「 先斗町 ( ぽんとちょう ) 」
京都らしい街並みが楽しめる場所といえば, 花見小路や祇園新橋と共にあげられるのが,「先斗町」。
花街だから本物の舞妓さんもよく見かけます。
四条河原町からも近く, 繁華街のど真ん中。 京阪「 祇園四条駅 」, 「 三条駅 」, 阪急「 京都河原町駅 」からもすぐ ! !
手軽に京風情溢れる街並みが楽しめるオススメのスポットです ! !
先斗町とは

先斗町( ぽんとちょう )という実在の町名があるわけではなく, 先斗町通沿いのことか, 花街としての先斗町のことをさします。
狭い道の両側には京都らしいお店が軒を連ねています。
そして, 先斗町は京都 五花街のひとつだから, お茶屋さんが何軒もあります。
京都 五花街 : 先斗町, 祇園甲部, 祇園東, 宮川町, 上七軒の五つ。
鴨川と木屋町通の間にあって, 龍馬通 ( 三条通の1本南の通り ) から四条通までの南北約500メートルが「 先斗町通 」。
先斗町の由来

諸説あります。
- 東が鴨川 ( 皮 ) , 西が高瀬川 ( 皮 ) と, 2つの川 ( 皮 ) に挟まれていることから, 鼓 ( つづみ ) に例えられ, 叩くと 「 ぽん 」 と音が鳴ることから。
- カルタ賭博などで, 真っ先に金を賭けるの意味から。
- 後と先に分けず, 先だけに賭けるという意味から。
以前は, ポルトガル語のポントからきているっていう説があったけど, 最近の広辞苑では削られました。

ポントが削られた理由をさらに詳しく
10年ぶりに改訂された広辞苑で, 先斗町( ぽんとちょう, 京都市中京区 )の語源とされるポルトガル語由来の 「 ポント 」 の説明が変更された。 編さん者だった国語学者, 新村出 ( しんむらいずる ) の説が一部削除され, 京都地名研究会の会員が2015年に著書で主張した新説の内容が追加された。
発行元の岩波書店によると, ポントの項目が大幅改訂されるのは1955年の初版以来初めてという。
京都帝国大教授だった新村は大正14年に京都日出新聞に掲載した 「 ぽんと町称呼考 」 で, 「 先 」 を意味するポルトガル語の 「 ポンタ 」 が変化し, 鴨川に付き出した州崎地である先斗町の地名になったとした。
こうした新村の考えを反映し, 広辞苑の 「 ポント 」 では「(1)州崎の意。 ( -町 )」としてきた。
今回の改訂でこの部分が削られた。 (2)として続く 「 カルタ賭博などで, 真っ先に金を賭ける意か 」 との説明は残り, 新たに 「 また, 後と先に分けず先だけに賭ける意とも 」 という文が加わった。
追加内容は, 元銀行員で京都地名研究会会員の杉本重雄さん(67)= 大阪府千早赤阪村 = が自費出版した 「 先斗町地名考 」 で打ち出した。
杉本さんは江戸期の文献で 「 ポントに張る ( 賭ける ) 」 という用例を複数確認し, 遊興地でカルタ賭博が盛んだったとみられる先斗町を指す言葉として定着したと推察。
さらに, ポントはカルタ賭博で 「 先ばかり(に賭ける)」 を意味するようになり, 鴨川の岸の 「 先ばかり 」 に軒が連なる立地に合わせ, 「 先 」 と 「 ばかり ( 斗 ) 」 の漢字が当てられたと唱えた。
京都新聞 2018年1月24日
先斗町の歴史

江戸時代初期に, 鴨川の護岸工事で埋め立てられた場所が先斗町の始まり。
始めは, 伏見と京都を行き来する高瀬舟目当てで営業していたけど, 安政6年 ( 1859 ) 認可を得て, 花街として歩み始めました。
路地 & 辻子 ( ずし )


“路地”とは, 隣の通りまで行けない小道で, 突き当りが袋小路になっています。


向こうに見えるのが, 木屋町通。
路地のように先が袋小路ではなくて, 隣の通りまで行けるのが ”辻子” 。
先斗町は西隣の木屋町通と30m位しか離れておらず, 2つの通りを繋ぐ京都らしい細い道がたくさんあります。
この路地と辻子を歩いてみるのも, 京都らしい体験。

ドキドキ, ワクワク, なんか探検しているような雰囲気を味わえます (^^)


