「 花見小路通 」
「 あなたが最も”京都”を感じる通りはどこですか ? 」 という質問をしたら、
四条通や三条通、河原町通などと共に上位にランクインするのが『花見小路通』ではないでしょうか。
花見小路通を歩く舞妓さんのイメージが頭の中に思い浮かびます。
花見小路通 2つの夜の街
花見小路通の南を望む
花見小路通とは北は三条通と交わるところから、南は建仁寺の北門までの約1kmの南北の通り。
祇園のど真ん中を通っています。
・南は京町家と石畳風の道が続き京情緒が溢れます。
・北は祇園の飲み屋街。 大人の社交場。
花見小路通はどちらも夜の街だけど、四条通の北と南では雰囲気は全く違います。
花見小路通 見どころ ~祇園町南側~
お茶屋で有名な一力亭があるのも祇園町南側。
四条から南の花見小路通の両側に拡がるエリアは,「祇園町南側」と呼ばれています。
やっぱり、花見小路の見どころはここ。
花見小路通の見どころは通りの両側に続く京町家の街並み。 お茶屋さんやオシャレな飲食店が軒を連ねています。
これぞ京都という知名度が高いエリア。
この見どころがあるから一度は花見小路へ足をはこぶのではないでしょうか。
そして、祇園町南側には「祇園甲部」 と呼ばれる※京都 五花街の中でも一番舞妓さんの在籍数が多く、最大規模の花街があります。
※ 京都 五花街 : 祇園甲部、祇園東、宮川町、先斗町、上七軒の五つ。
お茶屋さんも数多くあります。
花見小路通の南端辺りには祇園甲部歌舞練場もあります。
真直ぐ進むと祇園甲部歌舞練場。
ちなみに、画像左側の歴史的な建造物「弥栄会館」の一部を保存活用して、2026年春には帝国ホテルがオープンします。
舞妓さん
祇園町南側は花街でもあるから、本物の舞妓さんが見かけられるのも見どころのひとつ。
でも、オススメは休憩時間の舞妓さん。
舞妓さんの1日のスケジュールは午前はお稽古。 午後は3時位まで休憩。 それから, お化粧や着付けをします。
だから、午後1時~2時位にお出かけする舞妓さんが良く見かけられます。
舞妓さんの迷惑にならないように、最低限のマナーを守って楽しみましょう。
上の写真は花見小路じゃなけど、午後2時位に先斗町で撮ったもの。
ばっちり決めた舞妓さんもいいけれど、普段の着物姿や夏の浴衣姿もめっちゃ魅力的 ! !
一味違う舞妓さんが見かけられるかも (^^)
祇園町南側について
花見小路通の四条通より南側のエリアは, 『祇園町南側』という住所。
ちなみに、花見小路通の四条通より北側は『祇園町北側』です。
通常、京都の住所は「花見小路通四条下ル○○町」という風に『上ル下ル西入ル東入ル』と通り名の後に町名が来るんだけど、祇園町南側は中心部では例外ですね。 通り名が入らず、京都市東山区祇園町南側〇△□番地という住所になっています。
“祇園町南側”という名前を前面に出して特別感を出そうとしているんでしょうね (^^)
ただ、京都でもあまり浸透しているとは思わへんけど。 私も最近まで知りませんでした (笑)
そんなことしなくても花見小路といえば、四条より南側のイメージ。 わざわざ祇園町南側って会話の中で使ったことがない (笑)
同じように、祇園町北側とも言いませんね。 花見小路の四条通から北側に飲みに行けば「祇園へ行ってきた。」って言います (^^)
花見小路通 ちょっと脇道へ
花見小路通の見どころは、その街並みにあるんだけれど、めっちゃ知名度があるから観光客が多い ! !
花見小路通が人で混んでいたら、少し脇道に入るだけで雰囲気はそのままで観光客がグッと少なくなります。
オススメは花見小路通の1本西の「西花見小路通」。
道幅は狭いけど, 同じように石畳風の道と京町家の街並みが続いています。
路地と辻子
このエリアのもう一つの見どころは「路地(ろーじ、ろおじ、ろうじ)」。
上の画像は花見小路通を横道に入ったとある路地。 表札がかかっています。
めっちゃ京都らしい雰囲気 ! !
