「 上賀茂神社 青もみじ 2022 」
春には,参道の横に薄紅色の「御所桜」と遅咲きの濃いピンク色の「斎王桜」が参拝客を出迎えてくれる『上賀茂神社( 賀茂別雷神社 かもわけいかずちじんじゃ )』。
桜が終わり, 皐月の頃には, 境内を流れる「ならの小川」の西にある渉渓園 ( しょうけいえん ) 辺りで涼やかな青もみじが楽しめます。
上賀茂神社 青もみじ 2022 案内
渉渓園 ( しょうけいえん ) 9:00~16:00
上賀茂神社の一の鳥居から二の鳥居まで延びる広い参道。 進行方向の右側には,「 御所桜 」と「 斎王桜 」。
そのさらに東側に流れている「 ならの小川 」のすぐ横に広がるのが,『 渉渓園 ( 入園無料 ) 』。 平安絵巻を奏でる「 賀茂曲水の宴 」が行われる緑溢れるエリアです。
上賀茂神社にお詣りに来たことがある人でも, 渉渓園の存在を知らない人がいるかも。
初夏から夏にかけては特に青もみじが綺麗で爽やかな場所。 上賀茂神社へお詣りに行ったら, 行かないのはもったいないかも (^^)
賀茂山口神社の拝殿。
緑溢れる場所で, 真夏でもヒンヤリ涼しい空気とマイナスイオンに満ちているエリア。 緑好きの私としては, 青もみじを感じながら佇んでいるだけで, めっちゃ落ち着きます (^^)
「 ならの小川 」から引き込まれた水が, 渉渓園を流れ, 四月には「 賀茂曲水の宴 」が開催。
願い石 ( 陰陽石 )
渉渓園を訪れた際には, 青もみじと共に, 是非お願いしておきたいものが。 それは, 賀茂山口神社の拝殿の左斜め前にある 「 願い石 ( 陰陽石 ) 」。
むかしむかし, この渉渓園には, 龍の住む池があったといわれ, その池の底から出土した陰陽石は, 陰と陽が極まって融合した姿を現わしているそう。 すごく珍しい石なんです。
まずは両手で同時に石に触れて, 願い石の力を貰ってから, 賀茂山口神社にお参りするのが良いそうです。 もちろん, 私もお願いしてきました ! !
睦 ( むつみ ) の木 ( スダジイ )
この渉渓園のなかで, 圧倒的な存在感を放っているのが, 「 睦の木 」。 空へ向けて, そびえ立っています。
ひと際デカい ! ! ! 賀茂山口神社 拝殿と前にいる人と比べると, いかに大きいかがわかります。 この睦の木が渉渓園に, どっしりとした安定感を与えています。
このスダジイは樹齢300年以上で, ひとつの根っこから幹が何本も伸びているところから, ひとつに結ばれた仲睦まじい家族の絆や家内安全を現わしています。
渉渓園で睦の木や青もみじを堪能した後で, 付近を歩いていると, ちょっとオモシロいものを発見。
渉渓園の東隣に, 普段見慣れない植物が植えられている場所がありました。
なんだと思います ?
ピン ! ときた人は, かなりの京都通ですね (^^)
その植物とは, 双葉葵。 ハートの形にも見えますね (^^)
なぜ双葉葵を育てているかというと, 上賀茂神社と下鴨神社のお祭として知られている「 葵祭 」のため。
葵祭で使用するから, 境内の片隅で栽培されているんです。
京都御所から始まる行列に参加する人たちが, 当日, 双葉葵を身に着けています。 めっちゃ風流 ! !