先斗町歌舞練場


先斗町通の北の端にあるのが 「 先斗町歌舞練場 」。
毎年5月1日 ~ 5月24日には, 「 鴨川をどり 」 が開催されます。
先斗町公園


先斗町通の中央付近にある小さな公園。
小山があって, 春には早咲きの枝垂桜やソメイヨシノが楽しませてくれます。
鴨川納涼床


先斗町東側のお店が設置している鴨川納涼床の眺め。
東側にある飲食店の中には, 5 / 1 ~ 9 / 30の期間中に, 京都の夏の風物詩 鴨川納涼床を出すお店もあります。
先斗町 アクセス
【四条先斗町へは】
阪急「 京都河原町駅 」1A出口から徒歩約30秒。 京阪「 祇園四条駅 」4番出口から徒歩約1分
【先斗町の北端へは】
京阪「 三条駅 」6番出口から徒歩約3分。
先斗町のお店
近くの宿泊施設


近くの観光スポット
木屋町通
先斗町通の西側にあって, 30m位しか離れておらず, 2つの通りを繋ぐ京都らしい細い道がたくさんあります。
木屋町通周辺は, 幕末関係の史跡がいっぱい。 三条木屋町周辺だけでも, 佐久間象山 ・ 大村益次郎遭難の地, 池田屋跡 ( 池田屋事件 ) , 坂本竜馬の寓居跡 などがあります。
三条大橋 歌川広重の三条大橋は想像だった ? !
日本で最初に架けられた石柱の橋が, 三条大橋。新選組がその名を挙げた池田屋事件の時についた乱闘の刀傷も残っています。
歌川広重の東海道五拾三次「 京師三条大橋 ( Wikipedia ) 」は, 大変有名だけど, 歌川広重は実際には京都へ行っていないのではないか? と疑う説もあり。
瑞泉寺 豊臣秀次の墓 悪人イメージは作り話 ? !
三条木屋町の交差点から南へすぐのところにあるのが, 豊臣秀次のお墓がある「 瑞泉寺 」。 悪人のイメージが定着している豊臣秀次だけど, 本当は, ちょっと違うかも。
近くのグルメ
京都ダイニング 正義
先斗町の北端から徒歩約1分30秒にあるのが, 「 京都ダイニング 正義 」。
お手軽な料金でステーキが食べられるだけではなく, リノベーションされた築150年の数寄屋造りの京町家で食事ができるので, +αの雰囲気の良さを楽しめます。
近くのラーメン屋
ラー麺ずんどう屋 京都三条店
先斗町の北端からすぐにあるのが, 「 ラー麺ずんどう屋 京都三条店 」。 姫路が発祥の豚骨ラーメン屋。
少しこってり感アリだけど, 非常にマイルドな味わい。 口の奥辺りに, まったりと, まとわりつくようなスープなのに, ひつこさや嫌らしさは, ほとんどなし。 美味しいです ! !
ラーメン大中 BAL横店
ショッピングビルの京都BALの南, 南車屋通木屋町西入にあるのが, 「 ラーメン大中 BAL横店 」。 特濃は, 「 こってり 」好きには, 特にオススメ!! 豚骨と鶏ガラを24時間炊き続けてスープを取っているそうで, 2つの複雑なハーモニーを楽しめます。
名前, 看板はございません
先斗町の北端から徒歩約3分にあるのが, 「 名前, 看板はございません 」。
本当に, 看板はございません (笑)
強めの煮干しの風味と鶏ガラを煮込んだスープが美味しいラーメン。 麺も旨いです。
麺匠 一粒万倍 ( いちりゅうまんばい )
南大黒橋通木屋町西入にあるのが, 「 麺処 一粒万倍 」。 醤油の適度なコクとキレ, そして, 控えめに感じる油分が心地よいスープ。麺とメンマが美味しかったから, 「 つけ麺 」 や 「 まぜそば 」 の好きな人には特にオススメかも。
先斗町 まとめ


先斗町は大好きだから, 機会があれば通っています。
京風情のある狭い道を歩いていると, 風鈴の涼やかな音色と共に, 三味線を練習する音が聞こえてきたりします (^^)
太秦 ( うずまさ ) と一緒で, 知名度があるから知っているけど, 初めて見たらまず読めないのが, 先斗町(ぽんとちょう)。
先斗町もそうだけど, 京都には他にも珍しく, 変わった由来の地名や通りもあります。
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