「 梨木神社 」
京都市民の憩いの場所といえば「 京都御所 」。
北は今出川通、 南は丸太町通、 東は寺町通、 西は烏丸通に囲まれ、 南北約1,300m、 東西が約700mの広大な敷地。
松や梅、 桜、 楓など約5万本の樹木があり、 多くの野鳥も生息。 京都御所では「 オオタカ 」の生息も確認されています。
そんな京都御所の東、 清和院御門のすぐそばにあるのが、 梨木神社。
京都御所を護るようにひっそりと佇んでいます。
梨木神社 京都の萩の名所
梨木神社は, “萩”の名所として知られ、 9月 ~ 10月には、 萩が境内のそこかしこで可憐で控えめな花を咲かせています。
毎年9月の第3または第4日曜日前後には、「 萩まつり 」が開催され、 俳句大会や狂言 ・ 舞 ・ 居合抜刀術などが奉納されます。
梨木神社 萩
“萩” は、 古くから日本人に親しまれ、「 万葉集 」で最もよく詠まれる花。
まめ科の植物で秋の七草の一つ。 10月末頃まで楽しめます。
花言葉は、「 思案 」、「 内気 」、「 柔軟な精神 」。 萩の控えめで可憐な花からイメージできますね。
秋の七草
萩 ( はぎ )
薄 ( すすき ) または尾花 ( おばな )
桔梗 ( ききょう )
撫子 ( なでしこ )
葛 ( くず )
藤袴 ( ふじばかま )
女郎花 ( おみなえし )
万葉集について
「 万葉集 」で最もよく詠まれる花の “萩” にちなんで、 9月の萩まつりには、「 府市民俳句大会 」が催されます。 境内に咲いている萩の枝にたくさんの短冊が結び付けられています。
「 万葉集 」とは、 奈良時代末期に成立したとみられる日本に現存する最古の和歌集で、 日本3大和歌集の1つ。 ( Wikipedia ) 三大歌集とは、「 万葉集 」、「 古今和歌集 」、「 新古今和歌集 」
“萩” に関する歌は、 8巻と10巻に集中し、 142首あります。 誰かを思いながら詠んでいる、 切なく物悲しい歌が多いですね。
秋萩の上に置きたる白露の消かもしなまし恋ひつつあらずは
弓削皇子 ( ゆげのみこ )
萩についた白露のように、はかなく消えてしまったほうがましです。恋して苦しむよりは。
萩の花 尾花 葛花 なでしこの花 をみなへし また藤袴 朝顔の花
山上憶良 ( やまのうえのおくら )
上の歌は、 秋の七草を詠んだもの。 憶えるためには良いですね。
ちなみに、” 尾花 “とは薄 ( すすき ) の別名。 ” 朝顔の花 “とは、 私たちがイメージする ” アサガオ ” ではなく、 朝に咲く花という意味で、 「 桔梗 」を意味するよう。
梨木神社 について
梨木神社は、 明治十八年 ( 1885 ) に創建された旧別格官幣社。
明治維新の功労者三條実萬( さねつむ ) ・ 実美( さねとみ )を祀り、 三條家の旧邸が、 梨木町にあったことから「梨木神社」と名付けられました。
三條実萬は、 文化九年 ( 1812 ) 以来四十七年間、 光格( こうかく )、 仁孝( にんこう )、 孝明( こうめい )の三代の天皇に仕え、 皇室に尽くしたため、 結果、 幕府と対立し、 その圧迫により一乗寺に幽閉。
安政六年 ( 1859 ) に亡くなりました。諡( おくりな )は、「 忠成公 」。
三條実美は、 幕末に尊王攘夷運動の先頭に立って、 明治維新後は大政大臣に任じられましたが、 明治ニ十四年( 1891 )に亡くなり、 正一位を贈られ、 大正四年( 1915 )に、 父 実萬が祀られる梨木神社に合祀されました。
梨木神社 染井
現在の梨木神社の境内は、 9世紀後半に栄えた藤原良房の娘明子( 清和天皇の母親 染殿皇后 )の里御所( 御所の外に設けた仮の御所。 主に摂政 ・ 関白などの、 外戚の邸宅 )。
この良房の屋敷を染殿といい、 宮中御用の染所として梨木神社にある「 染井 」の水が用いられたといわれています。
「 染井 」は、 京の三名水の一つで、 現存する唯一の三名水として知られています。
