なぜこの牛だけが立っているのか、今も謎なんです。
七不思議その陸 裏の社
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通常、神社のお詣りでは拝殿か本殿の前で行うのが普通。
北野天満宮でも三光門をくぐって、拝殿の前でお詣りします。
ところが、北野天満宮にはもう一つお詣りするところがあるんです。
それが6つ目の北野天満宮の七不思議 「 裏の社 ( うらのやしろ ) 」。
一度拝殿の横から出て、本殿の裏へ回ってください。
天照大神 ( あまてらすおおみかみ ) の子 天穂日命 ( あまのほひのみこと ) 、菅原道真の祖父 菅原清公、父親の菅原是善をお祀りしています。
この三柱を「御后三柱 ( ごこうのみはしら )」 といって、昔は北野天満宮を参拝するときには、必ず裏の社もお詣りしていました。
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次に北野天満宮へお詣りの時には、古式にのっとってお詣りしてみてはいかが (^^)
七不思議その漆 天狗山
最後の北野天満宮の七不思議が天狗山 ( てんぐやま )。
平安時代の陰陽道で、忌み嫌われるのが「鬼門 ( 北東 )」。
京の都では平安京の大内裏 ( だいだいり ) の鬼門 ( 東北 ) には、幸神社 ( さいのかみのやしろ )、赤山禅院、延暦寺、滋賀県大津市の日吉大社があります。
同じように、天門 ( 北西 ) も怨霊などが入ってくる方角として嫌われていました。
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本殿の北西にある絵馬所の裏 ( 御土居の中 ) に天狗山があります。※御土居の公開中しか見ることはできません。
平安京守護のために大内裏の天門 ( 北西 ) に配されたのが、大将軍八神社、そして『北野天満宮』。
さらに北野天満宮 境内の天門 ( 北西 ) にあるのが、”天狗山”と呼ばれる小山。
ここは境内の天門 ( 北西 ) にあることから、特に神聖な場所。
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昔は天狗が出たの出なかったのというお話があります (^^)
北野天満宮 アクセス
・市バス「北野天満宮前」バス停からすぐ
・嵐電「北野白梅町駅」から徒歩約5分
※初詣や行事のある時には混雑防止のために「北野天満宮前 ( 東行き )」バス停が少し東へ移動。
北野天満宮 七不思議 まとめ
どうでしたか。北野天満宮の七不思議。
星欠けの三光門は、めっちゃしぶいエピソード。
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三光門の前の『大黒様』には個人的に大変お世話になっています (^^)
ちなみに、今は学問の神様として認知されている菅原道真。
無実の罪で太宰府へ左遷され、亡くなった後に京の都に舞戻り、災いや雷を落とす怨霊と考えられていました。
菅原道真の魂を鎮めるために創建されたのが、北野天満宮。
その後は京の都を守護する神様として、江戸時代になってからは寺子屋の普及と共に学問の神様へとなっていきました。
平安時代からの長い歴史の中で、語り継がれてきた「北野天満宮 七不思議」。
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北野天満宮へお詣りする時に思い出してみてください。
所在地:京都市上京区馬喰町
電話:075–461–0005
受付時間:9:00~17:00 北野天満宮ホームページ
※ 参拝時間・受付時間等は変更されることがありますので、神社にご確認ください。万が一、間違っていたとしても責任は負いかねます。予めご了承ください。
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