「 日向大神宮 ( ひむかいだいじんぐう ) 」
伊勢神宮までいけない人が手軽にお詣りできることから, 京のお伊勢さんと呼ばれています。
京都にいながらにして, 伊勢神宮へお詣りに行った気分になれる (^^)
日向大神宮 境内
手水舎の横にある階段を登って鳥居をくぐると, 山に囲まれた境内が姿を現します。
周りを山に囲まれ, 静かにひっそりと佇んでいます。 境内に一歩足を踏み入れると, 別世界のような厳かな空気が漂います。
京都のどの神社とも違う雰囲気。
内宮 ( ないく ) 上ノ本宮 ( かみのほんぐう )
外宮 ( げく ) を過ぎて, 勾玉池の上に架かる橋を渡って内宮へ。
祭神は, 天照大御神 ( あまてらすおおみかみ ) 。
そして, 宗像三女神の多紀理毘売命 ( たぎりひめのみこと ) , 市寸島比売命 ( いちきしまひめのみこと ) , 多岐都比売命 ( たぎつひめのみこと ) 。
この三女神は, 海や陸のあらゆる道の最高神としては崇められています。 そして, 芸能や財福の神様。
現在の本殿は, 神社保存の文書などから18世紀にはすでに建っていたことがわかっています。 京都市内では数少ない※神明造本殿として非常に貴重。
※日本の神社建築様式の1つで, 伊勢神宮に代表される神明造は, 出雲大社に代表される大社造や住吉大社に代表される住吉造と共に, もっとも古い神社建築様式。 ( Wikipedia )
外宮 ( げく ) 下ノ本宮 ( しものほんぐう )
祭神は,邇邇藝命 ( ににぎのみこと ) と,天之御中主神 ( あめのみなかぬしのかみ ) 。
男の神様 ? 女の神様 ?
日向大神宮の内宮は見えにくいけど, 外宮はよくわかる。 何かというと, 屋根の上。
神社では, 神様をお祀りしているけど, 女性と男性がいますよね。 これ, 屋根の上を見るとお祀りしている神様の性別がわかります。
千木 (ちぎ ) ・ 鰹木 ( かつおぎ )
俗説といわれているけど, 千木が地面と垂直にカット ( 外削ぎ そとそぎ ) されていたら男の神様。 千木が地面と水平にカット ( 内削ぎ うちそぎ ) されていたら女の神様。 上の写真は, 垂直にカットされているから, 男の神様。
ただ, ほとんどの神社の千木が地面と垂直にカット ( 外削ぎ そとそぎ ) されているよう。 一つの目安として考えてた方が良いかもしれません。
鰹木 ( かつおぎ ) にしても, 偶数なら女の神様, 奇数なら男の神様といわれているけど, 実際のところは, 神社によって違うみたい。
日向大神宮の内宮は, 女性の天照大神をお祀りしているから, 地面と水平にカット ( 内削ぎ うちそぎ ) されていて, 鰹木は偶数の8。
日向大神宮の外宮に祀られているのは, 天津彦火瓊々杵尊, 天之御中主神で, 男の神様。 千木は地面と垂直にカット ( 外削ぎ そとそぎ ) されていて, 鰹木は奇数です。
天の岩戸 ぬけ参り
内宮の横から約40m登ったところに, 「 天岩戸 」があります。
入口から出口へ通り抜けることで, 穢れが清められ, 開運するといわれています。
内部には, 戸隠神社があり, 天手力男命 ( あめのたぢからおのみこと ) が祀られています。 天照大御神が天岩戸に閉じ籠ったとき, 手を取り外へ導きだして, 太陽の光を復活させた怪力の神様。 その事から, 開運 ・ 厄除にご利益があります。
伊勢神宮遥拝所
日向大神宮には伊勢神宮と同じ神様をお祀りしているから, 伊勢神宮にお詣りしたことと同じ。
とはいっても, 伊勢神宮をお詣りしたい ! という人のためにあるのが, 遠く伊勢神宮へ向かって拝む場所。 伊勢神宮へ向いています。
この場所は, 伊勢神宮と日向大神宮を結んでいるだけではなく, 延長線上に平安神宮, 京都御所, 平安京の大内裏等があることから, パワーの通り道として知られています。
鳥居の反対側の木々の切れ目からは, 京都市内が望めます。 平安神宮の朱色の大鳥居が見えます。
手水舎から伊勢神宮遥拝所まで徒歩約8分。
最初は山道にしつらえられた石段を登っていきます。
鉄塔の横辺りからは石段はなくなって山道に。 伊勢神宮遥拝所までは, あと少し ! !
手水舎
境内へと続く石段の横にある手水舎。 女性の肌のためにめっちゃ良いといわれています。
その水をお肌につけると, 10歳は若返るといわれている貴重な水 ! !
