「 三条通 蹴上~三条大橋 」
三条通は, 四条通や五条通と並んで京都の東西のメインストリートのひとつ。
三条通りは長いから, 今回は「 三条通の蹴上~三条大橋 」を見ていきます。
三条通とは
三条通は東は京都市山科区の四宮辺りから, 西は嵐山の観月橋まで続いている約15kmの長ーーーーい通り。
周辺には見所がいっぱいで, 河原町三条付近の繁華街を突っ切り, 地元民御用達の三条会商店街も通っています。
私も大好きな通り ! !
三条通を歩きながら, 周辺にある観光スポットを見て回るのも面白い。
お腹がすけば三条通の近くにあるグルメで舌鼓。
さあ, 三条通の散策を始めましょう ! !
三条通 蹴上~三条大橋 MAP
この区間の三条通は, 蹴上 ( けあげ ) 付近から昔の東海道の始点終点だった三条大橋まで続いていきます。
それでは, その三条通を蹴上付近から見ていきましょう。
三条通 蹴上辺り
写真奥が京都中心部。 真直ぐ行くと仁王門通。 左にカーブしているのが三条通。
京都市山科区を走る三条通は, 京都市東山区へ入る前に一旦九条山を登り, 降りてきます。
そして, 上の画像の仁王門通と二股に別れる辺りを「 蹴上 ( けあげ ) 」といいます。
京都は珍しい地名が多いけど, この「蹴上」というのもまた然り。 他にはないでしょう (笑)
蹴上 ( けあげ ) 2つ由来
平安時代後期, 16歳の牛若丸 ( 源義経 みなもとのよしつね ) が, 京の都から奥州へ旅立つ時のこと。
この辺りで, 平家の関原与一ら九人とすれ違い, その中の1人の乗っていた馬が「 蹴り上げた 」泥水が義経にかかったことがきっかけで, 乱闘になり, 全員切り殺してしまったことが,「 蹴上 ( けあげ ) 」の由来になったという説。
打倒平家を胸に秘めていたから, 余計に腹が立ったんでしょうね。
蹴上から東へ向かうとき九条山を超えて, 山科へ向かいます。
その昔, この九条山に粟田口刑場があり, 一説には嫌がる罪人を「 蹴り上げて 」刑場まで連れていったというエピソードから名付けられたとか。
これは, 「縄手通」のエピソードと似ていますね。
ちょうど, 九条山の信号の西側辺りが粟田口刑場のあった辺り。 白い説明版があります。
そして、この九条山の粟田口刑場の近くにあるのが京都市山科区にある『日ノ岡ホッパラ町』。
粟田口刑場で処刑された罪人の遺体を「ほっぽらかして」いたことが由来です。※諸説あり
山科区住人から教えてもらった。カタカナの町名は珍しいですね。
関西で「ほっといて。」っていえば主に「捨てといて」の意味。この場合は「そのままにしておく」ではありません。
蹴上もそうだけど, 京都には他にも珍しく, 変わった由来の地名や通りもあります。
蹴上義経地蔵
牛若丸が切り殺した九人の菩提を弔うために村人が九体の石仏を安置しました。
また, 一説には, 我に返った義経が, 自分のしてしまったことを悔やみ, 村人に頼んで九人の菩提を弔うように頼んだともいわれています。
ここに九体の内の一体が祀られています。
蹴上周辺の観光スポット
蹴上周辺の観光スポット
蹴上浄水場のツツジ
蹴上には, 京都市の浄水場があって, GWの頃, 一般に解放されています。
山の斜面に沿って植えられたツツジはめっちゃ綺麗。
南禅寺
地下鉄東西線「蹴上駅」1番出入口から徒歩約8分で南禅寺。
桜や紅葉の時期には, たくさんの観光客で賑わいます。
インクラインの桜
地下鉄東西線「 蹴上駅 」1番出入口から徒歩約3分でインクライン。
桜が綺麗なスポットとして有名。
インクライン
ちょうど, 義経地蔵のそばにあります。
下の図で「 蹴上船溜 」辺り。
日向大神宮 ( ひむかいだいじんぐう )
地下鉄東西線「 蹴上駅 」1番出入口から徒歩約12分の山に囲まれたところにあるのが,「日向大神宮」。
京都にある神社とは全く別物の厳かな雰囲気に満ちています。
京都にいながらにして, 伊勢神宮へお詣りに行った気分にもなれます (^^)
三条通 神宮道辺り
この辺りは閑静な住宅街。
高い建物はなく, 三条通から一筋南と北へ入ると, めっちゃ静かで落ち着いた町並みに出会えます。
なぜ「 神宮道 」という名前なのかは, ここから真っ直ぐ北へ行くと『 平安神宮 』があるから。
蹴上のインクライン付近から流れが始まる琵琶湖疏水と交わるところには, 超巨大な朱色の鳥居が建っています。
神宮道周辺の観光スポット
神宮道周辺の観光スポット
平安神宮
神宮道の交差点から徒歩約8分で,「 平安神宮 」。 明治28年 ( 1895 ) 4月1日に平安遷都1100年を記念して創建。 祭神は, 平安京へ遷都を実行した桓武天皇と※孝明天皇。
※ 第121代天皇で, 幕末の変動期に在位。
