八坂神社【をけら詣り】京都大晦日の風物詩の由来,混雑&混雑回避など徹底ガイド!ご神火で叶える無病息災と新年の迎え方
四条通の東の端にあるのが「八坂神社」。
この古都のシンボル的な八坂神社で、毎年大晦日から元旦にかけて執り行われるのが、「をけら詣り」です。
この記事では、八坂神社の「をけら詣り」の魅力と由来、そして実際に参拝する際に知っておきたい「をけら詣り」の流れと作法、混雑&混雑回避等を詳しく案内します。
八坂神社の「をけら詣り」で、新しい年を迎えてみませんか?
八坂神社「をけら詣り」とは

参拝者が「をけら火」と呼ばれるご神火を火縄に移し、自宅まで持ち帰って新年の雑煮を炊く火種にするという、一年の無病息災を願う古式ゆかしい神事。
火が消えないよう、参拝者が火縄をくるくると回しながら歩く姿は、寒空の下、幻想的な京都の年越しの風物詩となっています。
持ち帰った火種で作った雑煮を食べると無病息災といわれています。
ちなみに、燃え残った火縄は火伏せ(火難除け)のお守りとして台所に吊るして祀るのが習わし。
八坂神社「をけら詣り」の様子(YouTube 2022年12月31日 京都新聞)
私も昔やったことがあるけど、なかなか風情のある行事です。

無病息災だったかは忘れた(笑)
この行事も京都らしくて新年を迎えるにふさわしい体験です。
| 日時 | 2025年12月31日 |
| 時間 | 19:30頃~元旦5:00頃 |
| 料金 | 掛け火縄初穂料:1,000円 |
| 電話 | 075-561-6155 八坂神社 |
ご神火「をけら火」とは?
火縄に移す「をけら火」は、単なる炎ではありません。
これは、12月28日の早朝に行われる「鑚火式(きりびしき)」で古式にのっとり火きり臼と火きり杵で切り出された清浄なご神火。
人々の願いが書かれた「をけら木」と共に夜通し焚き続けられ、この火を「吉兆縄」に移して持ち帰ることで、一年間の災厄を除き、無病息災を願います。
火が消えないように縄をくるくる回す光景は、京都の大晦日の風物詩。
祭事の名前の由来:「白朮(をけら)」が持つ意味
「をけら詣り」の名前は、火にくべられる「をけら木」に由来。
この木片には、生薬として用いられる「白朮(びゃくじゅつ)」というキク科の植物の細片が混ぜられています。
白朮を燃やすことで独特の強い匂いが立ち、古くからこの匂いが邪気を祓うと信じられてきました。
この神聖な薬草の力と、清浄なご神火の力を合わせることで、新年の安泰を祈願します。
八坂神社「をけら詣り」の流れと作法
ご神火の点火から吉兆縄の授与まで
- 除夜祭の斎行: 12月31日の午後7時頃から除夜祭が執り行われます。
- ご神火の点火: 除夜祭の後、宮司以下祭員によって境内の「をけら灯籠」にご神火がともされます(午後7時半頃)
- 吉兆縄の購入: 参拝者は、境内や参道で授与されている掛け火縄(初穂料:1,000円)を購入
- 火を移す: 「をけら灯籠」の炎に吉兆縄をかざし、火を掛け火縄に移します
- 持ち帰り: 火が消えないように縄をくるくる回しながら、自宅へと持ち帰ります
持ち帰った「をけら火」の使い道とご利益
くるくる回しながら持ち帰った「をけら火」は、京の家々では非常に大切にされます。
主に、元旦の朝にいただく「大福茶(大福梅を入れたお茶)」や「雑煮」を炊く際の火種とするのが伝統的な習わし。この火で炊いたものを食すことで、一年間、無病息災で過ごせると信じられています。
燃え残った火縄も、そのまま捨てません。火伏せ(火難除け)のお守りとして、台所にお祀りして、火災から家を守るお守りとする風習が残っています。
✓キッチンのあるゲストハウスで宿泊すれば、旅行者でも「をけら詣り」の火種でお雑煮が作れる。


