「 東寺 ( 教王護国寺 ) 」
言わずと知れた新幹線からも見える京都のシンボル 五重塔を有するお寺。 平成六年 ( 1994 ) に世界文化遣産に登録されました。
東寺 真言宗の総本山
平安遷都とともに延暦十五年 ( 796 ) , 羅城門の東に東国 ( 左京 ) の鎮護のために建てられたのが東寺の起こり。
弘仁十四年 ( 823 ) , 空海 ( 弘法大師 ) に与えられ, 名を教王護国寺と改めて真言密教の根本道場となりました。 学僧名僧も多く居住し, 朝廷 ・ 公家 ・ 武家の信仰が厚く, 事あるごとに祈祷法会が行われ, 中世には多くの寺領も寄せられました。
創建後, 度々戦火に巻き込まれましたが, そのつど再建されました。
東寺 五重塔 ( 国宝 )
五重塔は, 寛永ニ十一年 ( 1644 ) , 徳川家光による再建で, 総高約五十五メートル。 現存するものでは, 日本で最も高い木造の塔。
講堂 ( 重要文化財 )
内部には, 大日如来を中心に数多くの仏像が安置され, 平安初期密教美術の宝庫となっています。
真近で見ると, その迫力に圧倒されます。
金堂
薬師如来の他, 数多くの仏像が安置されています。
太子堂 ( 国宝 )
空海の像を祀っていることから御影堂 ( みえどう ) とも呼ばれ, 寝殿造を伝える数少ない遣構としても有名で, 五重塔, 金堂 ( 国宝 ) などの配置も古式を示しています。
これらのほか, 仏像, 絵画, 工芸, 書籍等, 多数の国宝を蔵し, 仏教芸術の宝庫。
東寺の弘法さん
弘法大師に対する庶民信仰も深く, 毎月ニ十一日の弘法大師の命日 ( 御縁日 ) には, 「 弘法さん 」と親しまれる市が開かれ, 数万人の参詣者でに賑わいます。 特に十ニ月の終い弘法には, ひときわ多くの人が訪れます。
毎月菅原道真の命日25日に開催される北野天満宮の「 天神さん 」と並び京都を代表する縁日。
弘法さんの起源
空海の命日が3月21日であることから, 毎月21日に供養の法会が行われるようになったそう。
多くの参拝客を目当てにしたお店が出るようになったのが,「 弘法さん 」の起源といわれています。
五重塔の写真
五重塔の写真を撮るには午後からがオススメ。
私が行ったのは午前中だったけど, 五重塔は東から太陽に照らされるから, 西側の開けた辺りから撮ろうとすると逆光になってしまいます。
五重塔の東側はすぐ横に大宮通が通っているため, 写真を撮るための距離が取れず, 真下からのアップしか取れません。
少し離れても周りの木々が邪魔します。
なので, 五重塔を綺麗にとりたいのなら, 太陽が西に傾きつつある午後のほうが綺麗に撮れます。
東寺 都七福神
毘沙門堂
納経所の西, 御影堂の南に毘沙門堂があります。 都七福神の毘沙門天を祀っています。
毘沙門天は北方の守護神, 仏教を守護する神様で, 毘沙門天を信仰すると十種の福を得るとされています。
東寺 アクセス
近鉄「東寺駅」 から徒歩約5分。
改札を出て右折。 目の前の九条通 ( 東西の通 ) の北側歩道を西へ向かいます。 大宮通 ( 南北の通 ) まで来ると, 五重塔が出迎えてくれます。
ちょっと, 雑学
東寺と西寺
羅城門を中心にして, 東に東寺, 西に西寺 ( 廃寺 ) 。 どちらも, 五重塔を従え, 威容を誇っていました。
実は, 桓武天皇 ( かんむてんのう ) は, 平安京を造るときに, 新しく寺を建立することを禁じました。
なぜかというと, 奈良の平城京から長岡京への遷都の理由のひとつとなった「 仏教勢力が力を持ちすぎないようにするため 」でした。
奈良の平城京でよっぽど懲りたんですね (笑)
ただ例外が, 「 東寺 」と「 西寺 ( 廃寺 ) 」。
この2つのお寺は, 国営の寺院として, 羅城門の東西に, それぞれ右京と左京を護るために建立されたといわれています。
西寺が無くなってしまったのは, 一般的に西寺のあった周辺の水はけが悪く, 住むのに適していなかったことで住民がいなくなったためや, 国からの援助なくなってしまったこと, などが考えられています。ただ, それだけではないかも。
朱雀大路 ( すざくおおじ )
平安京のメインストリート。
ちょうど東寺と西寺の真ん中にあった平安京の玄関口 羅城門から今の千本通御池上ル辺り ( JR二条駅の北側付近 ) にあった朱雀門まで続いていました。
朱雀大路の道幅はなんと84メートル ! !
テニスコートのサイズが, 縦23.77mだから, 3面造ってもまだ余る (笑) どんだけ広いねん ! !
近くの観光スポット
羅城門跡
東寺の南大門から九条通を西へ約400M行った処にあります。 小さな公園の中に, 「 羅城門遺址 」 の石柱が今はひっそりと佇んでいます。
羅城門の復元模型
京都駅の烏丸口に, 羅城門の1/10スケールの模型が設置されています。
羅城門は, 幅約50メートル, 高さ24メートル, 奥行き21メートルと推定。 この門を境に平安京の内外を分けました。
2020年10月 「 明日の京都 文化遺産プラットフォーム 」 という団体が, 羅城門の再建を目指す 「 よみがえる羅城門 」 プロジェクトの基本構想を公表しました。
まだまだ計画の段階だけど, もしできればスゴいですね。
東寺 まとめ
平安京遷都の際に, 西寺と共に創建されたお寺が東寺。
現存する日本で最も高い木造の塔である五重塔や毎月21日に開催される弘法さんなどで有名。
「 都七福神めぐり 」でも知られています。
奈良の平城京では, お寺が政治的にも力を持ちすぎたために, 桓武天皇が平安京に建立することを許したお寺は, 平安京の入口に建てられた東寺と西寺だけでした。
西寺は歴史の流れと共に消え去ってしまったけれど, 東寺は現在も京都の南のシンボル五重塔と共に歴史を紡いでいます。
京都 神社仏閣 関連リンク
所在地 | 京都府 京都市 南区 九条町1 上ル 下ル 西入 東入について |
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電話 | 0 7 5 - 6 9 1-3 3 2 5 |
開門 | 5 : 0 0~1 7 : 0 0 |
拝観時間 | 金堂, 講堂 8 : 0 0 〜 1 7 : 0 0 ( 1 6 : 3 0 受付終了 ) 但し, 3月29日 ( 日 ) から4月5日 ( 日 ) までは, 8 : 3 0 からの拝観。 宝物館, 観智院は, 9 : 0 0 〜 1 7 : 0 0 ( 1 6 : 3 0 受付終了 ) |
拝観料 | 通年公開やライトアップで異なるので, 東寺ホームページ で確認が必要。 |
※ 拝観時間 ・ 拝観料等は変更されることがありますので, 寺院にご確認ください。 万が一, 間違っていたとしても, 責任は負いかねます。 予めご了承ください。
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