祇園祭 鶏鉾 (にわとりほこ)
「 祇園祭 鶏鉾 」
室町通綾小路上ルに建てられます。
鶏鉾の由来

中国の史話に由来。
徳をもって天下を治めた理想的な帝王とされるのが 「 堯( ぎょう )帝 」
堯は 「 政治が間違っていたら教えてほしい。 」という思いを込めて、 朝廷の門前に諫鼓( かんこ )といわれる太鼓を設置。
しかし、 天下泰平でその諫鼓は全く鳴らされることはありませんでした。 そのうち諫鼓に苔が生えて、 鶏が遊ぶようになったという故事にちなんでいます。
「 諫鼓鳥が鳴く 」、 「 閑古鳥が鳴く 」 ?
「 閑古鳥が鳴く 」って、 お店などに対して普段使いますが、 この「 閑古鳥が鳴く 」は、「 諫鼓鳥が鳴く 」からきているという説があります。
堯の治世には、 天下泰平で諫鼓( 太鼓 )が鳴らされることがなく 、やがて諫鼓の上で鶏が遊び鳴くようになったということから、「 平穏 ・ 穏やか ・ 静か 」をあらわす「 諫鼓鳥が鳴く 」からきたという説。
もう一説には、 閑古鳥とはカッコウの別称で、 カッコウの鳴き声がもの悲しく、 さびれて流行らない店は、 まるで閑古鳥が鳴いているようにさびしい、 というところからきた説。
鶏鉾の祇園囃
鉾によって、 お囃子の調子も違うので、 色々比べてみるのも楽しいものです。
鉾頭
三角形の中の円形は鶏卵が諌鼓の中にあるという意味で、 鶏鉾の名前の象徴になっているといわれています。
真木の中ほどの「 天王座 」には、 船鉾 でも祀られている航海の神様といわれる住吉明神を祀っています。
鶏鉾の懸装品

天水引は下河辺玉鉉( しもかわべぎょくきん )、 下水引は松村呉春( 1752~1811 )、 松村景文( 1799~1843 )など四條派画家の下絵。
前懸のペルシャ絨毯、 胴懸の草花文様インド絨毯は、 近年復元新調されています。

見送は有名な毛綴( けつづれ )で、 近年の調査によると、 トロイの皇子ヘクトールが妻子に別れを告げる場面。
この見送は、 十六世 紀頃ベルギーで製作、 江戸時代初期に輸入されたものと考えられ国の重要文化財に指定されています。
旧後懸の寛永十五年、 町住者の寄進銘 のある朝鮮毛綴「 日月鳳凰に牡丹の図 」ニ枚継( にまいつなぎ ) は大切に保存。
まとめ
四条通の一本南の綾小路通上ルに建てられるので、 四条通の長刀鉾 ・ 月鉾 ・ 函谷鉾に比べると、 やや人が少なく、 落ち着いて見られます。
鶏鉾の見どころはやはり見送でしょう。 西洋の題材で鉾とのミスマッチが、 かえって鶏鉾の印象を強くしています。

DONBURI DONの北隣に「 鶏鉾 」が建ちます。
ちなみに、 鶏鉾の建つ南隣にある「 DONBURI DON 」という惣菜屋さんは美味しいです。
毎日作られるわけではありませんが、「 牛スジの煮込み 」はオススメ ! !
宵宮の時も店先で惣菜を売っているので機会があれば試してみてください (^^)
所在地 : 京都府 京都市 下京区 室町通綾小路上ル
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