日向大神宮について
天照大御神 ( あまてらすおおみかみ ) が孫の邇邇藝命 ( ににぎのみこと ) を, 葦原の中津国 ( なかつくに 地上の世界 ) を治めるために遣わせた神話が,「 天孫降臨 」。 その時に降り立ったのが, 筑紫の日向 ( ひむか ) 高千穂の峰といわれています。
日向大神宮は, 西暦480年代後半, 第23代顕宗天皇 ( けんぞうてんのう ) の時代に, 天孫降臨の筑紫の日向 ( ひむか ) 高千穂の峰から神様の印を遷して創建されたと伝えられています。
日向大神宮を囲む山は, 太陽の神様である天照大御神をお祀りしているということで, 日山 ( かみやま ) と天智天皇 ( てんちてんのう ) が名付けました。 後に, 日御山 ( ひのみやま ) , とも神明山 ( しんめいやま ) とも呼ばれています。
平安時代の貞観年間 ( 859~877 ) に疫病が流行した際, 境内に湧いている水を住民に与えたところ, 疫病が収まりました。 清和天皇は, この泉を「 朝日泉 」と名付けたそう。
日向大神宮のそばには, かつての東海道 ( 今の三条通 ) が通っていたから, 旅の安全祈願や伊勢神宮に代参として大変賑わいました。
日向大神宮 アクセス
地下鉄東西線「 蹴上駅 」1番出入口から徒歩約12分。
地下鉄東西線「 蹴上駅 」1番出入口を出てすぐに左折。 約100m行くと, 上の写真の鳥居があります。 この細い参道を進んでいくとすぐにあるのが, 蹴上のインクライン。 琵琶湖疎水に架かる大神宮橋を渡って真直ぐ登っていけば, 日向大神宮があります。
台数は多くないけど, 手水舎の前辺りに参拝者用の駐車場もあり。
ちょっと, 雑学。
蹴上 ( けあげ ) の由来
日向大神宮の最寄り駅の地下鉄東西線「 蹴上駅 」のある珍しい地名の『 蹴上 』。
平安時代後期, 16歳の牛若丸 ( 源義経 みなもとのよしつね ) が, 京の都から奥州へ旅立つ時のこと。
この辺りで, 平家の関原与一ら九人とすれ違い, その中の1人の乗っていた馬が「 蹴り上げた 」泥水が義経にかかったことがきっかけで, 乱闘になり, 牛若丸が全員切り殺してしまったことが,「 蹴上 ( けあげ ) 」の由来になったという説。
打倒平家を胸に秘めていたから, 余計に腹が立ったんでしょうね。
九条山
また, 一説には, 蹴上から東へ向かうとき九条山という山を超えて, 山科へ向かいます。
その昔, この九条山に粟田口刑場があり, 嫌がる罪人を 「 蹴り上げて 」 刑場まで連れていったというエピソードから名付けられたとか。 これは, 「 縄手通 」 と似ていますね。
ちょうど, 九条山の信号の西側辺りが粟田口刑場のあった辺り。 白い説明版があります。
蹴上もだけど, 京都には他にも珍しく, 変わった由来の地名や通りもあります。
天使突抜 ( てんしつきぬけ ) , 西院 ( さい or さいいん ) , 轆轤町 ( ろくろちょう ) , 先斗町 ( ぽんとちょう ) , 西陣 ( にしじん ) , 東陣 ( ひがしじん ) , 衣笠 ( きぬがさ ) , 千本通 ( せんぼんどおり ) などなど。
日向大神宮 近くの観光スポット
蹴上義経地蔵
牛若丸が切り殺した九人の菩提を弔うために村人が九体の石仏を安置しました。 また, 一説には, 我に返った義経が, 自分のしてしまったことを悔やみ, 村人に頼んで九人の菩提を弔うように頼んだともいわれています。 ここに九体の内の一体が祀られています。
蹴上インクライン
ちょうど, 義経地蔵のそばにあります。 下の図で 「 蹴上船溜 」 辺り。
明治になって, 東京遷都に伴い落ち込んだ京都の景気浮揚対策と天皇がいなくなった京都を元気づけるために行われた大事業が, 「 琵琶湖疎水事業 」。 琵琶湖の水を京都まで引いてくるのは長年の夢だったみたい。
同時に京都と琵琶湖間の物資輸送のために, インクラインも建設されました。 今ではその琵琶湖疎水沿いやインクラインに桜が咲き誇り, 現代の私たちを楽しませてくれています。
日向大神宮 まとめ
山に囲まれた静かで厳かな雰囲気に満ちている神社。
喧騒を離れて神聖な心地にさせてくれます。 オススメの神社です。
京都にある他のどの神社とも違う雰囲気に満ちています。
伊勢神宮へお詣りするのが一番いいんだろうけど, 京都で伊勢神宮へお詣りした気持ちになれるのもありがたいところ。
京都 神社仏閣 関連リンク
所在地 | 京都府 京都市 山科区 日ノ岡 一切経谷町 29 上ル下ル西入東入について |
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電話 | 0 7 5 - 7 6 1 - 6 6 3 9 |
社務所受付時間 | 1 0 : 0 0 ~ 1 5 : 0 0 日向大神宮ホームページ |
※ 参拝時間 ・ 受付時間等は変更されることがありますので, 神社にご確認ください。 万が一, 間違っていたとしても, 責任は負いかねます。 予めご了承ください。
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