轆轤町 ( ろくろちょう )
「 轆轤町 ( ろくろちょう ) 」
松原通を東へ, 鴨川に掛かる 松原橋 を渡り, 宮川町を過ぎて少し行くと「 轆轤町 ( ろくろちょう ) 」があります。
「 轆轤 」とは, 焼物を作るときに陶器を回す器具ですよね。 京都は清水焼があるから, 焼物関係の歴史がある町なんでは ? と思いますが, 実は全く違います。
轆轤町 あまりに不吉な前の町名は ?

実は, 「 髑髏 ( どくろ ) 」 が名前の由来なんです。でも, なぜ髑髏だったんでしょうか ?
平安時代以来, この轆轤町の辺りは「 鳥辺野 ( とりべの ) 」と呼ばれていた死者の風葬地域の入口辺りになっていたため, 人骨がいたるところに転がっていたそう。
そのため「 髑髏町 」と呼ばれるようになりました。 その町名が, あまりにも不吉だということで, 江戸時代の始めに,「 轆轤町 」 に変更されたそうです。
鳥辺野
清水寺の下辺りから, 高台寺, 建仁寺,そして六道珍皇寺 ・ 六波羅蜜寺がある辺り。
現在は観光地としてにぎわっているエリアですが, 平安の昔は, 風葬の地でした。 「 鳥辺野 」とは, 風葬された死体に鳥やカラスが群がってきたことから名付けられたもの。
現在では, 火葬が当たり前になっていますが, この当時は, 貴族などの身分の高い人間でも埋葬で, 一般民衆の死体は, 鳥辺野などの風葬地に捨てられるのが当たり前でした。
京都には, 平安京の東にあった鳥辺野の他に「 化野( あだしの ) 」,「 蓮台野( れんだいの ) 」の3つの風葬地がありました。
六道の辻

「 六道 」とは, 仏教の教義でいう地獄道( じごく )・ 餓鬼道( がき )・ 畜生道( ちくしょう )・ 修羅道( しゅら )・ 人道( 人間 )・ 天道の六種の冥界のことをさし, 轆轤町の辺りは「 六道の辻 」と呼ばれ, この世とあの世の境目と考えられてきました。
みなとや幽霊子育飴本舗

その六道の辻の碑の前にあるのが,「 みなとや幽霊子育飴本舗 」
” 幽霊子育飴 ” を販売しています。 何とも恐ろしい名前の飴(笑)
幽霊子育飴の由来

慶長の昔, 夜遅くに, 飴を売ってほしいと一人の婦人がやってきました。 そして, 次の日も, その次の日も ・ ・ ・ ・ 。
その女から受け取ったお金は, 翌朝改めてみると ” 木の葉 “ に代わっていました。 ある夜, 不審に思った飴屋の主人が女の後をつけてゆくと,その女は墓場へ入ってゆき, 姿を消してしまいました。 すると, 土の中から赤ん坊の泣き声が。 そこは, 子供を身ごもったまま亡くなった女の墓だったそうです。
寺に事情を話してその墓を掘ってみると ・ ・ ・ ・ 、
飴をしゃぶった赤ん坊がいたそうです。
死んだ後に生まれた赤ん坊のために, 母親の一念で, 幽霊となって飴を買って子供を育てていたのです。 その後, その赤ん坊は, 八歳で寺に入り, 高名な僧になったそうです。
幽霊子育飴

麦芽 80%, ザラメ 20% の割合で作られ, そんなに甘くなく, 素朴で昔懐かしい味です。
路地の宝庫

轆轤町は「 六原 」と呼ばれている地域にあり, たくさんの路地があります。
京都らしい細い路地 を見ながら, 散策してはどうでしょう。
ちょっと, 寄り道。
六道珍皇寺

お盆前の8月7日 ~ 10日, ご先祖様をお迎えする「 六道まいり 」をするため, 六道珍皇寺へ多くの京都人が訪れます。
お盆前に、 ご先祖様の霊を迎える京都ならではの習慣を見ることができます。
六道まいり 六道珍皇寺 ( 轆轤町からすぐ )
六波羅蜜寺

全盛期は寺域も広く, 平家の邸宅や鎌倉幕府の探題が置かれるなど, 源平史跡の中心でもありました。
六波羅蜜寺 ( 轆轤町からすぐ )
あじき路地

築100年以上の京町屋を大家の「 安食 弘子(あじき ひろこ) 」さんが再生し, 現在はクリエーターやお店が軒を連ねます。 京都らしい雰囲気を感じながら, お店めぐりもすることができます。
あじき路地 ( 轆轤町から徒歩約5分 )
近くのラーメン屋
ラーメン藤 五条店

スープは, 豚の旨みが効いている少し脂っこさを感じる薄い醤油味。
久世橋の ラーメン藤京都本店 ができて, 半世紀近く。 ラーメン屋で50年に近いのはすごいですね。 京都で長ーく受け継がれている味。
ラーメン藤 五条店 ( 轆轤町から徒歩約5分 )
ラーメン ポパイ

京町家が軒を連ねる京都らしい雰囲気を感じられるのが「 宮川町 」。 そこから, 少し東へ行くと「 ラーメンポパイ 」があります。
醤油のやわらかい味わいと, 豚のまろやかなコクが楽しめます。 後味に, ほんのり魚粉のような味が口の中に残ります。 そして, ラーメン以外にも美味しいものが。
ラーメン ポパイ ( 轆轤町から徒歩約5分 )
轆轤町 まとめ
清水焼発祥の五条坂の近くにあるので, 焼き物関係の由来かと思いますが, 実は髑髏からきているとは驚きです。 住所を書くときも漢字が難しく画数が多いので大変。
京都には珍しい地名がたくさんありますが,「 轆轤町 」のように恐ろしい由来のものが他にもあります。 「 西院 」や「 千本通 」などが有名です。
京阪本線「 清水五条駅 」下車徒歩約5分
京阪本線「 祇園四条駅 」下車徒歩約15分
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