千本通
「 千本通 」
京都市を北から南へ「 ズドーン 」と縦断している長い通りが,「 千本通 」。 いわく付きの由来や平安時代はメインストリートだった, などのエピソードがあります。
目次
千本通 名前の由来。
平安時代は, 風葬が一般的。 死体を燃やすのに薪がたくさんいるから, 庶民は亡くなると都にいくつかあった風葬地へ ( 天皇や高貴な人は火葬 ) 。 ここで死体を地中に埋めずに地上に置いて, そのまま風化させていました。
カラスなどが死体をついばみ, 想像するだけでも恐ろしい光景が広がっていたでしょう。 人が死ぬことを, ” 土に還る ” っていう表現は, ここからきたのかも。
平安時代の京都の風葬地の一つに「 蓮台野 」と呼ばれる地域がありました。 ちょうど, 船岡山の北西辺り。 現在の京都市上京区の千本通鞍馬口上ル辺り。
その蓮台野へ死者を送る道に, 卒塔婆 ( そとば ) を “ 千本 ” 立てて供養したことから, その道を「 千本通 」と呼ぶようになりました。
私たちが普段何気なく通っている千本通に、こんないわくつきの由来があるとは知りませんでした。
京都には, この手の怖いエピソードのある名前が, ちょこちょこありますね。
千本ゑんま堂

この「 蓮台野 」の入口辺りにあるのが, 「千本ゑんま堂」。
昔, 死者を送るこの辺りは, この世とあの世の境目と考えられていました。 その境目にある千本ゑんま堂では, 毎年8月7日 ~ 15日にご先祖の霊をお迎えし, 8月16日にお送りするための ” 迎え ” と ” 送り “の両方の鐘を撞く習わしがあります。
そして, 千本ゑんま堂の本尊は, なんと「 閻魔さま 」。
死者はここで, 生前行いが悪ければ, 閻魔大王に地獄へ送られていたかもしれませんね。

ちなみに, 千本ゑんま堂のある辺りは,「 閻魔前町 」と呼ばれています。 千本ゑんま堂にぴったりの町名 (^^) ほんとに京都には珍しい地名が多いですね。
千本ゑんま堂 ( 千本鞍馬口から徒歩約1分 )
ちょこっと, 関連情報。

鳥辺野のあの世とこの世の境目は,「 六道の辻 」と呼ばれていました。
ちなみに, 平安京の東の風葬地は, 鳥辺野( とりべの )と呼ばれる地域でした。
清水寺の下辺りから, 高台寺, 建仁寺,そして六道珍皇寺 ・ 六波羅蜜寺がある辺り。 いまでは, 観光で賑わう地域も, 平安時代は風葬の地だったんです。

そして, 鳥辺野の入口辺りにあるのが,「 六道珍皇寺 」。
六道珍皇寺でも, 千本ゑんま堂と同じように, あの世とこの世の境目にあるお寺なので, お盆前の8月7日 ~ 10日は, ご先祖様をお迎えする「 六道まいり 」という風習があります。 ちなみに, ご先祖様をお送りするのが, 大文字で有名な8月16日の「 五山送り火 」。

千本ゑんま堂のある辺りが,「 閻魔前町 」と呼ばれているように, 六道珍皇寺の辺りも 轆轤 ( ろくろ ) 町 と呼ばれています。
清水焼の近くだから「 轆轤町 」でしょ ! いえいえ, この話の流れでは, そんな洒落た理由ではありません (笑)
千本鞍馬口上ル辺り ちょっと, 寄り道。
上品蓮台寺 ( じょうぼんれんだいじ )

ちょうど船岡山の西にある蓮台野にあるのが、「 上品蓮台寺 」
春は, 門をくぐってすぐにある綺麗な枝垂桜が迎えてくれます。
聖徳太子の創建と伝えられ, 最盛期には広大な寺域を誇っていましたが 応仁の乱 によって焼失。蓮台野一帯に, 十二の子院があったことから「 十二坊 」の名で知られるようになりました。
上品蓮台寺 ( 千本鞍馬口から徒歩約3分 )
武勲神社 ( たけいさおじんじゃ )

蓮台野の東にあるのが, 船岡山。その中腹に鎮座しているのが, 「建勲神社」。
建勲神社は, 織田信長を祀る神社で, 地元の人には通称「 けんくん 」さんと呼ばれています。 本能寺の変( 1582 )の後, 豊臣秀吉が正親町( おおぎまち )天皇の勅許を受けて, 主君である信長の廟所と定めています。
武勲神社 ( 千本鞍馬口から徒歩約7分 )
蓮台野 ( れんだいの ) 近衛天皇火葬塚

船岡山の西にある蓮台野と呼ばれる地域にあるのが, 「 近衛天皇火葬塚 」。
住宅地のど真ん中に佇んでいます。 周りを住宅に囲まれ, ちょっと不思議なスポット。

周りを住宅に囲まれています。
平安の昔, 一般庶民は, 死体を燃やすための木がたくさんいるので, 風葬が一般的だったようですが, 天皇や高貴な人物は, 火葬していました。
千本鞍馬口辺り 近くのグルメ
キッチンパパ

お米屋もやっている洋食屋。
ハンバーグ & コロッケ共に美味しかった ! ! ごはんもお替り自由でおなか一杯。 数量限定で玄米も選べます。
キッチンパパ ( 千本上立売から徒歩約1分 )
千本通 今出川辺り
千本釈迦堂

京の都全てを巻き込んで10年以上続いた「 応仁の乱 」。 京都市内にある神社仏閣は殆どが被災したけど, 千本釈迦堂は戦火から逃れることができた数少ないお寺。
それには、「 ほんまかいな? 」って思う理由がありました。
千本釈迦堂( 千本今出川から徒歩約6分 )
千本通 昔々は, メインストリート。
朱雀大路