八坂神社「をけら詣り」 混雑&混雑回避
最も混雑するのは、ご神火が灯される午後7時半頃と、年越し辺りの深夜0時前後。
をけら詣りの混雑を回避したい場合は、午後8時以降や初詣もかねて元旦の早朝(午前3時~5時頃)がおすすめ。
年末年始限定の八坂神社の西門前のライブカメラを確認して、できるだけ混雑していないときに八坂神社の「をけら詣り」へ行きましょう
・八坂神社西門前(祇園交差点)
八坂神社について
八坂神社の歴史
飛鳥時代の656年に、高句麗からの渡来人が創建したといわれ、後にその子孫が「八坂」を名乗り、受け継いだといわれています。
ただ、八坂神社という呼び名になったのは明治になってから。
江戸時代まで八坂神社は比叡山延暦寺の末寺でもあったので「祇園感神院 (かんしんいん)」という寺の名前でも呼ばれていました。
つまり神社でもありお寺でもありました。
八坂神社 ご利益
ご利益は、病気平癒・家内安全・試験合格・良縁成就・商売繁昌など。



八坂神社の境内には、たくさんの摂末社があるから上のご利益以外も期待できます(^^)
2,3滴を肌につけると、身も心も綺麗になるという御神水が湧き出ている神社もあり。
八坂神社のお正月:をけら詣り以外の主な祭事
八坂神社では、をけら詣りの他にも新年を寿ぐ祭事が執り行われます。
- 白朮祭(をけらさい): 1月1日5時に執り行われる祭典
- 初能奉納: 1月3日9時より能舞台で行われる、国家安泰などを祈願する儀式的な神事
- かるた始め式:1月3日13時より
これらの祭事にも合わせて足を運ぶことで、京都の伝統的なお正月をより深く感じることができます。
八坂神社 アクセス
・市バス「祇園」バス停から八坂神社の西門まではすぐ
・京阪 「祇園四条駅」 6, 7番出入口から八坂神社の西門まで徒歩約5分
・阪急 「京都河原町駅」 1A, 1B出入口から八坂神社の西門まで徒歩約7分
・四条河原町交差点から八坂神社の西門まで徒歩約9分
詳しいアクセスを見る
大阪方面から
京阪
京阪「淀屋橋駅」・「北浜駅」・「天満橋駅」・「京橋駅」で特急[出町柳 行き] に乗車、「祇園四条駅」下車
⇒京阪 「祇園四条駅」 6, 7番出入口から八坂神社の西門まで徒歩約5分
JR+京阪
JR「大阪駅」で新快速[京都方面 行き] に乗車
⇒「京都駅」下車後、JR奈良線に乗車(JR京都駅が始発)
⇒ひと駅目の「東福寺駅」下車後、京阪本線に乗換、 [出町柳 行き] に乗車
⇒「祇園四条駅」下車、6, 7番出入口から八坂神社の西門まで徒歩約5分
JR+市バス
JR「大阪駅」で新快速[京都方面 行き] に乗車
⇒「京都駅」下車後、京都駅前バスターミナル(京都タワー側)へ
| D2乗場 | 86号系統 清水寺・祇園・平安神宮 行き 206号系統 三十三間堂 清水寺 祇園・北大路バスターミナル行き |
|---|---|
| 下車 | 「祇園」バス停下車すぐで『八坂神社の西門』 |
※ 京都市バスの掲載内容は経年と共に変更される可能性もありますので、京都市バス時刻表で確認してください。万一、間違っていたとしても責任は負いかねます。予めご了承ください。
JR+地下鉄+阪急
JR「大阪駅」で新快速[京都方面 行き] に乗車
⇒「京都駅」下車後、地下鉄「京都駅」から [国際会館 行き] に乗車。
⇒「四条駅」下車後、阪急線に乗換
⇒阪急京都線「烏丸駅」から [京都河原町 行き] に乗車、1つ目の駅の終点「京都河原町駅」下車
