「 大田神社 カキツバタ 」
賀茂川の上流にある上賀茂神社の一の鳥居から徒歩約8分のところにあるのが「大田神社」。
5月上旬から中旬にはカキツバタが可憐な花を風に揺らし、恋の願いを聞いています。
大田神社 カキツバタ 案内
大田神社のカキツバタ群落は昭和十四年に国の天然記念物に指定。
鳥居東側の池は「大田の沢」といって、野生のカキツバタ約2万5千株が群生しています。
参道の右手に「大田の沢」の入場口があって、大田神社のカキツバタの育成協力金として300円必要。
大田の沢の広さは、約2000平方メートル ( だいたい45m×45m ) で、5月上旬から中旬にかけて、美しい青紫の花を見ることができます。
2024年は大田の沢の半分が間引かれていた。
野生とはいえ、ある程度の手入れは必要なんでしょうね。
緩やかな風にたなびくカキツバタの花びらは優しくもあり、可憐でどことなく儚い。美しい青紫色から高貴さも感じられる。
大田神社のカキツバタは平安時代から名所として知られ、藤原俊成 ( ふじわらのとしなり 平安時代後期~鎌倉時代前期の歌人 ) も歌を詠んでいます。
神山や 大田の沢のかきつばた ふかきたのみは いろにみゆらむ
神山 ( こうやま 上賀茂神社の祭神 賀茂分雷大神が降臨したとされる山 ) の近くにある大田神社のカキツバタに人々がよくお願いする恋事 ( いろ ) は、この花の色のように、なんと一途 ( 一色 ) で美しく可憐なのだろうか。
上の歌に詠まれている通り、大田神社のカキツバタは800年以上も前からこの地で自生してきて、人々の恋の願いを聞いてきたみたい。
というのも、カキツバタの花言葉は「幸せは必ず来る」。
大田の沢のカキツバタにも縁結びのお願いした方が良いかもしれませんね (^^)
紫式部も訪ねたかも?!
源氏物語の作者である紫式部は、大田神社から徒歩約8分の上賀茂神社の摂社「片山御子神社」を縁結びで何度も訪れている。
大田神社のカキツバタにも恋の願い事をするために訪れているかも?!
カキツバタ・アヤメ・ハナショウブの違い
3種類ともアヤメ科アヤメ属だから似ているのは当然といえば当然。
花弁の模様
花弁で見分けるのが一番確実。
カキツバタは花弁の根元に「 白い線 」が入っています。
ハナショウブは花弁の根元に「黄色の模様」が入っています。 花自体が黄色だからわかりにくいけど。
アヤメ ( Wikipedia ) は花弁の根元が「 網目状の模様 」になっています。
※ちなみに, 菖蒲湯等に使われるショウブは, ショウブ科に分類される別種の植物。
生息場所
カキツバタは湿地帯、アヤメは乾いたところ、ハナショウブは乾燥地から水辺。
ハナショウブが、どちらにも生息するからややこしい。
大田神社 歴史
鳥居から続く本殿への参道の周りは木々に囲まれ、一歩足を踏み入れると、心地よいマイナスイオンと厳かな雰囲気に包まれてきます。
鳥居付近の青もみじがめちゃくちゃ爽やかで美しい!!
本殿は周りを高い木々で囲まれ、厳かな雰囲気。
大田神社の創建は不明。 この辺りで 一番古い社と考えられています。
昔から農民に長寿福徳の神様として信仰されていたよう。
祭神の ( あめのうずめのみこと ) は天岩戸の前で神楽を舞った神様だから、芸能上達を願って参拝する人が多いようです。
現在は上賀茂神社の摂社です。
タゴガエル
山地や森林内の渓流付近に生息し臆病でデリケートな生き物。大田神社の参道横の溝に生息しています。
タゴガエルの鳴き声 ( YouTube )
石の下で鳴くことが多いから姿は見つけにくい。
声は聞こえど、姿は見えず。
大田神社 アクセス
市バス「上賀茂神社前 ( 青マーク )」バス停から東へ徒歩約8分。
詳しいアクセスを見る
上賀茂神社前バス停へ
京都駅前バスターミナル ( JR中央口前 ) から
JR京都駅の中央口 ( 京都タワー側 ) の前にあるのが, 京都駅前バスターミナル ( pdf )。
四条河原町から
四条河原町バス停 ( pdf ) は, A~Hの合計8か所あります。 行先によって乗車する停留所は違います。
四条烏丸 ( 地下鉄四条駅 ) から
四条烏丸バス停は, A~Gの合計7か所あります。 行先によって乗車する停留所は違います。
※ 京都市バスの掲載内容は, 京都市バス時刻表でご確認ください。 万が一, 間違っていたとしても, 責任は負いかねます。 予めご了承ください。
大田神社 近くの観光スポット
近くの観光スポットを見る
北大路魯山人生誕地
大田神社前に、北大路魯山人生誕地の碑があります。
北大路魯山人は、この上賀茂の地に生れました。
大正十四年 ( 42才 ) に、東京で「岡茶寮」を開設して、仕入れ・調理等に卓越した技量を発揮し、美食家としても世に名を知らしめました。
昭和三十四年 ( 1959 ) 12月 21日、76才で横浜で亡くなり、京都西賀茂の小谷墓地に葬られています。
上賀茂神社 ( 賀茂分雷神社 )
大田神社から徒歩約8分にあるのが, 「上賀茂神社」。
上賀茂神社 は, ユネスコ世界遺産に登録されています。 正式名称は, 賀茂別雷神社 ( かもわけいかづちじんじゃ ) 。 京都三大祭の一つ葵祭 ( 賀茂祭 ) で有名。
上賀茂神社の歴史は古く, はっきりとした創建は判っていないけど, 7世紀末には, すでに有力な神社となっていて, その当時, この辺りを支配していた賀茂氏の氏神を祀っていました。平安京遷都以降は, 国家を護る神社として朝廷から崇敬されました。
御土居
大田神社から徒歩約13分にあるのが, 「御土居」。 加茂川中学校の北側にあります。
御土居とは, 豊臣秀吉が天下統一した後に, 応仁の乱から続いた戦乱で荒れ果てた京都の都市整備の一環として, 外敵の防御 & 水害対策のために建設された土塁のこと。
大田神社 カキツバタ まとめ
近くで見ると花びらがしおれてしまっているカキツバタが多く、若干見頃からは過ぎてしまっていたかも。
ただ、遠目では美しい青紫の風景を見せてもらった。
大田神社のカキツバタがテレビで紹介されたようで、晴天と合わせて多くの人が訪れていた。
紫式部も訪れたかもしれない平安の昔からの美しいカキツバタを楽しみながら、恋のお願いもしてみては (^^)
京都 神社仏閣 関連リンク
京都市 北区 上賀茂本山 340
075-781-0011 ( 上賀茂神社 )
大田神社の参拝は自由 カキツバタ育成協力金 300円/人
※ 参拝時間・受付時間・カキツバタ育成協力金等は変更されることがありますので, 神社にご確認ください。 万が一, 間違っていたとしても, 責任は負いかねます。 予めご了承ください。
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