上で書いたように花見小路通と交わる横道へそれると観光客は少なくなります。
そして、京都らしい「路地と辻子 ( ずし )」 の宝庫 (^^)
“路地”とは隣の通りまで行けない小道で、突き当りが袋小路になっています。
一つの目安として、その路地の入口に奥に住んでいる人の表札があげられている場合が多いですね。
人が住んでいるところだから、路地の奥に入らないようにしましょう。
こっちは, 辻子 ( ずし ) 。
路地のように先が袋小路じゃなくて、隣の通りまで行けるのが”辻子”。
祇園にあるちょっと変則的な辻子。 隣の通りとつながっています。
京町家と京町家をつなぐ通路を屋根代わりにしています。
人が住んでいるところだから、路地の奥に入らないようにしましょう。
花見小路通の歴史
ところで, 祇園を通る花見小路通は明治以降にできた新しい通り。
江戸時代までは四条通まで建仁寺の寺域でした。
京都でも四条河原町のように。たくさんのビルが建つ街並みになったところもあるけど、花見小路の四条通より南側の京都らしい街並みが変わらなかったのには理由があります。
実は、この辺りの土地を所有しているのは祇園の花街組合。
だから個人で勝手に土地を売買することが出来ません。
そのため雰囲気を損なうような建築物は建てられてきませんでした。
現在は祇園町南側地区協議会が業種の規制をしています。
ちなみに、祇園町南側エリアにはアダルト系はもちろん、コンビニやファストフードも出店できません。
これからも歴史的な京都らしい街並みを護っていってほしいですね。
花見小路通が通っている祇園花街の形成
花見小路通が通っているのは祇園のど真ん中。
では、祇園はどのようにできてきたのでしょうか?
江戸時代の初めごろ、祇園社 ( 八坂神社 ) の門前にあった茶店が参拝客や花見客にお茶や団子を提供し始めました。 それが、お茶屋の発祥とされます。
そして、提供するのがお茶だけではなく、お酒も出すようになり、お酒を運ぶ女性が歌舞伎芝居を真似て踊りや三味線を披露するようになりました。 それが、舞妓・芸妓の始まりと言われています。
やがて、舞妓・芸妓をかかえる置屋 ( おきや ) や舞妓・芸妓が派遣されていくお茶屋が拡がってゆき、祇園の花街を形成していきました。
祇園とは
祇園の中心部を通っている花見小路通。
実は「祇園」という地名があるわけではありません。
「祇園」とは、京都市上京区の「西陣」のように、ある特定の地域を示す単なる呼び名なんです。
西は鴨川辺り、東は今の八坂神社の南門辺り、北は古門前通辺り、南は建仁寺辺りまで。
だいたい下の地図の範囲が祇園と考えられています。
花見小路通がめっちゃ混んでいる時のおすすめ
花見小路通は知名度があって京都らしい雰囲気を満喫できる。
ただ、花見小路通は人が多い!!
観光客が多くてどうしようもない時もあります。
そんなときのオススメは, 「宮川町通」。
花見小路通の南端辺りからも徒歩約3分で行けるし、京阪「祇園四条駅」 1番出口からも徒歩約10秒の近さ!!
同じように石畳風の道が続き、京町家の街並みが楽しめます。 もちろん宮川町の花街を通っています。
まず花見小路通へ行ってみて、観光客がめっちゃ多いようなら宮川町へ行ったほうがいいかも。
観光客の少なさに驚くと思います。
知名度が一番高いところよりも、それ以外でも十分同じくらいに楽しめて、満足度が高いっていうことはよくあることですよね。
花見小路通周辺オススメのお店
オススメのお店を見る
祇園 いわさ起
花見小路通からわき道にはいった先にあるのが, 「 祇園 いわさ起 」。隠れるように佇んでいます。
祇園の名店で長年腕を磨いた店主が繰り出す逸品の数々。
厳選した素材はもちろんのこと, 旬の味覚を取り揃え, 利用シーンに合わせた京料理を提供。
祇園たけうち 詳細
花見小路通りにある祇園甲部歌舞練場の東にあるのが, 「 祇園たけうち 」。
季節に合わせた素材重視の料理を提供。
毎日の仕入れで一番新鮮なものを使ったおまかせメニュー。
祇園 又吉の詳細
花見小路の隣 西花見小路にあるのが, 「 祇園 又吉 」。
老舗旅館で料理長を務めた店主が腕を振るう京料理は, 素材本来の味わいを堪能できる一品一品。
野菜から調味料にいたるまで無農薬のものを積極的に使用し, 特注の器に盛りつけ目でも楽しめるのが自慢。
祇園みずおか詳細
花見小路の隣 西花見小路にあるのが, 「 祇園みずおか 」。
京料理の伝統を守りつつ枠に囚われない懐石料理を堪能できます。
祇園 岩元の詳細
花見小路通からすぐのところにあるのが, 「 祇園 岩元 」。
坪庭を眺めながることのできる窓際のカウンター席, 個室も多数あり。
旬の食材や近江姫和牛の炭火焼を楽しむ本格京料理がいただけます。
花見小路通 アクセス
京阪「祇園四条駅」6番出口から徒歩約2分
阪急「京都河原町駅」1B出口から徒歩約4分
