「 祇園 」
最も京都らしい雰囲気が感じられる場所のひとつが, 祇園の花見小路通 ( 南北の通り ) ではないでしょうか。
花見小路通の四条通から南は, 道が石畳風に整備され, 両側には趣のある京町家が軒を連ねています。
インバウンドの観光客が多い時には歩きにくいこともしばしば。
祇園とは ?
祇園中心部の花見小路通にも店名に祇園 ○○ とつけているお店があるけど、実は「祇園」という地名があるわけではありません。
「祇園」とは京都市上京区の「 西陣 」のように, ある特定の地域を示す呼び名なんです。
祇園の範囲
明治以前、八坂神社は「祇園社」といわれていました。
そして、当時祇園社の境内は西は鴨川辺り、東は今の八坂神社の南門辺り、北は古門前通辺り、南は建仁寺辺りまで。
現在、祇園というエリアのはっきりとした線引きはないけど、だいたい当時の祇園社境内を含む範囲を「祇園」と呼ぶようになりました。
祇園町南側
最初に「祇園という地名はない。」という話をしたけど、花見小路通の四条通より南側の京都らしい街並みが広がるエリアは『祇園町南側』というちょっと不思議な住所。
通常、京都の住所は「花見小路通四条下ル○○町」という風に『 上ル下ル西入ル東入ル 』と通り名の後に町名が来る。
祇園町南側は中心部では例外ですね。
通り名が入らず、京都市東山区祇園町南側□□番地という住所になっています。
“祇園町南側”という名前を前面にアピールして特別感を出していますね (^^)
祇園 花街としての歴史
江戸時代の初めごろ、祇園社(八坂神社)の門前にあった茶店が参拝客や花見客にお茶や団子を提供し始めました。
それが お茶屋の発祥とされます。
そして、提供するのがお茶だけではなく、お酒も出すようになり、お酒を運ぶ女性が歌舞伎芝居を真似て踊りや三味線を披露するようになりました。
これが、舞妓・芸妓の始まりといわれています。
やがて、舞妓・芸妓をかかえる置屋や舞妓・芸妓が派遣されていくお茶屋が拡がってゆき、祇園の花街を形成していきました。
※京都 五花街:祇園甲部・祇園東・宮川町・先斗町・上七軒の五つ。
祇園 花見小路通 2つの顔を持つ夜の街
花見小路通の南を望む
花見小路通とは北は三条通と交わるところから、南は建仁寺の北門までの約1kmの南北の通り。
四条通を境として、南は京町家と石畳風の道が続き京情緒が溢れます。
北はクラブやスナックなどがたくさんある祇園の飲み屋街。
花見小路通は、どちらも夜の街だけど四条通の南と北では雰囲気は全く違います。
ところで、祇園を通る花見小路通は明治以降にできた新しい通り。
江戸時代までは四条通まで建仁寺の寺域でした。
京都でも四条河原町のように、たくさんのビルが建つ街並みになったところもあるけど、花見小路通の四条通より南側の京都らしい街並みが変わらなかったのには理由があります。
実はこの辺りの土地を所有しているのは 祇園の花街組合。
だから個人で勝手に土地を売買することが出来ません。
そのため雰囲気を損なうような建築物は建てられてきませんでした。
現在は祇園町南側地区協議会が業種の規制をしています。
ちなみに、祇園町南側エリアにはアダルト系はもちろん、コンビニやファストフードも出店できません。
祇園 花見小路通 アクセス
四条花見小路の交差点までは、
京阪「祇園四条駅」6番出入口から徒歩約2分
阪急「京都河原町駅」1B出入口から徒歩約4分
祇園 花見小路通 近くの観光スポット
祇園 花見小路通 近くの観光スポット
祇園新橋
花見小路通と交わる新橋通を西へ30秒歩くと「祇園新橋」。 駅近くで京都らしさが満喫できる人気のエリア。 巽橋や辰巳神社, 京都らしい町並みが迎えてくれます。
大和大路通 ・ 繩手通
四条花見小路の交差点から西へ徒歩約1分にあるのが「大和大路通・繩手通」。 四条通~五条通からの間の大和大路通の周辺には神社仏閣や観光スポットもたくさんあって見所満載。
建仁寺
建仁二年(1202)、創建時の元号から 「建仁寺」 と名付けられました。 日本に禅宗をもたらした明庵栄西(みんなんようさい)が初代住職。
八坂神社
四条花見小路の交差点から徒歩約2分にあるのが「八坂神社」。
八坂神社という呼び名になったのは明治になってから。 江戸時代まで八坂神社は比叡山延暦寺の末寺でもあったので「祇園感神院(かんしんいん)」という寺の名前でも呼ばれていました。つまり、神社でもありお寺でもありました。
仲源寺(目疾地蔵 めやみじぞう)
四条花見小路の交差点から徒歩約1分にあるのが「仲源寺(目疾地蔵)」。
仲源寺(目疾地蔵)には右目が赤い地蔵尊像が安置され、人々の目の病を引き受けて赤くなっているのだといわれています。 現在も眼病治療にご利益があるとして広く信仰されています。
宮川町
花見小路通から徒歩約4分にあるのが, 「 宮川町通 」。
花見小路通四条下ル ( 花見小路通 ) よりも格段に人混みが少なく, 宮川町通の両側にお茶屋さんが軒を連ね, 京都らしい雰囲気が満喫できます。
京都えびす神社
花見小路通の南端から徒歩約5分にあるのが「京都えびす神社」。
初詣が終わった後の京都の1月の風物詩と言えば, 京都えびす神社の「十日ゑびす大祭」。 毎年、1月8日~1月12日に行われています。 福娘だけではなく、舞妓さんがいるところが京都らしい。
「十日ゑびす」の5日間の中で、11日の残り福の時だけ、祇園甲部と宮川町の舞妓さんが来て福を授けるお手伝いをします。
摩利支天
花見小路通の南端から徒歩約5分にあるのが「摩利支尊天堂」。
摩利支天は陽炎(かげろう)を神格化したもの。 陽炎は、ゆらゆらと揺らめく幻なので、実体がなく捕えることができない。 ということから、日本では多くの武士が守護神として信仰しました。
祇園 花見小路通 近くのグルメ
祇園 まとめ
祇園という言葉の持つ響きは、京都の中でも特別。
「先週、祇園に飲みに行ってきた。」っていうと「おっ、高い店に飲みに行ったんかな。」なんて思ってしまいます(^^)
ちょっとお高い店は、みんな店名に「祇園」ってつけたがる (笑)
そして、祇園=花街&舞妓さんや芸妓さんというイメージ。
一見さんお断りのシステムも手伝って、普段見ることのできない遠い世界のことのようでもあります。
だから、京都の好きな人は憧れに似た感覚を持つのではないでしょうか。
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