上の画像のように, 双葉葵と桂の葉を絡ませてつくられた「 葵桂 」が使われます。
残念ながら, 2022年も3年連続で, 葵祭の行列は中止になってしまったけど, 双葉葵がこんな境内の片隅で育てられているとは。 全然, 知りませんでした。
ところで, なぜ, 葵祭で “双葉葵と桂の葉” が使われるのかは, 上賀茂神社の成り立ちに関係しています。
上賀茂神社 神話のお話し
数千年前に, 天で雷が起こり, 地上へ赤い矢が放たれました。
その赤い矢が賀茂川に落ちて流れてくるのを, 禊をしていた賀茂一族の姫 賀茂玉依比売命 ( かもたまよりひめのみこと ) が見つけ, 家へ持ちかえったそう。
そして, 飾っていた赤い矢の力によって, 賀茂玉依比売命が寝ている間に懐妊し, 生まれてきた子供が, 賀茂別雷大神 ( かもわけいかづちのおおかみ ) 。 上賀茂神社の祭神です。
その後, 子供はすくすくと育ち, 元服の席で, 突然「 私の父は天にいる神だ ! 」と宣言し, なんと, そのまま天に昇ってしまいました。 えー, なんなんそれ。
自分の子供が突然いなくなり悲しみに暮れる母 , , , , 。
天に昇った賀茂別雷大神は, 落ち込む母の枕元に現れ, こう告げたんだそう。
「 もう一度私に逢いたければ, 葵と桂の葉を飾り, 鈴をかけた馬を走らせ, 立派な祭りをしなさい。 」
そんなこと急に言われても。 できませんけど・・・・。
でも, やっちゃったんです。
息子の賀茂別雷大神が言ったとされることを起源とするのが, 「 賀茂祭 ( 葵祭 ) 」。
賀茂別雷大神 ( かもわけいかづちのおおかみ ) の言った通り, 今でも祭りの参加者は,「 葵と桂 」の葉を飾っています。
そして, 葵祭の10日前に行われているのが,「 賀茂競馬 」。 鈴を付けた馬が境内を疾走する勇壮な祭り。
賀茂祭 ( 葵祭 ) の由来は, 神となってしまった我が子に逢いたい ! という母の願いでした。
ならの小川
渉渓園の西隣を流れるのが, 「 ならの小川 」。
「 ならの小川 」の周りは緑溢れ, 爽やかで心地よい雰囲気。 もちろん, 青もみじも綺麗。
川の横を歩いているだけで, 心休まるゆったりとした時間を過ごせます (^^)
「 ならの小川 」のせせらぎの音を聞きながら, 読書をしたり, ぼーっと辺りを眺めている人も見かけます。
双葉姫稲荷神社の参道
上賀茂神社に参拝をした後で, 楼門をくぐって, 片岡橋を渡り, ならの小川を右手に見ながら進むと, 先の渉渓園が右手に見えてきます ( ※こちらからは渉渓園へ入れません ) 。
賀茂山口神社の拝殿と本殿の細い道を通り抜けると現れるのが, 上の鳥居。 双葉姫稲荷神社の参道になっていて, 伏見稲荷大社ほどではないけど, 連続しています。
ここも朱色の鳥居と青もみじの光景が非常に綺麗な場所。 ここまではあまり人が来ないのもいいですね。
ちなみに, 上には, いくつかの小さな神社があり, 眺めの良い場所。 そして, 住宅街へ続く裏参道です。
上賀茂神社 桜
早咲きの御所桜と遅咲きの斎王桜が, 参道に咲き誇ります。
御所桜
大きく水平方向に延びた枝が, 棚に支えられて思う存分に花を咲かせている様は, 本当に美しい。
孝明天皇から贈られた桜が, 元は京都御所にあったことから「 御所桜 」と名付けられました。 樹齢は150年以上で, 薄紅色の美しい花びらが訪れる人を魅了しています。
斎王桜
早咲きの御所桜が終わると, 濃いピンク色の斎王桜が見頃を迎えます。
幾重にも折り重なるように咲いた花びらをまとった姿は, 華やかそのもの。 綺麗な十二単を身に着けた斎王の姿を連想させます。
上賀茂神社 歴史
本殿前にある楼門とその前の玉橋。
賀茂別雷神社の歴史は古く, 7世紀末にはすでに有力な神社で, 京都で最も古い神社の一つ。 当時この辺りを支配していた賀茂氏の氏神を祀っていました。 平安京遷都以降は国家を護る神社として朝廷から崇め敬われ, 賀茂祭 ( 葵祭 ) は ※勅祭とされました。
※ 天皇の勅使 ( 使者 ) が派遣されて執り行われる神社の祭のこと。
また, 伊勢神宮にならった斎院が置かれ, 天皇の皇女が「 斎王 」として奉仕。
葵祭のヒロイン斎王代は, この「 斎王 」の代理という意味。 斎王桜もここから名付けられています。
上賀茂神社 ご利益
ご利益は, 必勝, 開運, 厄除方除, 八方除, 災難除, 雷除, 珍しいのが, 電器産業守護。
神山湧水
賀茂別雷大神 ( かもわけいかづちのおおかみ ) が初めて降りてこられた神山 ( こうやま ) の湧き水が手水舎にひかれています。
神社に名水が湧き出ていたら, 飲むだけで何かご利益がありそう ! !