横の通りが「 千本通 」

千本通御池上ル東側にある朱雀門跡の碑
今の千本通は, 平安時代の 「 朱雀大路 」。 平安京のメインストリート !
朱雀大路は, 朱雀門から南にある羅城門までの, 4kmにわたって延びる平安京のメインストリートで, 幅はなんと84メートルもあり, 並木として柳が植えられていたそう。
この朱雀門の石碑辺りから北が、平安京の中心部でした。
千本通 丸太町辺り 平安京の中心部

住宅と駐車場の間にポツンと平安京の碑が佇んでいます。
朱雀門跡辺りから北が平安京の中心部である大内裏 ( だいだいり ) があったエリア。平安京の中心部です。
大内裏とは, 内裏 (だいり 儀式や執務などを行う天皇の宮殿 )や大極殿 ( だいごくでん ) ・ 朝堂院 ( ちょうどういん ) などの政庁があり, 京都御所のような築地に囲まれていました。

千本丸太町交差点の北東の歩道の上。めっちゃ良いアイデア ! !
特に千本丸太町辺りには, 平安京の大内裏や内裏関係の史跡が数多く存在。
住宅街を歩いていると, 突然平安京関係の碑が建っていたりします。 めっちゃ油断できない(笑)
関連情報 平安京 遷都
平城京から長岡京へ。 そしてわずか10年で平安京へ遷都。 いろんなことがあったみたいです。
自転車がオススメ
千本丸太町辺りは, 平安京の史跡がたくさんあって面白いエリアだけど, 千本丸太町以北は交通の便が京都市バスしかなく, 正直不便に感じることが多いですね。
市電を廃止した後に, 京都市地下鉄「 烏丸線 」のように, なぜ地下鉄を通さなかったんでしょうか ?
京都駅から中央卸売市場方面へ向かい嵐電 & 阪急の大宮を通って, 北は千本北大路辺りまで結ぶ京都市地下鉄「 千本線 」という路線を造っていたら, 市電が通っていた頃の大正から昭和にかけての「千本通」賑わいが続いていただろうなー, と思います。
まー, ぼやいていてもしょうがないので, 平安京関係の史跡に興味があれば, 自転車で廻ることをオススメします。 あっちこっちへ, 行ったり来たりしないといけないから, 徒歩はやっぱりしんどいですね。
小回りが利いて, あまり疲れない自転車が, 京都観光には一番 ! !
朱雀門跡辺りのグルメ
大鵬

ひと口食べると, 「旨い ! ! 」の一言。 辛さは, それほどでもないけど, 本格的な麻婆豆腐。
山椒のぴりっとした刺激に咳き込んでしまいました (笑)
ランチとしては料金高めだけど, オススメです ! 人気店なので, 並ぶのが嫌ならOPEN直後に行くべき。
大鵬 ( 千本御池から徒歩約3分 )
千本通 千本三条辺り

千本三条の交差点。 上の写真の中央のアーケードが「 三条会商店街 」
千本通は, 京都市北区鷹峯 ( たかがみね ) から伏見区まで続いている長い通りだけど, 個人的には千本三条から北の印象が強いですね。
千本三条の辺りは, 東へ向けてアーケードの三条会商店街があり, 近くのJR二条駅 & 京都市地下鉄二条駅の周りも開発が進み, とても住みやすい地域になっています。
三条会商店街
三条会商店街は, 地域密着で地元の人間が買い物に行く商店街。 錦市場 は観光客や商売向けで, 私も錦ではソフトクリームやコロッケ位しか買ったことがありません。
その点, 三条会商店街は, 色々なお店が軒を連ね, 日々の買い物にいそしむ京都人が見られます。 私もちょくちょく利用しています。 最近はお洒落な店もオープンしてきて, グルメで訪ねる観光客も増えて来ています。
三条会商店街ホームページ ( 千本三条すぐ )

JR二条駅
千本三条近くのラーメン屋
とんこつらぁ麺 嘉晴

旨い ! ! オススメです ! ! 濃厚 & クリーミーで上品な味わいの豚骨ラーメン。
大阪 箕面の人気店で15年修行をした後に開業したそう。 アーケードの三条会商店街の中にあるので, 雨が降っても安心アクセス。
とんこつらぁ麺 嘉晴 ( 千本三条から徒歩約4分 )
家系ラーメン 山下醤造

家系の醤油豚骨こってりスープ。 コクがあって後味がかなり濃厚で, 癖になる美味しさ。
店員さんが礼儀正しいです。 味良し, 接客良し。
家系ラーメン 山下醤造 ( 千本三条から徒歩約2分 )
元祖熟成細麺 香来

鶏ベースで背油ちゃっちゃの醤油味。 京都ラーメンです。
程よい濃さで, めっちゃ美味しいです !
元祖熟成細麺 香来 ( 千本三条から徒歩約3分 )
千本通 とは
下の地図のように, 北は京都市北区の鷹峯 ( たかがみね ) から, 南は七条通を過ぎ, 梅小路公園で一度途切れるけど, JRの線路を南へ渡ったところから再び千本通が始まり, 名神高速道路辺りまで続いています。
昭和40年代までは, 四条大宮から, 京都市北区紫野まで市電が通っていて, 三条通から今出川通の間は, 特に賑わっていたそう。
千本通 まとめ
千本通は, 京都市を南北に貫く長い通りだけど, ちょっと, 怖い由来や平安時代はメインストリートの朱雀大路だったから, 平安京の史跡跡がそこらじゅうにあります。
そんなことをテーマにしてみると, 今までとちょっと違ったディープな京都観光が出来るかも (^^)
千本通: 京都市北区鷹峯 ( たかがみね ) ~ 伏見区まで
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