※ 他の2つは、醒ヶ井( さめがい )・ 県井( あがたい )
その味は、 甘くまろやか。 この時期は、 まだまだ暑いので、「 染井 」の名水で一休み。
梨木神社 アクセス
京都市バス「 府立医大病院前 」バス停下車, 徒歩約4分。
近くの観光スポット
京都御所
私たちも御所といっているけど, 本当は ” 京都御苑 ” といいます。 京都御所は歴代天皇が住んでいた場所。 京都御苑の中にあるのが「 京都御所 」。
でも, 京都市民で「 京都御苑 」なんていう人は一人もいませんが ・ ・ ・ ・ 。 みんな「 御所 」って言ってます (^^)
春は梅や桜, 秋には紅葉で彩られる京都市民の憩いの場。
京都御所は, 北は今出川通, 南は丸太町通, 東は寺町通, 西は烏丸通に囲まれ, 南北約1,300m, 東西が約700mの広大な敷地。その中に, テニスコートやグラウンド, 松や梅, 桜, 楓など約5万本の樹木。 多くの野鳥も生息していて, 京都御所では「 オオタカ 」の生息も確認されています。
京都御所 ( 梨木神社から徒歩約1分 )
廬山寺 ( 紫式部邸宅跡 )
源氏庭 : 白砂と苔の庭で, 6 ~ 9月末までは, 紫の桔梗が静かに咲いています。梨木神社から徒歩30秒, 寺町通を挟んだ向かい側にあります。
現在の廬山寺のあるところは御所から近く, 紫式部の曽祖父の中納言 藤原兼輔 ( ふじわらのかねすけ 877 ~ 933 ) から伯父の為頼, 父の為時へと伝えられた広い邸宅でした。
紫式部は, 百年ほど前に兼輔が建てた邸宅で一生の大部分を過ごしたといわれ, この邸宅で, 藤原宣孝との結婚生活を送り, 一人娘の賢子 ( かたこ ) を育て, 源氏物語を執筆しました。
廬山寺 ( 梨木神社から徒歩30秒 )
護王神社
京都御所の蛤御門の南西, 烏丸下長者町にあります。 ” いのしし ” の神社として有名。 また, 祭神の和気清麻呂 ( わけのきよまろ ) がいなかったら京都へ都は来なかったかも ? !
護王神社 ( 梨木神社から徒歩約12分 )
京都 桑原町
梨木神社から徒歩約13分, 京都地方裁判所の北側にあるのが, めっちゃ不思議な町, 『 京都 桑原町 』。
裁判所の一部と道路だけ。 建物などは一切なし。 何のためにあるのか????だらけ。 実は, この不思議な町が存在しているのには, 今は, 学問の神様として知られている菅原道真 ( すがわらのみちざね ) が関係しています。
菅原院天満宮神社
菅原院天満宮神社は, 京都御所のすぐ西, 烏丸通下立売下ルにあります。 この地に菅原家の邸宅があり, 菅原道真の生まれた場所と言われています。 ※ 諸説あり
門をくぐって右へ進むと 「 菅公御産湯の井 」 があります。 毎日飲んでいたら, 頭がよくなりそうですね (笑)
菅原院天満宮神社 ( 梨木神社から徒歩約16分 )
近くのグルメ
LAND
地元の人に支持されているパン屋さん。 ベーグル系が多いです。LANDでパンを買って, 近くの鴨川公園で食べるのもオススメ ! ! 鴨川 ピクニック 気持ちのいい青空の下で。
LAND ( 梨木神社から徒歩約7分 )
近くのラーメン屋
新福菜館 府立医大前店
梨木神社から徒歩約7分にあるのが, 「 新福菜館 府立医大前店 」。
昭和38年 ( 1963 ) 創業で, ラーメン屋では老舗といってもいいのではないでしょうか。 最近は, 時代の流れと共にスープの味が, 以前より薄くなっています。
京都 神社仏閣 関連リンク
所在地 | 京都府 京都市 上京区 寺町通 広小路上ル 上ル 下ル 西入 東入について |
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電話 | 075 - 211 - 0885 梨木神社ホームページ |
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