四条通の南側の歩道を八坂神社の方向 ( 東 ) へ歩いていけば、右側 ( 南側 ) に石畳風の花見小路通。
花見小路通 近くの観光スポット
近くの観光スポットを見る
祇園 新橋
花見小路通と交わる新橋通を西へ30秒歩くと「祇園 新橋」。駅近くで京都らしさが満喫できる人気のエリア。写真の巽橋や辰巳神社、京都らしい町並みが迎えてくれます。
大和大路通 ・ 繩手通
四条花見小路の交差点から西へ徒歩約1分にあるのが「大和大路通・繩手通」。四条通~五条通からの間の大和大路通の周辺には神社仏閣や観光スポットもたくさんあって見所満載。
建仁寺
花見小路通の南端が建仁寺の北門。
建仁二年 ( 1202 ) 、創建時の元号から「建仁寺」と名付けられました。日本に禅宗をもたらした明庵栄西 ( みんなんようさい ) が初代住職。
八坂神社
四条花見小路の交差点から徒歩約2分にあるのが「八坂神社」。
八坂神社という呼び名になったのは明治になってから。江戸時代まで八坂神社は比叡山延暦寺の末寺でもあったので「祇園感神院 ( かんしんいん )」という寺の名前でも呼ばれていました。つまり神社でもありお寺でもありました。
八坂神社のお祭なのに八坂祭じゃなくて『祇園祭』 といわれるのは明治以前の呼び名が関係しています。
仲源寺 ( 目疾地蔵 めやみじぞう )
四条花見小路の交差点から徒歩約1分にあるのが「仲源寺 ( 目疾地蔵 )」。
仲源寺 ( 目疾地蔵 ) には右目が赤い地蔵尊像が安置され、人々の目の病を引き受けて赤くなっているのだといわれています。現在も眼病治療にご利益があるとして広く信仰されています。
宮川町
花見小路通から徒歩約4分にあるのが「宮川町通」。
花見小路通四条下ル ( 花見小路通 ) よりも格段に人混みが少なく、宮川町通の両側にお茶屋さんが軒を連ね、京都らしい雰囲気が満喫できます。
京都えびす神社
花見小路通の南端から徒歩約5分にあるのが「京都えびす神社」。
初詣が終わった後の京都の1月の風物詩と言えば、京都えびす神社の「十日ゑびす大祭」。毎年、1月8日~1月12日に行われています。福娘だけではなく。舞妓さんがいるところが京都らしい。
「十日ゑびす」 の5日間の中で11日の残り福の時だけ、祇園甲部と宮川町の舞妓さんが来て福を授けるお手伝いをします。
摩利支天
花見小路通の南端から徒歩約5分にあるのが「摩利支尊天堂」。
摩利支天は陽炎 ( かげろう )を神格化したもの。陽炎はゆらゆらと揺らめく幻なので、実体がなく捕えることができない。ということから、日本では多くの武士が守護神として信仰しました。
花見小路通 まとめ
花見小路通は駅から近く、京都らしい街並みが続く祇園甲部の花街の真ん中を通り、運が良ければ舞妓さんも見られるとあって、とっても人気のある通り。
インバウンドの増加で、初めて京都を訪れる外国人観光客には必須の訪問先になっているよう。
そのため、残念ながら多くの観光客で溢れ、京都らしい静かな雰囲気が薄れてしまっています。
舞妓さんは見られないけど、静かに花見小路通を楽しみたいなら、早朝に行くしかないようですね。
そして、舞妓さんを見たいのなら、花見小路だけじゃなくて、宮川町や先斗町もオススメ ! !
コメント
コメント一覧 (2件)
路地(ろーじ)やのぉて、路地(ろぉじ)どすぅう
いんどん 様
閲覧そして投稿、ありがとうございます。
また、ご指摘ありがとうございました。
Wikipediaで調べたところ、
路地(ろーじ、ろおじ、ろうじ)とします。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%AC%E9%83%BD%E5%B8%82%E5%86%85%E3%81%AE%E9%80%9A%E3%82%8A
地割の内部にアクセスするため、路地(「ろーじ」と発音される[13])が作られる。多くは袋小路で、表の通りから路地への入り口には、門が設けられたり住民の表札が掲げられたりすることがよくある。
13.改訂版『京都・観光文化検定試験公式テキストブック』 (2005), p. 252 – 253
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B7%AF%E5%9C%B0
京都や滋賀などでは「ろおじ」と発音する
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%82%E3%81%98%E3%81%8D%E8%B7%AF%E5%9C%B0
あじき路地(あじきろうじ[1]、あじきろおじ[2])は、京都府京都市東山区にある長屋である。
1.“清水五条駅 あじき路地”. 日本テレビ (2013年1月5日). 2014年1月9日閲覧。
2.^ 岡見理沙「週刊まちぶら あじき路地(東山区) 町家が育む、若手職人」『朝日新聞』2010年(平成22年)10月17日付32面(京都)
これからもよろしくお願いします。
Kei