⇒1A, 1B出入口から八坂神社の西門まで徒歩約7分
阪急
阪急「大阪梅田駅」で特急[京都河原町 行き] に乗車
⇒終点の「京都河原町駅」下車、 1A, 1B出入口から八坂神社の西門まで徒歩約7分
京都駅から
市バス
JR京都駅の中央口(京都タワー側)の前にあるのが京都駅前バスターミナル
| D2乗場 | 86号系統 清水寺・祇園・平安神宮 行き 206号系統 三十三間堂 清水寺 祇園・北大路バスターミナル行き |
|---|---|
| 下車 | 「祇園」バス停下車すぐで『八坂神社の西門』 |
※ 京都市バスの掲載内容は経年と共に変更される可能性もありますので、京都市バス時刻表で確認してください。万一、間違っていたとしても責任は負いかねます。予めご了承ください。
地下鉄 + 阪急
JR「京都駅」下車後、京都市営地下鉄 烏丸線「京都駅」で [国際会館] 行きに乗車
⇒「四条駅」下車、阪急京都線へ乗換。 [京都河原町] 行きに乗車
⇒ ひと駅目の「京都河原町駅」で下車。1A, 1B出入口から八坂神社の西門まで徒歩約7分
八坂神社 近くの観光スポット
近くの観光スポットを見る
円山公園
八坂神社のすぐ東に広がるのが「円山公園」。
円山公園といえば『祇園枝垂桜』。左右に新しい枝垂桜も従えて一層華やかになりました。以前は祇園枝垂桜だけだったけど、左右に新しい枝垂桜が植えられたことで、いろんな角度から楽しめるようになりました。
花見小路通
八坂神社の西門から徒歩約3分にあるのが祇園の真ん中に横たわる「花見小路通」。花見小路通の四条通から南は石畳風に整備され、道の両側には京風情溢れる街並みが続きます。
「祇園甲部」 と呼ばれる※京都 五花街の中でも一番舞妓さんの在籍数が多く、最大規模の花街の中を通り、お茶屋で有名な一力亭があるのも花見小路通。これぞ京都という知名度が高い通りです。
※ 京都 五花街:祇園甲部・祇園東・宮川町・先斗町・上七軒の五つ。
大和大路通・繩手通
八坂神社の西門から徒歩約4分にあるのが「大和大路通・繩手通」。四条通~五条通からの間の大和大路通の周辺には神社仏閣や観光スポットもたくさんあって見所満載。
仲源寺 (めやみじぞう)
八坂神社の西門から徒歩約4分にあるのが「仲源寺 目疾地蔵」。
本堂に安置されているとても大きな地蔵様の右目が、なぜか赤くなっています。人々の目の病を引き受けて赤くなっているのだといわれています。現在も、眼病治療にご利益があるとして広く信仰されています。
祇園 新橋
八坂神社の西門から徒歩約5分にあるのが「祇園 新橋」。京都らしい街並みと白川、石畳が美しいエリアで、京都市の歴史的景観保全修景地区に指定。巽橋や辰巳神社も祇園 新橋に花を添えています。




八坂神社「をけら詣り」まとめ
どうでしたか。八坂神社の「をけら詣り」。
古都京都で受け継がれてきた「をけら詣り」は、単なるお祭りではなく、日本人が大切にしてきた「無病息災」の願いを火という形で具現化した神事。
大晦日の寒空の下、火縄を回しながら歩く人々。
その一筋の炎には、一年間の感謝と新しい年への希望が託されています。



京都を訪れるなら、ぜひこの珍しく京都らしい風物詩を体感してみてはどうでしょう。
✓キッチンのあるゲストハウスで宿泊すれば、旅行者でも「をけら詣り」の火種でお雑煮が作れる。






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