桜の時期には, 美しい紅枝垂れ桜と庭園のコラボが見事な風景を見せてくれます。
岡崎疎水沿いの桜
神宮道の交差点から徒歩約4分で,「 岡崎疎水沿いの桜 」。
琵琶湖疎水沿いに桜が咲いています。 水際の桜は特に美しいですよね。 疎水沿いの桜と平安神宮の大鳥居とのコラボ写真は, オススメの構図。
青蓮院
神宮道の交差点から徒歩約2分にあるのが,「 青蓮院 」。 毎年、春の花灯路の夜間特別拝観は, 青の煌めきが美しい。 また, 「 築山泉水庭 」,「 霧島の庭 」など, 様々な庭を満喫でき, 四季の彩りを楽しむことができます。
粟田神社
粟田神社は, 三条大橋から江戸へと続く東海道 ( 現在の三条通 ) のそばにあることから, 東海道を行き来する旅人から旅の安全を祈って, 厚い信仰を集めました。
毎年体育の日に行われるのが, 「 粟田祭 」。 祇園祭の鉾の原型とも言われる剣鉾 ( けんぼこ ) が三条通や神宮道周辺の氏子地域を巡航します。
剣鉾の先に取り付けられた鈴を鳴らしながら巡航する様は, 一見の価値あり。
岡崎文化エリア
大鳥居の横にあるのが, 「 京都国立近代美術館 」。
神宮道の交差点から平安神宮へ向かう途中, 琵琶湖疏水を渡って朱色の大鳥居があるところには, 京都国立近代美術館や京都市京セラ美術館, そして, 東には京都市動物園もあります。
三条通 東大路辺り
江戸から東海道を上るとき, いよいよもうすぐ東海道の終点 三条大橋という地点。
繁華街の匂いも出てくる辺り。
三条東大路の交差点から南へ下がると祇園・八坂神社の西門があります。
三条東大路周辺の観光スポット
三条東大路周辺の観光スポット&グルメ
古川町商店街 ( ふるかわちょうしょうてんがい )
三条東大路交差点から徒歩約20秒にあるのが, 「古川町商店街」。
昔ながらのほっこりする商店街。 その昔は, 東の錦と呼ばれました。 ゆったりと昭和の雰囲気漂う商店街を散策してみるのもよし。
明智光秀の塚
三条東大路交差点から徒歩約5分にあるのが, 「明智光秀の塚」。
明智光秀は, 羽柴秀吉との天下分け目の天王山の戦いに敗れ, 近江の坂本城へ逃れる途中に, 小栗栖の竹藪で, 最期を遂げたといわれています。その後, 家来が光秀の首を落とし, 知恩院の近くまで来たけど, 夜が明けてきたため, この地に首を埋めたといわれています。
満足稲荷神社
三条東大路交差点から徒歩約1分にあるのが, 「満足稲荷神社」。
豊臣秀吉が, 出世を祈願し, それが叶えられたことから, 「 満足稲荷 」と命名されたそう。
大将軍神社 ( 東三條社 )
三条東大路交差点から徒歩約2分にあるのが, 「大将軍神社」。 桓武天皇が平安京を造営した際に, 大内裏鎮護のために四方四隅に祀られた大将軍神社のうちの東南隅が, 「 大将軍神社 ( 東三條社 ) 」。
特に平安京の東の端に当たるこの地は, 東からの道が入ってくる “三条口” の要衝で, 邪悪な霊の侵入を防ぐ意味でも重要視されてきました。
近くのグルメ
山梨製餡
三条東大路交差点から徒歩約1分にあるのが, 「 山梨製餡 」。
山梨製餡のあんこは, とても優しい味わいで, 上品で控えめな甘さ。 それでいてしっかりと大豆の旨味も感じられます。 美味しいです !
マルシン飯店
三条東大路交差点から徒歩約1分にあるのが, 「 マルシン飯店 」。
TV番組等で紹介されたこともあるマルシン飯店の 「 天津飯 」。 とろみがかった餡は, 口当たりが滑らか。 醤油の濃い味付けではなく, 鶏ガラを効かせた上品で優しい味わい。 めっちゃ旨い ! !
祇園白川ラーメン
三条東大路交差点から徒歩約3分にあるのが, 「 祇園白川ラーメン 」。 京都では珍しい 「 味噌ラーメン 」 で勝負するお店。 他にもメニューはあるけど, 味噌ラーメンは, 特にオススメ。
三条大橋東詰 ( 三条川端 )
江戸から京都へ上ってきた時の東海道の終点「 三条大橋 」の東詰。
私が学生の頃, ここからもう少し東の辺りには, まだ京阪電車 ( けいはんでんしゃ ) の京津線 ( けいしんせん ) が地上を走っていて, 三条通にレールが引いてありました。
今は, どうかわからないけど, その頃の三条での待ち合わせ場所は,「 高山彦九郎 」の像。
京都御所に向かって拝礼しています。
※土下座ではない。 若い頃は誤解していたけど。
三条通 蹴上~三条大橋 まとめ
蹴上 ( けあげ ) 辺りから三条通を歩いてくると, 三条大橋に近づくにつれて, ビルが増えてきて, 繁華街の雰囲気になっていきます。
この区間には, 南禅寺や粟田神社, 平安神宮, 青蓮院, 岡崎の文化エリアにも程近く, 観光の見所がいっぱいです。
コメント