「 粟田神社 粟田祭 」
粟田神社は京都の東の出入り口(粟田口)にあります。
ちょうど、青蓮院から平安神宮へと北へ向かう神宮道が三条通りと交わるところから少し東辺り。
粟田神社の粟田祭は毎年体育の日に、神幸祭(しんこうさい)・還幸祭(かんこうさい)が行われます。
粟田神社 粟田祭 2017
剣鉾の巡行

まず、神様が氏子地域を御幸される神幸祭の前に、神輿を先導する役目がある剣鉾(けんぼこ)が氏子地域を練り歩きます。
この剣鉾が、なかなか他では見ることができないくらい、シンプルかつ雅な巡行なんです。
剣鉾は上の画像で担いでいるように、重さ40~60kg, 長さ7~8メートルもあります。
これを「鉾差し」と呼ばれる担い手が一人で支え、剣先をしならせて、鈴を鳴らしながら巡航します。
この鈴の音が、めっちゃ風流 ! !

棹の部分にも飾りが施されています。
長い竿の先に、よくしなる真鍮製の剣先と、精巧な細工が施されている丸い飾りがあります。
まずは、大人3人がかりで鉾を立てていきます。
これを見ても、かなり重いのがわかります。
剣差しは応援団が団旗を支えるときに使うような差し袋という棹受けを腰に付けて、剣鉾を支えます。
剣鉾の鉾建て(YouTube)
剣鉾の見せ場は、これ!!
独特の歩き方で剣先をしならせ、その揺れで金色の丸い飾りの下にぶら下げられた鈴が棹に当たり、涼やかな音色をたてます。
剣鉾の巡行(YouTube)

これだけ重いものを、ただ持って歩くだけでも大変なのに、美しく綺麗な鈴の音色を奏でながら歩かなければいけないんです。
やっぱり、上手な人とそうでない人がいて、熟練の人の奏でる音は聴いていて惚れ惚れします(^^)
剣鉾の音色(YouTube)



素人目で観ていても、熟練の技がいりそうで、名人になるには練習に練習でしょうね。
神輿の巡航


煌びやかな神輿が揺れる様子(YouTube)
剣鉾の巡行が終わったら、いよいよ神輿の巡航が始まります。



神輿は最近新調したのでしょうか ? めちゃくちゃ煌びやかで精巧な飾りが目を引く。
これから町内を巡航し、青蓮院へと向かいます。
でも、なんで、神社の神輿がお寺へ ?
なんで、神社の神輿がお寺へ??


ちょっと、おかしいですよね ?
神社は、神様(神道)。お寺は、仏様(仏教)。全く違うけど・・・・、
というのは、日本古来の神様と外来宗教である仏教とを結びつけた信仰(神仏習合)が不思議ではなかった時代(明治時代以前)、粟田神社には、仏様の「薬師如来」と「十二神将」がお祀りされていました。
でも、明治政府が「これから国の宗教は神道(日本古来の神様)にするんだ!!」という方針を打ち出したことから、神道(神様)と仏教(仏様)が分けられてしまいました。
その明治時代の神仏分離によって、神社から仏像が取り除かれることになり、「粟田神社にあった薬師如来像と十二神将像は近くにある青蓮院が代わりにお祀りすることになりました。
粟田神社の神幸祭ではかつて粟田神社にあった薬師如来像と十二神将像に「お久しぶり、元気ですか?」ってご挨拶するため、粟田神社の神様が乗られている神輿がお寺の青蓮院に入ってゆきます。


青蓮院の四脚門。
神輿が登りやすいように斜めになっているといわれています。
四脚門は天皇の使いや天皇その人が来られる時にだけ開かれる門。
粟田祭の神輿が入るときも開けられます。
なぜかというと、神様が来られるから。


神輿が四脚門へ入っていく様子(YouTube)
粟田祭の神輿が四脚門の下に到着しました。
これから階段を上ってゆきます。
一番のクライマックス。



担ぎ手の気合が伝わってくる。
粟田神社 歴史


長保3年(1001)の旧暦9月9日の夜に、一人の神童が表れて、こういったそうです。
「今日から7日後に祇園社(八坂神社)の東北に瑞祥(めでたい兆し)が現れる。そこに神幸すべし。」
その7日後に、瑞光(めでたい光)が現れた場所が今の粟田神社のあるところ。
そこで粟田祭を始めたとされています。
粟田神社は三条大橋から東へと続く道(現在の三条通)のそばにあることから、平安京の昔からここを行き来する旅人から旅の安全を祈って、厚い信仰を集めました。
祭神は素戔嗚尊(すさのおのみこと)・大国主命(おおくにぬしのみこと) 。
旅の安全だけではなく、厄除け・病除けにご利益があるとされます。


粟田神社は山を少し登ったところにあるから、辺りを見渡すことができます。



向こうに見えるのは平安神宮の大鳥居。
粟田神社 アクセス
地下鉄東西線「東山駅」1番出入口から徒歩約6分。
粟田神社 近くの観光スポット
青蓮院
粟田神社から徒歩約3分にあるのが「青蓮院」。
天台宗を開いた「最澄」が比叡山を開くときに造られた「青蓮坊」が起源。皇室とのかかわりが深い寺院で、別名を”粟田御所”ともいいます。
庭園は室町時代の相阿弥作と伝えられる「築山泉水庭」、江戸時代の小堀遠州作と伝えられる「霧島の庭」など、様々な庭を満喫でき、四季の彩りを楽しむことができます。
春と秋に行われるライトアップは、めっちゃ幻想的!!
平安神宮
粟田神社から徒歩約11分にあるのが「平安神宮」。
明治28年(1895)4月1日に平安遷都1100年を記念して創建。祭神は桓武天皇と孝明天皇。大極殿は平安京の大内裏の大極殿を再現(5/8の規模)。應天門は平安京大内裏・朝堂院の南門正門を模して復元されました。
粟田神社 粟田祭 まとめ
剣差しが独特の歩き方で、先端の剣をしならせ、鈴の音色を響かせる粟田祭の剣鉾(けんぼこ)の巡行はシンプルで雅。



一見の価値あり!!
また、神幸祭の神輿がお寺の青蓮院 四脚門へ入っていく様子は、なかなか他では見られない光景です。
京都 神社仏閣 関連リンク
京都 ご利益 めぐり
所在地 | 京都市東山区粟田口鍛冶町1 |
---|---|
電話 | 075-551-3154 |
Web | 粟田神社ホームページ |
コメント