立砂 ( たてずな ) または盛砂
上賀茂神社の一の鳥居から延びる広い参道を進むと, その先には二の鳥居。 二の鳥居をくぐると見えてくるのが, 細殿の前に盛られた二つの立砂。
お店や飲み屋の前で良く見かける風景のデカい版ですよね (^^)
この立砂は, 上賀茂神社の祭神 賀茂別雷大神 ( かもわけいかづちのおおかみ ) が初めて降臨した神山 ( こうやま 上賀茂神社の北にある山 ) を表しているんです。
この上賀茂神社の立砂にあやかったのが 「 盛塩 」で, 玄関先に盛られ, 神のご加護を願っています。
また, 鬼門 ・ 裏鬼門に砂を撒いて清める風習は, 上賀茂神社の立砂信仰が起源で「 清めのお砂 」の始まりといわれています。
ちなみに, 細殿の横で, 「 清めのお砂 ( 500円 ) 」を販売しています (^^)
昔は神山に生えている松の木を持ってきて, お祀りしていたそう。 盛砂のてっぺんの松の葉はその名残。 二葉の松の葉が “陰” , 三葉の松が “陽” を表しています。
ちょっとわかりにくいけど, 二葉の松の葉が刺さっています。
三葉の松
上賀茂神社 アクセス
市バス「上賀茂神社前」バス停下車すぐで上賀茂神社一の鳥居。
詳しいアクセスを見る
上賀茂神社前バス停へ
京都駅前バスターミナル ( JR中央口前 ) から
JR京都駅の中央口 ( 京都タワー側 ) の前にあるのが, 京都駅前バスターミナル ( pdf )。
四条河原町から
四条河原町バス停 ( pdf ) は, A~Hの合計8か所あります。 行先によって乗車する停留所は違います。
四条烏丸 ( 地下鉄四条駅 ) から
四条烏丸バス停は, A~Gの合計7か所あります。 行先によって乗車する停留所は違います。
※ 京都市バスの掲載内容は, 京都市バス時刻表でご確認ください。 万が一, 間違っていたとしても, 責任は負いかねます。 予めご了承ください。
上賀茂神社 近くの観光スポット
近くの観光スポットを見る
ちょっと雑学
読み方が一緒で漢字が違う「賀茂川」と「鴨川」。
違いは上賀茂神社に由来しています。
上賀茂神社 青もみじ 2022 まとめ
5月の風を感じながら楽しむ緑の風景は, 気持ちいい。 桜の時期とは違い, 参拝客も少なく, 心地良い風景を一人占めに出来るのもめっちゃ良いところ。
5月~8月頃に, 上賀茂神社へ来る機会があれば, 是非, 渉渓園 ( しょうけいえん ) にも訪れてみてください。 静かで落ち着いた雰囲気の中, 綺麗で爽やかな青もみじを楽しむことができます。
京都 神社仏閣 関連リンク
所在地 | 京都府 京都市 北区 上賀茂本山 339 |
---|---|
電話 | 0 7 5 - 7 8 1 - 0 0 1 1 |
Web | 賀茂別雷神社(上賀茂神社)ホームページ |
※ 参拝時間 ・ 受付時間等は変更されることがありますので, 神社にご確認ください。 万が一, 間違っていたとしても, 責任は負いかねます。 予めご了承ください。
コメント