「 粟田神社 粟田祭 」
粟田神社は, 京都の東の出入り口 ( 粟田口 ) にあります。
ちょうど, 青蓮院から平安神宮へと北へ向かう神宮道が, 三条通りと交わるところから少し東辺り。
粟田神社の粟田祭は毎年体育の日に, 神幸祭 ( しんこうさい ) ・ 還幸祭 ( かんこうさい ) が行われます。
粟田神社 粟田祭 2017
剣鉾の巡行
まず, 神様が氏子地域を御幸される神幸祭の前に, 神輿を先導する役目がある剣鉾 ( けんぼこ ) が, 氏子地域を練り歩きます。
この剣鉾が, なかなか他では見ることができないくらい, シンプルかつ雅な巡行なんです。
剣鉾は, 上の画像で担いでいるように, 重さ40 ~ 60kg, 長さ7 ~ 8メートルもあります。 これを, 鉾差しと呼ばれる担い手が一人で支え, 剣先をしならせて, 鈴を鳴らしながら巡航します。
この鈴の音が, めっちゃ風流 ! !
棹の部分にも, 飾りが施されています。
長い竿の先に, よくしなる真鍮製の剣先と, 精巧な細工が施されている丸い飾りがあります。
まずは, 大人3人がかりで, 鉾を立てていきます。 これを見ても, かなり重いのがわかります。
剣差しは, 応援団が団旗を支えるときに使うような差し袋という棹受けを腰に付けて, 剣鉾を支えます。
剣鉾の見せ場は, これ ! !
独特の歩き方で剣先をしならせ, その揺れで, 金色の丸い飾りの下にぶら下げられた鈴が棹に当たり, 涼やかな音色をたてます。
これだけ重いものを, ただ持って歩くだけでも大変なのに, 美しく綺麗な鈴の音色を奏でながら, 歩かなければいけないんです。
やっぱり, 上手な人とそうでない人がいて, 熟練の人の奏でる音は, 聴いていて惚れ惚れします (^^)
素人目で観ていても, 熟練の技がいりそうで, 名人になるには, 練習に練習でしょうね。
神輿の巡航
剣鉾の巡行が終わったら, いよいよ, 神輿の巡航が始まります。
神輿は, 最近新調したのでしょうか ? めちゃくちゃ煌びやかで, 精巧な飾りが目を引きます。
これから町内を巡航し, 青蓮院 ? へと向かいます。
でも, なんで, 神社の神輿がお寺へ ?
なんで, 神社の神輿がお寺へ??
ちょっと, おかしいですよね ?
神社は, 神様 ( 神道 ) 。 お寺は, 仏様 ( 仏教 ) 。 全く別の宗教だけど・・・・,
というのは, 日本古来の神様と外来宗教である仏教とを結びつけた信仰 ( 神仏習合 ) が不思議ではなかった時代 ( 明治時代以前 ) , 粟田神社には, 仏様の「 薬師如来 」と「 十二神将 」がお祀りされていました。
でも, 明治政府が, 「 これから国の宗教は, 神道 ( 日本古来の神様 ) にするんだ ! ! 」という方針を打ち出したことから, 神道 ( 神様 ) と仏教 ( 仏様 ) が分けられてしまいました。
その結果, 明治時代の神仏分離によって, 神社から仏像が取り除かれることになり, 粟田神社にあった薬師如来像と十二神将像は, 近くにある青蓮院が代わりにお祀りすることになりました。
粟田神社の神幸祭では, かつて粟田神社にあった薬師如来像と十二神将像に, 「 お久しぶり, 元気ですか ? 」ってご挨拶するため, 粟田神社の神様が乗られている神輿がお寺の青蓮院に入ってゆきます。
青蓮院の四脚門。
神輿が登りやすいように斜めになっているといわれています。
四脚門は, 天皇の使いや天皇その人が来られる時にだけ開かれる門。
粟田祭の神輿が入るときも開けられます。 なぜかというと, 神様が来られるから。
粟田祭の神輿が, 四脚門の下に到着しました。 これから階段を上ってゆきます。
一番のクライマックス。 担ぎ手の気合が伝わってきます。
粟田神社 歴史
長保3年 ( 1001 ) の旧暦9月9日の夜に, 一人の神童が表れて, こういったそうです。
「 今日から7日後に祇園社 ( 八坂神社 ) の東北に瑞祥 ( めでたい兆し ) が現れる。 そこに神幸すべし。」
その7日後に, 瑞光 ( めでたい光 ) が現れた場所が今の粟田神社のあるところ。 そこで粟田祭を始めたとされています。
粟田神社は, 三条大橋から東へと続く道 ( 現在の三条通 ) のそばにあることから, 平安京の昔からここを行き来する旅人から旅の安全を祈って, 厚い信仰を集めました。
祭神は, 素戔嗚尊 ( すさのおのみこと ) ・大国主命 ( おおくにぬしのみこと ) 。 旅の安全だけではなく, 厄除け・病除けにご利益があるとされます。
粟田神社の本殿。
粟田神社は, 山を少し登ったところにあるので, 辺りを見渡すことができます。
向こうに見えるのは, 平安神宮の大鳥居。
粟田神社 アクセス
地下鉄東西線「東山駅」1番出入口から徒歩約6分。
粟田神社 近くの観光スポット
青蓮院
粟田神社から徒歩約3分にあるのが, 「 青蓮院 」。
天台宗を開いた「 最澄 」が比叡山を開くときに造られた「 青蓮坊 」が起源。 皇室とのかかわりが深い寺院で, 別名を “粟田御所” ともいいます。
庭園は, 室町時代の相阿弥作と伝えられる「 築山泉水庭 」, 江戸時代の小堀遠州作と伝えられる「 霧島の庭 」など, 様々な庭を満喫でき, 四季の彩りを楽しむことができます。
春と秋に行われるライトアップは, めっちゃ幻想的 ! !
平安神宮
粟田神社から徒歩約11分にあるのが, 「 平安神宮 」。
明治28年(1895)4月1日に平安遷都1100年を記念して創建。 祭神は, 桓武天皇と孝明天皇。 大極殿は, 平安京の大内裏の大極殿を再現 ( 5/8の規模 ) 。 應天門は, 平安京大内裏 ・ 朝堂院の南門正門を模して復元されました。
大極殿を囲むような神苑は, 四季を通して美しい光景が観られる名園。 特に桜の時期は, 本当に美しい ! ! ! ! 入ってすぐの南神苑は “桜だらけ” 。 八重紅枝垂桜の数と美しさに圧倒されました !! そして, 東神苑。 泰平閣 ( 橋殿 ) から見る尚美館 ( 貴賓館 ) の景色は、まさに “一幅の絵画” 。
粟田神社 粟田祭 まとめ
剣差しが, 独特の歩き方で, 先端の剣をしならせ, 鈴の音色を響かせる粟田祭の剣鉾 ( けんぼこ ) の巡行は, シンプルで雅。 一見の価値ありです ! !
また, 神幸祭の神輿がお寺の青蓮院 四脚門へ入っていく様子は, なかなか他では見られない光景です。
京都 神社仏閣 関連リンク
京都 ご利益 めぐり
所在地 | 京都府 京都市 東山区 粟田口鍛冶町 1 上ル 下ル 西入 東入について |
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電話 | 0 7 5 - 5 5 1 - 3 1 5 4 |
Web | 粟田神社ホームページ |
※ 拝観時間 ・ 拝観料等は変更されることがありますので, 寺院にご確認ください。 万が一, 間違っていたとしても, 責任は負いかねます。 予めご了承ください。
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